夏休み最後の試合となった昨日の第21節山形戦は、森崎浩とミキッチのゴールで勝って勝点を32に伸ばしました。
久々に復帰したミキッチは先発ではなくベンチに置いて、ペトロヴィッチ監督はFC東京戦と同じ布陣で臨みました。
西川
横竹 ストヤノフ 槙野
(→山崎63分)
中島 青山(→丸谷68分)
森脇(→ミキッチ62分) 服部
高萩 森崎浩
佐藤寿
SUB:中林、桑田、大崎、李
対する山形は、GK:植草、DF:宮本(→小林26分)、園田、石井、石川、MF:秋葉(→古橋45分)、佐藤健、増田、FW:北村、田代、宮沢(→長谷川75分)、と言うメンバーでした。オープニングシュートは山形でしたが、序盤は圧倒的な広島ペース。パスを繋ぎ、どんどん人が動いて攻め込みます。2分には佐藤寿が倒されて得たFKを森崎浩が直接狙い、4分には右から森脇が切れ込んでシュート。6分にはロングフィードに森崎浩が走り込みましたがわずかに及びません。山形はその後反撃してきて、10分には波状攻撃から増田がフリーでシュートするなど広島ゴールを脅かします。13分には森崎浩がゴール前で反転して惜しいシュート。16分にも高萩が至近距離からシュートしましたが、ヒットせずにGKに抑えられます。山形は27分には秋葉、40分には北村が決定的なシュートを放ちますが西川が落ち着いて抑えます。前半は広島のシュートは4本だったのに対して山形は5本。山形は早い時間に2人が交代するアクシデントがあったにも関わらず守備と組織的な攻撃は崩れず、スコアレスでハーフタイムを迎えました。
後半に入ると最初にペースを握ったのは広島で、高萩のパスや青山のミドル等でチャンスを作ります。そして6分、ワンタッチパスが繋がって抜け出した佐藤寿が、ペナルティエリア内で園田に引っかけられてPKを獲得。これを森崎浩が慎重に決めて、広島が待望の先制点を挙げました。
しかしこれでやや安心したのか、その後相手にスペースを与えて攻め込まれます。9分の増田のクロスは森脇がクリアし、その後のゴール前のシーンはDFが力を合わせてはね返しましたが、13分に小林のクロスに古橋が触ってファーサイドへ。ここでフリーになっていた増田に決められて、同点に追いつかれてしまいました。
ペトロヴィッチ監督は何とか点を取るために、ミキッチに続いて山崎、丸谷を次々と投入してチーム全体を活性化させます。そして後半26分には波状攻撃から高萩、槙野がゴールを狙います。後半27分、右サイドを上がって行ったミキッチが中に切れ込んだところでパスの出しどころを探します。しかしそこでDFが詰めてこないと見るや中に動かして左足でシュート。これが見事にファーサイドのネットに突き刺さって、広島が貴重な追加点を奪いました。
攻めるしか無くなった山形は、長谷川を投入し「ツインタワー」にして攻め込んできます。34分にはアーリークロスに北村が合わせ、41分には北村のクロスから混戦になりましたが、中島が相手とぶつかりながらも頭でクリアします。その後も山形は次々とロングボールを放り込んで田代が、長谷川がゴールを狙いますが、西川とDFが集中力を切らさず対応します。広島は攻撃陣も高い位置でボールキープして時間を稼ぎ、ロスタイムの3分も無事に終わって勝利のホイッスルを聞くことができました。
ペトロヴィッチ監督は試合前にこの山形戦を「戦争」と表現しましたが、実際にとても難しい試合だったと思います。山形は確かに守備を固めて来ましたが、決してそれだけではありませんでした。自陣での人数をかけたプレッシャーで相手ボールを奪うと、しっかりとボールを繋いで攻撃を構築して来ました。そしてちょっとでも隙を見せれば厳しいところにクロスを入れて、ゴールを狙ってきました。また「高さを生かす」と言うオプションもちゃんと持っていて、終盤にはツインタワーを目がけてボールを放り込んで来て危険なシーンを作りました。ここまで4試合連続無失点で勝点10を取ってきた山形ですが、それは決してフロックではなく実力だった、ということが良く分かる試合だったと言えるでしょう。
それに対するサンフレッチェは、本当によく我慢したと思います。序盤の攻勢の時間帯に得点を奪えず、その後は逆襲を食らったもののしっかりと耐えて失点を防ぐ。そして後半になって再びギアをアップして、良い時間帯に先制点を奪いました。その後同点に追いつかれたものの選手交代により流れを変え、チャンスを生かして勝ち越し。その後も単に守りを固めるだけでなく攻撃の姿勢を見せる事により相手の重心を下げて、最少失点差でしっかりと逃げ切りました。夏の連戦で運動量が上がらない中、難しい相手にどのように勝つかと言う「勝利の方程式」どおりの結果を出したことは、チームとしての成長を表していると言って良いと思います。
C大阪への大敗から始まり、4試合負けなしの好調から3連敗に突き落とされ、その後2連勝と起伏の大きい戦いを続ける中断明けのサンフレッチェですが、しかしこれは決してチームの不安定さを表すものではないと思います。体力的に厳しい中、怪我人続出で難しい戦いを強いられる中でどのように戦えば良いかを試行錯誤した結果だ、と思います。この苦しさを凌ぐことができたのは、まずは出場できている主力の粘り強い戦いがあったから。そして主力欠場を補った若手の頑張りがあったからだと言えるでしょう。ミキッチの復活と来日初ゴールは彼にとってもチームにとっても大きなことなのですが、しかし彼1人の力で奪ったゴールでも勝利ではありません。ここまでの厳しい戦いを支えてきた選手たち全員の頑張りが、この1点に結実したのだと思います。これから1試合ごとの結果の意味も大きくなるリーグ終盤。この間の苦しい状況をはね返した経験は、今後に生きてくるに違いありません。
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