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2011/06/20

川崎F戦を振り返る

一昨日の川崎F戦ですが、ペトロヴィッチ監督が「ここ(等々力)で何度も試合をしたけれど、今日が最も勝てる可能性はあった」と語っていますが、しかしそれでも内容的には完敗だった、と言わざるを得ません。広島は全体的に運動量が少なく思うようなパス回しができなかった上に、チャレンジしたパスがことごとく相手に引っかかり、またドリブル突破もうまく守られてチャンスにならずシュートレンジに持ち込むことすらままならない、と言う感じでした。週2試合ずつの連戦と言う条件はどこでも同じですが、しかしサンフレッチェが新潟〜広島〜川崎と長距離移動の繰り返しだったのに対して相手はずっと関東圏内。コンディションの違いは明らかで、それが試合内容にも現れたのは間違いない、と思います。またチーム状態の差はメンバー構成にも現れていて、川崎Fは怪我から復帰してきたジュニーニョ、中村をベンチスタートさせる余裕があったのに対して、広島は山岸と森崎浩が先発フル出場。また代表での疲れが取れていない様子がありありの李も80分近く引っ張るなど、苦しい起用を強いられました。サンフレッチェのサッカーにとっては、運動量とコンビネーションが命。それが連戦とメンバーの怪我や疲労によって十分に機能しなくなれば、このような結果になるのも当然だと言えます。

 ただその一方で、選手たちにも心の隙があったのかもしれない、とも思います。最近は鹿島戦や新潟戦など終了間際のゴールで勝利をもぎ取るパターンが多かったのですが、これによって「前半の出来が悪くても、我慢すれば何とかなる」と言う雰囲気ができていたのではないかと思います。もちろん、そのような気持ちで90分間をデザインして戦うのは重要な事なのですが、しかしその思いが強過ぎて最初からセーブするようなことになっては本末転倒です。ペトロヴィッチ監督が「うちの選手の何人かにビッグプレーヤーになってしまったような感じが見受けられる選手もいる」と語っているのが何を指すのかは想像するしか無いのですが、たぶん以前の広島ならあった「ひたむきさ」が欠けていた、と言うことなのかも。上位にいるからと言って「上から目線」になるのではなく、常にチャレンジャーとして全力を尽くさなければすぐに転落してしまう、と言うことを意味するのではないかと思います。次の相手は下位に沈んでいる山形ですが、そう言う時こそチームの本当の力が問われる、と言えるのでは無いでしょうか?

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