昨日の第33節大宮アルディージャ戦は4-2で勝ち、ホーム最終戦を飾りました。
ミキッチは出場停止だったもののトミッチが5ヶ月ぶりに先発して、以下の布陣で戦いました。
西川
森崎和 中島 水本
(→横竹62分)
青山 トミッチ
森脇 山岸
李忠成 高萩(→森崎浩80分)
(→ムジリ75分)
佐藤
SUB:中林、盛田、服部、高柳
対する大宮は、GK:北野、DF:杉山(→坪内66分)、深谷、片岡、村上、MF:金澤(→清水83分)、青木、渡邉、橋本、藤本(→石原72分)、FW:李天秀、と言うメンバーでした。序盤は大宮が前からボールを奪いに来ましたが、広島はしっかりとボールを繋いでプレスを抜け出し攻撃を構築します。5分には高い位置でボールを奪い、李忠成がループ状に狙ったもののボールはわずかに外。11分にはトミッチのパスで寿人が抜け出しGKと1対1になったものの、シュートは正面を突いてしまいます。大宮は21分にCKのこぼれを村上が頭で狙い、西川がぎりぎりでクリアすると言うシーンがあったものの前半の危ないシーンはそれぐらい。大宮にボールを持たれる時間帯もあったものの危険なシーンは作らせません。29分には青山のスルーパスで抜け出した高萩がGKを引きつけて横パスを出して山岸が走り込んだものの、シュートは身体を投げ出した杉山にクリアされてしまいます。攻め続けながらもなかなか点が取れない、と言うじりじりした展開が続きましたが、39分に突破を図った寿人が倒されてペナルティエリアのすぐ外でFKを得ます。そこで蹴ったトミッチのボールは壁の下を抜いて左隅に決まって、サンフが待望の先制点を奪いました。
その後も手を緩めず攻める広島。43分のチャンスでは李忠成がペナルティエリア内に抜け出しながらシュートを打つには至らなかったものの、その直後に寿人が右から突破を図って片岡に倒されます。片岡は2枚目のイエローで退場。そしてPKは寿人が自ら蹴って右隅に突き刺し、2点リードで前半を折り返しました。
後半に入ると大宮は数的不利をものともせずに前に出てきて、セットプレーから広島ゴールを脅かします。しかし広島も7分の李忠成の抜け出しからの森脇のシュートや、8分の青山の突破からのトミッチのシュートなど良い形を作ります。しかし10分、大宮が右サイドからワンタッチパスを繋いで金澤が抜け出し、振り向きざまのシュートを決められて1点差に迫られました。
これでやや落ち着いた大宮に対して、広島は再び攻めの圧力を強めます。そして18分、青山の縦パスを受けた寿人が前を向き、こぼれたボールが李忠成へ。李は軽やかなステップでGKをかわすと冷静にゴールに流し込んで、広島のリードは再び2点に広がりました。
その後も後半20分の寿人や21分の森脇、23分の高萩、24分の寿人とシュートが次々と大宮ゴールを襲います。そして25分、トミッチのパスで青山が抜け出しニアサイドを打ち抜くシュートを突き刺して、リードを3点に広げました。更にその後も高萩、トミッチ、中島らがシュートを打って追加点を狙います。37分には寿人が右から狙ったもののサイドネット。41分には浩司のシュートがバーを叩きます。その直後にはカウンターから李天秀に決められましたが、広島は守りに入らず最後まで攻め続けてそのまま試合終了となりました。
試合終了後にペトロヴィッチ監督は「試合の内容は特別コメントする必要もない。広島で究極に攻撃的なサッカー・チームを見られたと思う」と語っていますが、まさにその通りだったと思います。相手が前からプレスをかけてきてもしっかりと繋いで相手ゴール前に運び、カウンターを狙ってきても勇気を持って攻め上がる。相手が守りを固めても様々なアイディアを駆使し、何人もの選手が絡んでゴールを陥れる。4点取ったことだけでなく2点取られたことも含めて"This is SANFRECCE."と言うべき試合で、ペトロヴィッチ監督のホーム最終戦にふさわしいゲームだったと思います。5選手の退団セレモニーも含めて笑顔でビッグアーチにおけるシーズンに幕を下ろすことができたことは、サポーターへの何よりのプレゼントだったと言って良いのではないでしょうか。
Jリーグ開幕直後にステージ優勝したサンフレッチェでしたが、その後は経営危機やJ2降格もあって長い苦しい時期を過ごしてきました。その中ではとにかく勝つために守りを固めてカウンター、と言う形にせざるを得なかった時期もあれば、攻撃サッカーを指向しながら完成せずに終わる、と言う時もありました。なかなか予算を増やせない中で、チームの方向性を定めることができなかったことが、成績も安定しなかった原因だったと言えるでしょう。そしてその中で就任したペトロヴィッチ監督の最初のミッションは、降格圏に沈んだチームを救うことでした。そこを若手の抜擢で乗り越え、その後J2降格と言う失敗がありながらもボールを繋ぐサッカー、点を取られても取り返すサッカーを貫いたことによって、サンフレッチェはJリーグでも特異なポジションを得ることができました。確かにペトロヴィッチ監督は優勝できる監督では無かったわけですが、しかし我々サポーターが失いかけてきた誇り、「広島のプライド」を取り戻させてくれたのは確かでした。今後も同じようなサッカーができるかどうかは分かりませんし、成績が落ちて現実路線に切り替えなければならない時が来るかも知れませんが、しかしそれでもここが一つの到達点であり、また帰るべき地点なのだと思います。ペトロヴィッチ監督が退任しても、また選手の何人かが退団してもサッカーは、サンフレッチェの歴史は続きます。今日よりも明日、明日よりは明後日はより輝くことができると信じて、これからも応援して行きたいと思います。
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