昨日サンガスタジアム by KYOCERAで行われた天皇杯準決勝は、延長にもつれ込む熱戦を制して勝利。Jリーグ開幕以降は9年ぶり6回目、前身の東洋工業から数えると15回目の決勝進出を決めました。
出場停止の塩谷に代わって野上を起用した以外は浦和戦と同じ先発メンバーで、以下の布陣で戦いました。
大迫
野上 荒木隼 佐々木
野津田 川村
茶島 柏
(→住吉80分)
森島 満田(→松本泰119分)
(→エゼキエウ80分→ピエロス120+2分)
Dヴィエイラ(→Bカリファ58分)
SUB:川浪、柴崎
対する京都は鳥栖戦から先発全員を入れ替えて、GK:ウッド、DF:メンデス、荒木大、長井、田中(→植田72分→麻田101分)、MF:金子、山田(→井上66分)、三沢、FW:ウタカ(→川崎76分)、宮吉(→中野72分)、パウリーニョ(→イスマイラ66分)、と言うメンバーでした。立ち上がりから積極的に攻めに出たのは広島。2分には逆サイドでクロスを拾った柏がシュートし、4分にも右からのクロスに森島が合わせましたが枠外に外れます。続いて5分にも茶島がシュートしましたがDFに当たり、10分には満田の落としをドウグラス・ヴィエイラが狙いましたが惜しくも枠を外します。またその1分後にも茶島がシュートしましたが枠を捉えることが出来ません。その後は京都にペースを渡す時間帯があったものの、24分の野津田のシュートや、26分のドウグラス・ヴィエイラのシュート等で相手ゴールを脅かします。対する京都も30分にカウンターからのクロスに宮吉が合わせる、と言うシーンを作ったものの、その後も広島がペースを渡しません。そして前半33分、速攻からの満田のシュートをメンデスがクリアしたものの、VARの介入によりメンデスの手にボールが当たっていたことが分かりPKの判定。これをドウグラス・ヴィエイラがきっちりと決めて、広島が先制しました。そしてこの後も森島や柏が惜しいシュートを放つなど、広島ペースのままで前半を終了しました。
後半の最初の決定機も広島で、8分に柏のクロスを川村が打ちましたが相手にブロックされます。対する京都も後半18分、カウンターから抜け出したウタカが決定機を迎えましたが大迫が素晴らしい反応で防ぎます。選手を入れ替えながら得点を奪いに来る京都は、植田や中野ら若手の速さで打開を図ります。そして後半32分、野津田のFKをはね返した京都の速攻で抜け出したイスマイラに強烈なシュートを決められ、同点に追いつかれてしまいました。
この後は追加点を狙って攻め合う両チーム。後半を終えても勝ち越し点は生まれず、決着は延長に持ち込まれます。そして延長前半4分、住吉の鋭い縦パスを受けたエゼキエウがヒールで流すと、これでDFラインの裏に抜け出したベン・カリファが強烈なシュートを決めて、広島が再び勝ち越しました。
その後も攻撃の手を緩めない広島は、延長後半1分には満田のFKから決定機を作り、3分にもクロスにベン・カリファが合わせましたがGK正面を突きます。逆に6分には大迫のクリアが相手に渡ってしまい、川崎にシュートを打たれましたが枠外に外れ、8分にはカウンターからのクロスに井上が合わせましたが大迫が弾きます。終盤には京都はGKのウッズも上げて得点を奪いに来ましたが広島の守備陣がはね返し、最後は相手陣内で時間を使って試合終了のホイッスルとなりました。
リーグ戦優勝の可能性を残す広島に対して京都は残留争いのまっただ中。しかもほぼリーグ戦のメンバーで戦った広島に対して京都は完全ターンオーバーだったと言うこともあり、全体的にペースを握っていたのは広島でしたが、しかしそれだけで決まらないのが一発勝負のカップ戦、と言うもの。もう一つの準決勝ではJ2では18位の甲府がJ15位の鹿島を破っているわけですから、京都が勝つ可能性は十分にあったと言えます。実際、後半32分に同点に追いつかれた時には嫌な予感がしたものです。
しかし広島の選手はその後も慌てることはありませんでした。前線と後ろの選手が連動してボールを奪い、何度もチャンスを作りました。特に延長4分の勝ち越し点は、途中交代の3人による素晴らしいコンビネーションでゲットしたもの。まさに「終盤に強い」と言う今季のサンフレッチェを象徴するような得点シーンだったと言えるでしょう。これまでスキッベ監督の下で1年間(と言うか実質半年)戦ってきて、何度か失敗もあったもののそこから学んでチーム力を高めてきたことが、この勝利に繋がったと言えるのではないでしょうか。
この試合の結果サンフレッチェは、森保監督時代の2013年以来9年ぶりに決勝進出を決めました。Jリーグ開幕以降の天皇杯の決勝進出は6回目となりますが、昨年はアマチュアのおこしやす京都に敗れ、一昨年はコロナ禍のために出場できなかったことを考えると、ようやくまたこの場に到達できたことに感慨深いものがあります。これまでの5回はいずれも決勝で敗れて準優勝に終わりましたが、それは過去の歴史でしかない。ここまでの2022年シーズンで学んできたように攻撃的なサッカーを展開すれば、必ず勝てるはずです。明後日の神戸戦、そして天皇杯とルヴァンカップの決勝へと続く「10月決戦」を、チーム一丸となって勝ち抜いて、そして来季のユニフォームの胸の星の数を5個にして欲しい、と思います。
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広島が9年ぶり天皇杯決勝進出