昨日、日本平で行われた第28節清水戦は、両者譲らず1-1のドロー。同一カードでのアウェイ連続未勝利記録を12に伸ばしてしまいました。
中島が出場停止と言うことでリベロに槙野、ストッパーに盛田を起用。また5ヶ月ぶりに復帰した森崎和を先発から起用して、次の布陣で戦いました。
中林
森脇 槙野 盛田
青山 森崎和(→横竹76分)
ミキッチ 服部
柏木 高柳(→李忠成82分)
(→高萩66分)
佐藤寿
SUB:下田、李漢宰、楽山、岡本
対する清水は、GK:山本海、DF:市川、岩下、児玉、太田、MF:枝村(→藤本57分)、本田(→山本真78分)、伊東、兵働(→原82分)、FW:岡崎、ヨンセン、と言うメンバーでした。いきなり立ち上がりに太田のクロスを岡崎がシュート、と言うシーンがありましたが、序盤は広島がDFラインでボールを繋ぎ清水がカウンターを狙う、と言う展開となります。清水は時折前からプレスをかけてきて、7分にはバックパスを受けた中林に岡崎が飛び込み、身体に当たったクリアボールがゴールの方向に転がって冷っとさせられます。サンフレッチェは7分に高柳がファーストシュート。9分には森崎和が強烈なミドルを打ったもののボールはわずかに枠を外れます。清水は得意のサイド攻撃で、左右からクロスを入れてきます。18分にはクロスのこぼれを伊東がシュート。25分には枝村がフリーでシュートしましたが、ボールは枠を外れて助かります。前半の半ば頃はやや劣勢だった広島でしたが、しかし29分に歓喜の瞬間が来ます。右サイドでボールを持ったミキッチが内側に切れ込むと左足でスルーパス。オフサイドラインぎりぎりから走り込んだ佐藤寿がワンタッチで流し込み、広島が先制点を奪いました。
その後は両チームとも激しい攻め合い。34分には佐藤寿、柏木が続けて清水ゴールを脅かし、35分には太田の強烈なシュートを盛田がスーパークリア。42分には右からのクロスがヨンセンの頭に合います。そして44分、左からの太田のクロスを逆サイドでフリーになっていた岡崎が頭で決めて追いつかれ、前半は1点ずつを取り合って折り返すことになりました。
後半立ち上がりは広島ペース。0分には高柳が高い位置でボールをカットしてスルーパスを佐藤寿に送り、2分には高柳のスルーパスを柏木が狙います。続いて4分には柏木がカウンターから突破を狙いますが、DFに囲まれて潰されます。清水もその後反撃を開始。5分には兵働が巻いたシュートでゴールを狙い、その後もクロスやミドルで攻め立てます。一方の広島も反撃して、23分には高萩のスルーパスに佐藤寿。24分にはクロスのこぼれを高柳がワントラップしてシュートしましたが枠を外れます。藤本、山本真、原と攻撃的選手を投入してくる清水。対する広島も、高萩や李忠成を投入します。しかし気温が上がって厳しいコンディションとなって、両チームとも足が止まってしまいます。40分以降は清水が力を振り絞って得点を奪いに来て、42分にはCKに岩下が合わせたものの枠外。43分には市川のヘッドが枠内に跳びますが、中林が横っ飛びでキャッチします。更に45分には市川のマイナスのパスに走り込んだ山本真がフリーで叩きましたが、ボールは枠を大きく外れて宙に浮きます。結局両チームとも最後まで決定打を出せず、そのまま1-1でドローに終わりました。
全体を通しての感想ですが、やはり好調の清水は手強い相手でした。守るとき、攻めるときの使い分けが巧く、広島が攻撃に入ったときには低い位置で構えてがっちりと受け止め、ボールを持つと良くパスを回して攻め込んできました。クロスの精度がイマイチだったため助かった面はありますが、しかしこの試合で暫定ながら首位に立ったのは決してフロックではありません。サンフレッチェはまたしても日本平で勝てなかったわけですが、これはこれまでの相性云々とは関係ないでしょう。清水は打ち破るのが非常に難しいチームで、そのホームゲームで勝つのは今回では無かった、と言うことだと思います。
しかしその清水に対する広島の戦いぶりは、堂々としたものだったと言えます。失点シーンはもったいないものだったと思いますが、あれは槙野が転んでしまったと言う要因もありますし、それより岡崎の巧さを褒めるべき。それ以外の場面では中林もDFも素晴らしい反応で危険なボールを弾き出し、またぎりぎりで身体を張ってはね返していました。また攻撃では何度も得意のパターンから危険な形を作り、相手ゴールを脅かしていました。この試合で勝つチャンスはあった、とは思いますが、それはどちらのチームにとっても同じ。勝点1を分け合うと言う結果は、どちらにとっても正当なものだったと思います。
そしてそれ以上に広島にとって重要だったことは、森崎和幸選手の復活でした。「俺達の誇り」であり「日本人にとってのお米のようなもの」である選手の久々の復帰は、何にも代え難いプレゼントでした。ペトロヴィッチ監督は試合後に「私自身はこのゲームに満足している。なぜなら、われわれは今日の試合前にすでに勝利を収めていたから。5ヶ月間休んでいた森崎和幸が戦線に復帰したことが、チームにとっては大きな勝利であり、監督の私にとっても、カズ本人にとっても大きな勝利だったと思う」と語っていますが、それは監督だけでなく選手・サポーターも含めたサンフレッチェに関わる人全体の実感だ、と言って良いでしょう。この試合でサンフレッチェは勝点1しか手にできず、対清水アウェイ戦の未勝利記録を更新してしまいましたが、しかしそんなことよりももっともっと重要な事を手にした、と思います。彼の復帰はチームにとっては何より大きな「補強」だと言って良いと思います。まだまだ混戦が続きそうな今年のJ1リーグ戦。森崎和だけでなくストヤノフや森崎浩も復帰してくれば、サンフレッチェはこれまで以上の「驚き」を見せてくれるに違いありません。
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