昨日日産スタジアムで行われたゼロックススーパーカップで、サンフレッチェは寿人、浅野、ウタカのゴールでG大阪を破り、4度目の優勝を果たしました。
サンフレッチェはDFの一角に佐々木を、またトップ下に茶島を起用して、次の布陣で戦いました。
林
塩谷 千葉 佐々木
青山 森崎和
(→丸谷83分)
ミキッチ 柏
茶島 柴崎(→ウタカ69分)
佐藤(→浅野53分)
SUB:廣永、水本、清水、宮原
対するG大阪は、GK:東口、DF:オ・ジェソク、丹羽、今野、藤春、MF:井手口、遠藤、阿部(→藤本76分)、宇佐美、アデミウソン(→倉田60分)、FW:パトリック(→長沢60分)、と言うメンバーでした。ファーストシュートは広島で、5分にスローインから塩谷がミドルシュートを打ちましたが枠外。ガンバは19分に阿部がシュートしましたが林がキャッチします。チャンピオンシップの時のように前からプレスをかけず、全員が自陣に引いてブロックを作るガンバ。広島はミキッチの突破から、あるいは茶島のドリブルから相手陣内に攻め込みますが、なかなかシュートまで行けません。26分には森崎和がシュートしましたが枠外。43分には広島のゴール前で阿部がシュート体勢に入りましたが空振りで助かります。結局前半は広島のシュートが2本でガンバは1本。お互いに守りを重視した堅い展開でハーフタイムを迎えました。
後半に入ると両チームとも積極性が上がり、2分にはパトリックが左から仕掛けて広島ゴールに迫ります。それに対して広島も、4分には柏がカットインからシュートしたもののDFがブロックされ、4分にはミキッチが敵陣深くまで攻め込みます。そして6分、高い位置でのボール奪取から柴崎がスルーパス。柏のクロスは弾かれたものの、逆サイドからの塩谷のクロスに飛び込んだ寿人が足裏でコースを変えてゴールに流し込み、広島が先制点を奪いました。
この直後に足の筋肉に違和感を感じた寿人が浅野に交代すると、意外な形から追加点が生まれます。後半9分、柏のクロスをブロックした丹羽は顔に当たったことをアピールしましたが、判定はハンドでPKが与えられます。丹羽は主審に猛抗議したものの当然受け入れられず、第4審判にまで行ったものの覆るはずもなく浅野がPKのボールをセットします。そして浅野はGKが届かない高さに強烈なボールを突き刺して、点差を2点に広げました。
これでG大阪の闘志に火がついたか、13分には阿部がシュートしましたがブロック。逆に14分には柴崎のパスで抜け出した浅野が角度の無いところから狙いましたが惜しくも枠を外れます。パトリック、アデミウソンに代えて長沢と倉田を投入する長谷川監督。21分には井手口が遠目から狙いましたが林がキャッチします。そして後半23分、カウンターから阿部が右サイドを駆け上がると中を見てクロス。これが宇佐美の頭にドンピシャで合って、1点差に迫られました。
しかしこれでも慌てないのが王者広島。ウタカを投入して前線に納めどころを作ると、丁寧にパスを繋いでガンバ守備陣の綻びを探します。そして28分のウタカのシュートは東口の好セーブに阻まれたものの、その流れからのCKのクリアをウタカがダイレクトで叩き込んで点差を2点に広げます。そしてその後はガンバの攻勢を受けたものの落ち着いて押し返し、カウンターから浅野を走らせて相手に脅威を与えつつ逃げ切りました。
クラブワールドカップで自信を付けた茶島と佐々木を先発起用した広島に対して、守備陣に怪我人が多かったため今野をDFラインに入れ、新戦力のアデミウソンを先発起用したG大阪。どちらも今季初の公式戦と言うことで、今後の戦いを見据えた布陣となりました。そしてその結果は、広島のチームとしての完成度の高さが目立った、と言うところではないでしょうか。茶島はボランチからのクサビのパスを受けたりミキッチとのコンビネーションを使ったりしつつ何度も前を向いて仕掛けて攻撃のリズムを作りましたし、ボールを失ってもすぐに守備に戻って取り返すなど、持ち前の運動量の多さを武器に90分に渡って貢献しました。また佐々木は「パトリックキラー」ぶりを発揮するとともに、積極的な攻撃参加も見せていました。そして彼らの動きに引っ張られるようにチーム全体の守備の連動性も素晴らしく、高い位置でのパスカットから何度もチャンスを作っていました。先制点のシーンは「さすがエース」と言える寿人の動きの鋭さとシュート技術が光りましたが、起点は高い位置での守備。チーム全体の連動性でチャンスを作り、最後は高い個人能力でゴールを陥れたと言うもので、ある意味理想的な得点パターンだった、と言えるように思います。2点目のPKは広島にとって幸運(=G大阪にとっては不運)ではあったものの、仮にそれが無かったとしても広島が勝っていたのではないか、と思えるような試合内容だったのではないでしょうか。
ところで新戦力のウタカですが、ゴールシーンはさすが、の一言。クリアボールがこぼれてくるところに正確にポジションを取って、しっかりとミートしてボールの中心を打ち抜きました。DFに当たってコースが変わったのは確かですが、しかし触られたにも関わらずボールがゴール枠内に飛んだのは勢いが勝ったからに違いありません。そしてそのゴールシーンだけでなく、出場した20分あまりの時間を通して下がってボールを受け、捌き、機を見て前を向くなど戦術に合わせてチームに貢献しようとしていた姿勢も良かったと思います。昨年21得点を挙げたドウグラスを失って今シーズンを迎えたサンフレッチェですが、このウタカの存在は単にドウグラスの穴を埋めるだけでなく、チームを一段階レベルアップさせる役割を果たすのではないか、と言う気さえします。この日の勝利は単にタイトルの一つを取ったと言う以上の意味がある、と言えるのではないでしょうか?
フォトレポート
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ゲキサカ
戦評
寿人1
寿人2
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村井チェアマン
浅野
ウタカ
宇佐美
井手口
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