昨日ホームで行われたJ1リーグ戦第16節京都戦は、茶島の2ゴールで突き放して3-1で勝利し、順位は再び4位となりました。
ワントップにドウグラス・ヴィエイラを起用。また左WBは柏が先発して、以下の布陣で戦いました。
大迫
住吉 荒木隼 佐々木
松本泰 野津田(→山﨑88分)
(→エゼキエウHT)
茶島 柏(→東HT)
(→中野76分)
森島 川村
Dヴィエイラ(→Bカリファ90+1分)
SUB:川浪、柴崎
対する京都は前節から5人入れ替えて、GK:太田、DF:麻田、井上(→荒木大87分)、アピアタウィア、白井、MF:川﨑、福岡(→谷内田65分)、松田(→山田65分)、平戸、FW:一美(→パトリック65分)、豊川(→木村78分)、と言うメンバーでした。立ち上がりから両チームともプレスをかけあって激しい戦いとなります。ファーストシュートは広島で、川村が直接FKを狙いましたが枠外。その直後には川﨑がミドルを放ちましたがDFがブロックします。何度もセットプレーを得た広島は、川村や野津田がボールを入れましたがなかなか味方に繋がりません。その後は京都もチャンスを作り、20分には大迫が蹴ったボールを奪われて豊川に危ないシュートを打たれます。27分にはドウグラス・ヴィエイラのクロスを受けた川村がペナルティエリア内から打ちましたがGKの正面。31分には相手のゴール前に侵入した柏がシュートしましたがGKが落ち着いて処理します。その後は再び京都がペースを握り、32分には福岡にミドルを打たれ、38分にはセットプレーから川﨑に合わせられましたが枠外に外れて助かります。前半は両チームともに持ち味を出して攻め合ったものの得点は生まれず、0-0でハーフタイムを迎えました。
後半から東とエゼキエウを投入して攻めの圧力を強めようとする広島。7分には森島が良いクロスを入れましたがドウグラス・ヴィエイラにはわずかに合わず、8分には森島がロングシュートを狙ったもののGKにキャッチされます。京都も後半12分、CKの折り返しをキャッチに行った大迫が荒木隼と交錯して落とし、これを松田に打たれましたが佐々木がぎりぎりでクリアします。そして後半13分、大迫のフィードに走った森島がDFとの競り合いを制して抜け出すと、クロスに合わせたエゼキエウのボールはGKが触ってポストに弾かれましたが、ここに走り込んだ茶島が突き刺してついに広島が先制点を奪いました。
この後は京都も3枚替えで点を取りに来ます。対する広島も後半22分、CKのこぼれ球をエゼキエウが狙いましたが枠外に外れます。そして後半23分、GKからのフィードから左サイドでボールを持った豊川がマークに付いた茶島を振り切ってペナルティエリアに侵入して右足を振り切るとそのままゴールネットに収まり、同点に追いつかれてしまいました。しかしその2分後に広島は左のポケットを取った野津田がゴール前を横切るクロスを入れると、ここに詰めていた茶島が押し込んで再びリードを奪いました。
この後も広島は29分の川村や34分の森島等が追加点を奪いに行きます。しかし京都もサイドの仕掛けからチャンスを作り、38分には平戸に、40分には木村に危ういシュートを打たれます。そして後半アディショナルタイム2分に自陣から繋いだボールを受けた川村が、競り合いを制してロングドリブルを敢行してそのままDFラインの裏に抜け出すと、GKの動きを見ながら冷静に決めて決定的な追加点を挙げます。この途中でオフサイドポジションにいたベン・カリファが関わったように見えたもののVARの結果ゴールが認められ、10分まで延びたアディショナルタイムもそのまま過ぎて、広島の勝利を告げるホイッスルが鳴り響きました。
Football LABによると広島のボール支配率は45.8%。シュート数はお互いに15本ずつで、枠内シュートが広島の10本に対して京都が3本だったこともあってかゴール期待値は広島の1.588に対して京都は0.995でしたが、「30mライン侵入」と「ペナルティエリア侵入」の数値は京都が上回ったところなどを見ても、ほぼ対等の試合だったことが見て取れます。実際、試合の流れを振り返ってみると両者ほぼイーブンの立ち上がりで、広島が何度がセットプレーのチャンスをつかんだものの徐々に京都にペースを握られ、前半終了間際には何度も決定機を作られました。しかし後半は選手交代をきっかけに主導権を握って先制点を奪うと同点に追いつかれた直後に突き放し、その後は大迫の好セーブもあって逃げ切りを図りました。川村のスーパーゴールでダメ押し点を奪ったものの、内容的には厳しい競り合いを制して勝った試合だった、と言って良いでしょう。
それにしても後半アディショナルタイムの川村のゴールには驚きました。自陣でボールを渡された瞬間に身体を巧く使って相手の守備を剥がすと、そのままドリブルで持ち上がり、DFラインの裏に抜け出して見事なシュートを決めました。リーグ戦は第7節の途中交代以外は全試合にフル出場し、ルヴァンカップも第1節以外はフル出場を続けている川村は、今季のサンフレッチェの中では佐々木に次いでプレー時間の長い選手ですが、それでも「相手も疲れていると分かっていたし、時間帯も時間帯だったので、思い切っていきました」(モバイルサイトによる)と言う決断力と体力、そしてGKとの1対1を制した冷静さ。今季から背番号8を付けた川村ですが、森崎和幸さんとは違う形の「俺たちの誇り」になりつつあることを示した試合だった、と言えるのではないでしょうか。
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