« 今日の札幌戦 | トップページ | 城福監督との契約を更新 »

2018/12/02

第34節札幌戦

 昨日アウェイで行われた第34節札幌戦は、前半早々に2点のリードを許したものの追いついて引き分けに持ち込み、激動の2018年シーズンを2位でフィニッシュしました。
 森崎和が今季初先発するとともに今シーズン初めて3バックを採用して、以下の布陣で戦いました。
       林

  野上  千葉 佐々木

   青山   森崎和(→稲垣82分)

 馬渡         柏

    川辺  柴崎(→渡90+5分)

    ティーラシン
    (→パトリック78分)

SUB:中林、和田、水本、東
 対する札幌は、GK:ク・ソンユン、DF:進藤、宮沢、福森、MF:早坂(→白井78分)、荒野、深井(→キム・ミンテ63分)、菅、三好(→都倉58分)、チャナティップ、FW:ジェイ、と言うメンバーでした。今季初めての3バック、しかも練習したのは4日間だけと言うことで、立ち上がりは守備が混乱します。そして前半2分、札幌のカウンターから左からのクロスを受けた三好がシュート。これはブロックしたもののこぼれを拾われ、ジェイが胸で落としたボールをチャナティップに決められ先制点を許してしまいました。
 この後は主に右サイドの馬渡の突破から攻撃を構築する広島。13分にはクロスのこぼれをティーラシンが打ちましたがヒットせず、14分にはCKからのクロスに佐々木が頭を合わせましたが枠外に外れます。札幌は速攻とロングパスから広島を脅かし、16分にはGKからのパスで早坂が抜け出そうとしましたが林がキャッチします。そして20分、またもやロングパスを受けたチャナティップが抜け出そうとしたところに林が飛び出してカットします。しかし大きく蹴り出せなかったボールを拾ったジェイが思い切ってゴールを狙うと、これが正確にゴール右上隅へ。佐々木が必死で戻ったものの届かず、ゴールネットを揺らされてしまいました。
 早い段階での2失点サンフレッチェの選手たちは肩を落としましたが、森崎和が手を叩いて鼓舞します。そして26分と27分には森崎和の厳しい守備でボールを奪い、速攻から相手ゴールに迫ります。逆に札幌もチャナティップが、ジェイがカウンターから追加点を狙います。しかし徐々に広島の守備が嵌まってくると札幌のミスが目立つようになり、31分にはティーラシンが相手のパスミスを奪ってチャンスを作り、36分には柏のクロスにティーラシンが飛ぶなどチャンスを作ります。そして前半38分、柏のクロスをティーラシンが落とすと、こぼれ球を拾った馬渡が冷静にシュートを決めて、良い時間帯に1点を返して前半を折り返すことになりました。
 後半も前半同様に広島の守備が機能して、3分には森崎和のパスカットからティーラシンがミドルを打ったもののGKに弾かれます。また4分にはCKのこぼれに走り込んだティーラシンが足を蹴られましたが、審判は見逃したかファウルを取ってもらえません。そしてその直後の馬渡のロングスローはクリアされたものの、こぼれを拾った柏のクロスを柴崎が頭で叩き込んで、広島が同点に追いつきました。
 これで完全に勢いが出た広島は自在なパス回しから何度も札幌陣内に迫ります。これに対して札幌は都倉を前線に投入し、ロングボールを多用して勝ち越しを狙ってきます。後半15分にはDFラインからのロングパスを受けた都倉が胸トラップで前を向いたものの、林が好判断で飛び出してシュートを身体に当てて弾きます。17分には柏のクロスのこぼれからティーラシンと青山が決定的なシュートを打ち、21分には川辺が右サイドに抜け出してGKとDFの間に鋭いクロスに飛び込んだ青山は空振り。また24分には柴崎が中央突破からシュートしましたがGKが反応します。ACL出場権獲得のためには勝つしかない札幌は、高い選手を前線に並べてハイボールを放り込んできます。しかし広島は高い守備意識で跳ね返し、ボールを奪うとパスを繋いで、あるいはパトリックを走らせて追加点を狙いに行きます。そして最後は柴崎と川辺が相手陣内でパスを回しつつ時間を使って、危なげなく引き分けに持ち込みました。
 8試合勝ち無しで6連敗中、と言う苦しい状況に、城福監督が選んだ戦術は「3バック」でした。そしてそのキープレーヤーとして起用されたのは森崎和。マークの受け渡し等で混乱して札幌にいいように回され、思わぬ2失点を食らってしまったチームを立て直し、落ち着いて戦うことができるようになりました。そして逆襲のきっかけを作ったのも森崎和。相手の嫌なところにポジションを取って厳しい守備でボールを奪い、そこからの鋭いパスで相手の混乱を誘いました。城福監督は試合後に「勝点3を取れたゲームだと思っていた」と語っていますが、確かに全体的な流れとしては広島が勝ってもおかしくない内容で、それを演出したのは森崎和幸選手だった、と言って間違いないでしょう。この試合が現役最後の試合となってしまいましたが、体調さえよければまだまだやれたはず、と言うことを改めて思わせるプレーぶりでした。
 この試合のもう一つのポジティブな要因は、川辺と馬渡がチームの牽引役になっていた、と言うことでしょう。磐田での3年間の実績を引っさげて広島に戻ってきた川辺に対する期待は大きかったのですが、第29節までのリーグ戦の先発はわずかに7試合。ほとんどの試合で途中交代で出ていたものの、違いを見せることができずになかなかレギュラーを取れずにいました。また第30節以降は先発したものの、チームの全体の不調に埋没している感じでなかなか輝きをみせることはできませんでした。ところがこの日は90分間を通して躍動感溢れるプレーで前線から積極的に仕掛けました。一方の馬渡はこの日がリーグ戦4試合目の出場でしたが、序盤から右サイドを何度も切り裂いて攻撃のリズムを作りました。そして何と言っても前半38分のゴールシーンはチームに勇気を与えるものとなりました。城福監督の1年目は佐々木や野上、稲垣、和田がポジションを取ったもののいずれも20代後半。シーズンを通して活躍が目立っていたのは柴崎や柏、青山ら30代の選手ばかりで、それが終盤に失速した原因だった、とも言えます。チームとしての世代交代が待ったなし、と言える中で川辺と馬渡が良いプレーで2位確保に貢献したことは、来季に繋がる結果だった、と言えるでしょう。
 今節は3位だった鹿島も引き分けたため、上位陣の順位は変わらず広島は2位でフィニッシュすることになりました。この結果ACLは日本の第3代表としてプレーオフに出場できるのと同時に、賞金1.2億円と「理念強化配分金」を3年間で7億円(2019年は4億円、2020年は2億円、2021年は1億円)をゲットしました。もし札幌に負けて4位に終われば賞金は無く、「理念強化配分金」を2019年に限り1.8億円もらえるだけだったので、非常に大きな勝点1だったと言って良いでしょう。因みにこの理念強化配分金は、「日本サッカーの水準向上およびサッカーの普及促進」「若年層からの一貫した選手育成」「フットボール環境整備」「選手や指導者の地域交流及び国際交流の推進ならびにスポーツ文化の振興」に使うことができるとのこと。もともとサンフレッチェは育成型クラブとしてこれらの費目にも投資してきた(例えば久保や藤本の移籍金で施設整備をした話は有名)ので、これによって育成環境をより充実させられるだけでなく、そのために立てていた予算の一部を選手強化に回す、等の使い方もできるかも知れません。来季はより世代交代を進めてもう一度優勝争いをするためにも、またACLを平行して戦うためにも戦力の充実は必須。今後の強化部の動きに期待したい、と思います。

ブログ速報  前半  後半
広島公式サイト  札幌公式サイト
Jリーグ公式サイト試合データ
ゲキサカ  戦評
日刊スポーツ  スコア速報  戦評  森崎和  城福監督
サッカーダイジェストWeb 採点&寸評  戦評  広島が最終戦での"3バック変更"でACL出場権を獲得

|

« 今日の札幌戦 | トップページ | 城福監督との契約を更新 »