昨日アウェイで行われたルヴァンカップ準々決勝2nd legは、先制点を奪ったもののその後逆転され、後半立て続けに失点して3-6で敗れ2年ぶりの準決勝進出を逃しました。
昨年4月5日の神戸戦以来1年5ヶ月ぶりに森崎浩を先発起用。また寿人と丸谷も先発で、1st legから3人を入れ替えて以下の布陣で戦いました。
林
野上 千葉 水本
青山 丸谷
柏 清水(→ミキッチHT)
森崎浩 柴崎
(→皆川67分)
佐藤(→ウタカHT)
SUB:増田、茶島、宮原、森崎和
対するG大阪は遠藤、アデミウソン、長沢が先発復帰して、GK:藤ヶ谷、DF:米倉、丹羽、金正也、藤春、MF:井手口、遠藤、阿部、大森(→倉田61分)、アデミウソン(→呉屋64分)、FW:長沢(→藤本79分)、と言うメンバーでした。最初の決定機はガンバで、前半13分にアデミウソンのスルーパスで抜け出した阿部が低いクロス。千葉が足に当てたもののゴール方向に飛んで危うく林が止めます。逆に前半16分には、森崎浩のFKが惜しいところに飛びましたがわずかにバーを越えます。そして前半23分、右からの柴崎のCKを青山がニアで逸らせると、飛び込んだ野上が右足で押し込んで広島が先制点を奪いました。
しかしガンバもすぐに反撃し、31分にはアデミウソンが右サイドを突破してクロスを入れるとニアに走り込んだ長沢がヒールで流してゴール。続いて後半アディショナルタイムには左サイドをパスワークで崩され米倉がシュートすると、林が反応したものの長沢に押し込まれて、ガンバの1点リードでハーフタイムを迎えました。
後半に入ると広島はミキッチとウタカを入れて反撃を開始します。そして2分にはウタカのパスを受けた柴崎が決定的なシュートを放ちましたが、藤ヶ谷にぎりぎりで弾かれます。そして後半6分、ウタカが倒されて得たFKを森崎浩が蹴ると、鋭く曲がり落ちるボールに藤ヶ谷は一歩も動けず再び同点。2試合通算では3-3ながら、アウェイゴールの差で広島が勝ち抜きに一歩前進しました。
しかしそこから再びガンバが反撃すると、9分には遠藤のCKを丹羽がヘディングで決めてまたもやガンバがリードします。そして14分には大森の仕掛けからアデミウソンにパスが渡ると、巻いて打った右足シュートが逆サイドのポストに当たってゴール。続いて後半17分には丸谷のクサビのパスを森崎浩が収められずにアデミウソンに渡ってしまいます。反転したアデミウソンはそのままドリブルで持ち上がってシュートを決めて、ガンバのリードは3点に広がりました。更に後半25分には右サイドでフリーになった阿部がペナルティエリアに入ったところで右足を振り抜くと、これも広島ゴールに突き刺さってG大阪の得点は6となりました。
大量リードを許して一時は意気消沈の広島でしたが、しかし必死で立て直すと再び反撃を開始します。後半29分にはウタカが右サイドでボールを奪ったところを起点に柏がフリーで打ったボールは枠外に外れたものの、33分にはミキッチのクロスに皆川が頭を当てて1点を返します。その後も37分には柏がミドルを放ちましたがわずかに左に外れ、38分のミキッチの左足シュートは藤ヶ谷の守備範囲。41分には柏のポストプレーからウタカが打ちましたがヒットせずに枠外に流れます。そして後半アディショナルタイムにはウタカのパスから柴崎が抜け出して左足で打ちましたがこれも枠を捉えることができず、3点差を詰めることができずにそのまま敗戦のホイッスルを聞くことになりました。
勝った方が準決勝進出と言うこの試合は、1st legとは一変して激しい点の取り合いとなりました。森崎浩司と佐藤寿人と言うベテラン2人を先発起用した広島は、これまでとは違うリズムの攻めができていた、とは思います。そして後半に入ってミキッチとウタカが入ると前半とは違う形で何度もガンバゴール前に迫りました。ただ広島のこの「前への意識」が強すぎたのか試合全体のリスク管理ができずに次々と失点。終盤にはほぼ一方的に攻め続けたもののさすがに4点差を追いつくのは厳しかった、と言う結果でした。森保監督は試合後のインタビューで「相手がギアを上げてきたときに耐えきれずに失点」したことが「今季を象徴している」と語っていますが、なぜそのようなことになってしまったのか良く考えなければならないと思います。森保監督は「G大阪のようなタフさは、我々も持っているはず。だから優勝もできた」と語っていますが確かにその通り。昨年まではどのような苦しい状況になったとしても粘り強く戦うことができていたのに、なぜ今季はできないのか、これを解決するのは並大抵のことではないように思います。
今季はドウグラスの移籍から始まってシーズン当初から怪我人が続出。ようやくメンバーが揃ってきたかと思えば再び怪我が相次ぎ、なかなかメンバーを固定して戦えずにいます。また浅野に加えて野津田や吉野、金範容が出場機会を求めてチームを離れ、それに代わってアンデルソン・ロペスや野上が加入するなど、継続したチーム作りが難しい状況になっています。その上これまでのサンフレッチェを支えてきた主力が年を重ねて無理が利かなくなってきた、と言う事情もあるのではないかと思います。「生き物」であるチームの強い状態をキープするには、常に新陳代謝しなければならないわけで、そのためにはこれまで以上に若手の突き上げが必要です。ルヴァンカップで敗退したサンフレッチェにとって、残った目標はリーグで3位以内に入ってチャンピオンシップに出場することと、天皇杯で優勝することとなりました。そのためにもう一度チーム全体で目標を共有して、心を一つにして戦わなければならないと思います。
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