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2010/07/25

第14節浦和戦

昨日アウェイで行われた第14節浦和戦は槙野のゴールで1-0で勝ち、12年ぶりに浦和にアウェイで勝つとともに埼玉スタジアムでの連敗を止めました。
 高萩が出場停止から戻ったもののベンチからのスタートで、前節と同じ先発でスタートしました。
 
        西川
 
   森脇  ストヤノフ  槙野(→丸谷75分)

     青山    中島
     (→横竹69分)
ミキッチ            服部

    山崎     森崎浩
    (→高萩62分)
        佐藤寿
 
 
SUB:中林、桑田、清水、高萩、李
 対する浦和はポンテが今季初めて先発を外れて、GK:山岸、DF:平川、スピラノビッチ(→堀之内68分)、坪井、サヌ、MF:阿部、細貝(→エスクデロ77分)、山田直(→ポンテ62分)、FW:柏木、田中、エジミウソン、と言うメンバーでした。猛暑の中での試合ということでサンフレッチェは前半は抑え目の展開。全体的に低い位置に構えて浦和の攻撃を受け止め、ロングボールで相手DFラインの裏を狙います。両チームを通じてファーストシュートは5分に佐藤寿。10分には中島のパスで抜け出した山崎が中央にパスを送り、これを森崎浩がダイレクトで狙いましたが山岸の好セーブに阻まれます。浦和は両サイドの突破とクロス、そして田中の個人技で広島ゴールに迫りますが、シュートは枠を捉えません。21分には槙野が強烈なミドルを放ったものの山岸が倒れ込みながらセーブ。37分にはカウンターからの佐藤寿のシュートはDFに当たります。前半は浦和がボールを支配するものの脅威を感じたのは田中の突破だけ。広島は数は少ないものの何度か決定的なチャンスを作りつつハーフタイムを迎えました。
 後半もファーストシュートは広島で、1分に森崎浩。逆に3分には田中にドリブルで広島陣内に侵入されましたが間一髪でクリアし、10分にはこぼれ球を至近距離でエジミウソンにシュートされましたがミスに救われます。両チームともフレッシュな選手を投入し、全体的な運動量の低下をカバーしようとします。そして後半26分、左サイドから攻め上がった槙野が佐藤寿にスルーパスを出すとそのままゴール前に走り込みます。佐藤寿はDFを引きつけるとスペースに横パス。ここにフリーで走り込んだ槙野がGKの位置を確認して流し込み、広島が待望の先制点を奪いました。
 これで落ち着いた広島は、ゆったりしたパス回しで焦りを誘いつつ時計を進めます。それに対して浦和は運動量が極端に落ちて、ボールを奪いに来れません。31分にはエスクデロが入ってきてドリブルとクロスからチャンスを作ろうとし、田中も最後の力を振り絞って突破を図ります。そして何度かゴール前まで来たものの広島守備陣が高い集中ではね返し、逆にボールを奪うと相手陣内にボールを持ち込んで追加点の恐怖を与えつつ時間を稼いで、サンフレッチェが巧い時間の使い方で1点を守ってそのまま逃げ切りました。
 全体の流れとしては前半は浦和がボールを支配しながらも点を取れず、後半に広島が少ないチャンスを生かして逃げ切った、と言う試合。どちらもボールをつないで相手の隙を突くスタイルでやろうとしていることに違いはなく、シュート数も広島の8本に対して浦和は9本。表面的にはチャンスで決めることができるかどうかのちょっとした事の差が勝敗に繋がった、と言うようにも見えます。しかし実際に両チームがやりたかったことがどの程度表現できていたか、を考えると、その差は大きなものだったと言えるでしょう。広島はスタジアムの雰囲気と暑さを考えて、あまり無理をしない「典型的なアウェイの戦い方」(中島選手)を選択しました。ある程度までは相手にボールを持たせ、サイドを突破されてクロスを入れられても中央を固めて決定的なシーンを作らせませんでした。またDFの上がりも最小限にしてロングボールで前線の選手を走らせ、コンビに不安のあるDFラインを揺さぶりました。そしてここぞと言う場面で槙野が攻め上がり、連動性のある攻撃で点を取ると後は落ち着いてゲームをコントロール。まさに「大人のサッカー」(佐藤寿人選手)と言える展開で浦和に勝利しました。パスサッカー2年目の浦和に対して、4年かけてこのサッカーを熟成させてきた広島と言う違いが如実に出た試合結果だった、と言えるわけで、そう言う意味では「完勝だった」と言えるでしょう。
 試合後にペトロヴィッチ監督は「サンフレッチェのサッカーという観点から言えば、満足はしていない。本来であれば、我々はもっと落ち着いてプレーして、3,4点取れた」と語っていますが、しかしそれは欲張りすぎかも知れません。4点取れるチャンスを作っていたことよりも、青山が削られ、槙野も痛んで交代した後でも若手が出てクォリティを落とさなかったことの方がチームにとって重要なのだと思います。どんなトラブルがあっても、どんな展開であっても自分たちのサッカーで勝てること。それができるのが本当に強いチームであり、優勝を争うために必要なことです。もしも今後の試合でもこの浦和戦のようなサッカーができるなら、きっとサンフレッチェは本当にタイトルを争うことができるはず。この勝利は単に「埼スタで勝った」「アウェイで浦和に勝った」というだけでなく、今後に向けて重要なきっかけになるのかも知れません。

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