昨日アウェイで行われたJ1リーグ1st stage第4節大宮戦は、浅野の3得点に絡む活躍で5-1で快勝し、11位に浮上しました。
前節足指を痛めて途中交代した寿人はベンチスタート。その一方で浅野が今季リーグ戦初めて先発して、以下の布陣で戦いました。
林
塩谷 千葉 佐々木
青山 宮原
ミキッチ 柏
(→清水68分)
ウタカ 柴崎
(→皆川87分)
浅野(→茶島68分)
SUB:増田、水本、丸谷、佐藤
対する大宮は、GK:塩田、DF:和田、福田、河本、沼田(→奥井HT)、MF:横山、岩上、ペチュニク(→横谷HT)、泉澤(→江坂HT)、FW:家長、ムルジャ、と言うメンバーでした。立ち上がりは大宮に攻め込まれるシーンもありましたが落ち着いて跳ね返すと、6分にはウタカとのワンツーで浅野が抜け出したもののDFがクリア。9分にはウタカが反転して出したパスを浅野が打ちましたがGKが抑え、11分には塩谷がペナの中まで入ってシュートしましたがこれもGKに止められます。そして21分、塩谷のクサビのパスを受けたウタカが反転して裏に出すと、浅野の折り返しをウタカが決めて広島が先制点を奪いました。
27分に低い位置でボールを奪われ泉澤に決定的なシュートを打たれる、と言うシーンもありましたが、しかしすぐ後に柏のクロスから柴崎のシュートなどで追加点を狙います。そして前半38分、ウタカの守備でボールを奪い返すと宮原からウタカへ。そしてDFラインの裏へのパスを浅野がダイレクトで打ってGKの頭の上を破ってゴールに突き刺します。その後CKから河本に危ないシュートを打たれたものの佐々木がゴールライン上でクリアして、2点リードで前半を折り返しました。
後半に入って2枚替えで逆襲を試みる大宮。高い位置でのパス回しがつながるようになって、広島は耐える時間が長くなります。後半9分には泉澤のパスに横谷が合わせましたがポストを弾き、直後の右からのクロスは枠を外れて助かります。そして後半15分、泉澤のパスを家長が折り返すと、中央に飛び込んだ横谷に押し込まれて1点差に迫られました。
これで勢いが出た大宮は前がかりになって攻めてきます。後半18分には泉澤にシュートを打たれましたが林がセーブ。19分には家長に危ないシュートを打たれますが枠を外れて助かります。そして後半21分、DFラインから繋いで柴崎のパスを浅野が持ち込むと、逆サイドに流れたクロスに青山が詰めてリードは再び2点差。27分には青山のスルーパスで抜け出した柏がそのまま持ち込んで右足のシュートを決め、後半43分には清水のクロスはポストに弾かれたものの詰めていた柴崎が押し込んで勝利を決定づけました。
高さとスピードと運動量のドウグラスに代わって足下の柔らかさとキープ力が特徴のウタカが入ったと言うことで、コンビネーションの再構築を続けてきたサンフレッチェでしたが、この試合は一つの答えを出したと言って良いでしょう。1点目と2点目はいずれも右サイドでのウタカと浅野のコンビネーションから挙げた得点でしたが、それ以外にもこの2人の関係からチャンスを量産。そして終盤にはこの2人にサイドや中盤の選手も絡んで大宮守備陣を蹂躙しました。ここまでの3試合ではリーグトップの51本のシュートを放ちながら得点はわずかに3で、しかもそのうち2本はPKとオウンゴールと言うことでとにかく「決定力」に課題があった今季のサンフレッチェでしたが、この日はシュート13本で5得点と言う効率の良さでした。試合終盤は大宮がチーム全体で混乱してのでその分は差し引く必要がありますが、それにしても前半の2得点で主導権を握り、1点返されてもその後のチャンスを生かして突き放し、最後はダメを押すと言う「横綱相撲」で、さすがJリーグ王者と言って良いものだったと思います。後半の立ち上がりに攻め込まれて20分ほど押し返せない時間が続いた、と言う点は反省点ではありますが、まずは一安心と言うところではないでしょうか。
またこの日は浅野が先発フル出場して結果を出した一方で寿人には出番が無かった、と言うことで、「エース交代」を告げる歴史的な日になった、と言えるかも知れません。これまでの浅野は主に相手が疲れた頃を見計らって投入され、スピードを生かしてゴールを陥れると言うパターンがメインだったわけですが、この日はペナルティエリア内でのDFとの駆け引きから一瞬フリーになってパスを引き出し、3点に絡むことができました。これはまさに寿人が得意にしてきたプレーだったと言えるわけで、まさに「エースの背中を見て成長してきた」成果を出した、と言って良いように思います。もちろん、ここでできたからと言って次もできる保証は全く無いわけですし、また寿人だってこのまま引き下がるはずは絶対にないと思いますが、それにしても浅野の成長が目に見えたと言うのはサポーターにとっては嬉しいところ。このところ森崎和の不在を感じさせないプレーを見せている宮原や、まだ波があるものの切れ味鋭いプレーを見せる茶島ら若手の突き上げによる緩やかな世代交代が進んでこそ、今季のタイトル獲得が見えてくるのではないでしょうか。
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