2nd第6節G大阪戦
先発の布陣は前節と同じながら、アンデルソン・ロペスと野上をベンチに入れて以下の布陣で戦いました。
林 宮原 千葉 清水 丸谷 森崎和(→青山58分) ミキッチ 柏 (→佐藤76分) 宮吉 柴崎 (→アンデルソン・ロペス65分) ウタカ SUB:増田、野上、高橋、皆川対するガンバは、GK:東口、DF:米倉、丹羽、金正也、オ・ジェソク、MF:今野、倉田、アデミウソン、阿部、遠藤、FW:長沢、と言うメンバーでした。立ち上がりいきなり決定的なシーンを作ったのは広島で、1分にミキッチのクロスをウタカが落とすと、右からの宮吉のシュートは激しくポストをたたきます。また17分には柏のクロスにウタカが頭で合わせましたが叩きつけすぎたか勢いが悪くGKがキャッチ。26分には柏の横パスを丸谷が遠目から狙いましたが枠を外れます。続いて29分にはバイタルエリアのパス交換からミキッチが強烈なシュートを放ちましたがGKの正面を突きます。軽快なパス交換から相手ゴールに迫る広島に対してガンバはなかなか形が作れなかったのですが、しかし34分にはFKのこぼれを打った阿部のシュートがバーを直撃し、40分にはアデミウソンのクロスがゴール前を横切りましたが誰にも合わず助かります。結局前半は「名人同士の鍔迫り合い」と言う感じでスコアレスで折り返しました。
後半の立ち上がりに攻勢に出たのはガンバ。4分にはCKを跳ね返したものの米倉に危ないシュートを打たれましたが林が反応します。そして6分、中盤での競り合いのボールがスペースにこぼれると、近くにいた阿部が右足を一閃。これがゴール右隅に決まって、ガンバが先制点を奪いました。
これで勢いがついたガンバは、8分には速攻から危ないクロスを入れられ、9分にはパスミスを奪われアデミウソンにシュートを許します。そこで森保監督は青山を投入。そしてこれで流れが変わり、広島がボールを支配して押し込みます。16分にはウタカが単独でペナルティエリア内を突破しましたが惜しくもGKに抑えられ、20分には宮原のシュートは枠外。22分には清水がシュートしましたが東口に止められます。また初登場のアンデルソン・ロペスが何度も左足で狙いましたが枠を捉えることができず。27分にはウタカが打ちましたがこれも枠を外れます。清水を右WBに上げ、寿人を投入して攻勢を強める広島。ガンバはカウンターからパトリックを走らせますが、広島守備陣は素早い帰陣でチャンスを作らせません。広島はウタカが、アンデルソン・ロペスがシュートを打つもののいずれも可能性の低いシュートに終わり、得点できないままに試合終了となりました。
この試合のスタッツを見ると、ボールキープ率は広島の52%に対してG大阪は48%。またシュート数は広島が14本だったのに対してG大阪が7本と全体的に広島が攻めていたことが数字にも表れています。サンフレッチェは前半からウタカと宮吉のコンビから相手ゴールに何度も迫り、またサイドの突破やストッパーの攻撃参加もあってバリエーション豊かな攻撃を見せていました。これに対してガンバは前節3失点していたこともあってか守備をしっかりと固めることが最優先。前線からのチェイシングは控えて全員が自陣に引いてブロックを作り、なかなか隙を見せてくれませんでした。このような相手から点を奪うにはアタッキングサードでの攻撃の精度が必要なのですが、そこが足りなかった(ミキッチは試合後に「ミスが多かった。クオリティの問題だ」と怒りを込めて語っていたらしい)のが問題でしょう。これまで以上に個人の技術とコンビネーションをあげていくしかありません。
一方の守備ですが、失点シーンは競り合ってこぼれたボールがたまたまガンバにとっていいところにこぼれ、これを阿部が素晴らしいシュートで決めた、というもの。千葉は「寄せきれなかった」と語っていますが守備の責任だとは言えないでしょう。むしろ個人能力の高いガンバの攻撃陣を1点に抑えたわけですから、守備の責任は果たしたと言って良いと思います。前半はガンバにパスを回されても良いクロスを入れさせず、高さを期待されて先発起用された長沢を45分でピッチから追いやりました。また寿人を投入してシステムを変更した後も何度かあったカウンターを抑えて、パトリックに仕事をさせませんでした。特に2試合目のストッパー起用となった清水は猛烈なブーイングにも負けず、冷静なプレーでチームに貢献していました。いつもぎりぎりの戦いとなるG大阪戦はこの日も同様。ちょっとした運不運の違いが試合を決めてしまった、と言わざるをえないように思います。
ところでこの日が初お目見えとなったアンデルソン・ロペスですが、森保監督は彼の「一発」に賭けて起用したのだろう、と思います。そして25分のプレーでチーム最多の5本のシュートを放つなど、積極性と左足のシュート、そして身体能力の高さは見せました。ただシュートそのものは可能性の低いミドルが多く、シュート後にため息が出るようなものばかり。周りの選手とのコンビネーション不足を感じさせる場面も多く、やや不満足な出来に終わりました。浅野とは全く違う個性をどのようにチームとして生かしていくのか、もう少し時間が必要なのは間違いないところ。少なくともしばらくは、宮吉や茶島ら若手に頑張って欲しいもの。むしろ今のチャンスを生かして、しっかりとレギュラーを確保して欲しいところです。
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