第17節浦和戦
44,000人以上を集めた埼玉スタジアム2002で行われた第17節浦和戦は、後半になって逆転を許して3連敗となりました。。
中林が戦列に復帰したもののミキッチは昨日も欠場で右WBには楽山を起用し、次のメンバーで戦いました。
この後もボール支配は浦和で、13分のエジミウソンが決定的なシュートや19分のポンテのシュート、20分の闘莉王のロングシュート等、主に個人の力で点を取り戻そうとします。しかし広島はサッカーの質の高さを見せつけるように、何度も鋭いパス交換から浦和陣内に攻め込みます。37分にはカウンターから佐藤寿が抜け出し、左からループ気味に狙いましたがバーに弾かれます。39分にも青山のスルーパスで抜け出した佐藤寿が決定的なシュートを放ち、GKに当たったボールに槙野が詰めましたがDFにクリアされます。前半はボール支配は浦和ながら広島が何度もカウンターを仕掛けて決定機の数で上回り、ハーフタイムには浦和サポーターのブーイングが響きました。
後半に入り、浦和のフィンケ監督はポンテを低い位置に下げてエスクデロを右サイドに出します。しかし、ペースは相変わらず広島で、2分には槙野が持ち込んでシュートを放ち、6分には佐藤寿がシュートしたもののGKが抑えます。8分にはスルーパスで抜け出した柏木がフリーでシュートを打てる体勢になったものの空振り。その直後にもストヤノフのパスを受けた佐藤寿が狙います。更に10分と11分には高柳、12分には中島が狙いますが、いずれもゴールネットを揺らすことができません。広島のチャンスの連続に追加点も時間の問題かと思われましたが、しかし疲れが出てきたかサンフレッチェの選手の運動量が落ち、ペースはゆっくりと浦和に移って行きます。後半20分のエジミウソンの決定的なシュートは中林がファインセーブで防ぎましたが、23分には橋内のボールを奪われてカウンター。高原のスルーパスで抜け出したエジミウソンがGKを抜くシュートを決めて、ついに同点に追いつかれてしまいました。
疲れが出ていた柏木に代えて、これがデビュー戦となる丸谷を投入したペトロヴィッチ監督。しかし流れは変わらず浦和が圧力を強めます。31分のPKはエジミウソンがポストに当ててくれたものの、その後もなかなか攻めきれずにカウンターを受けるシーンが増えます。そして39分、右サイドで与えたFKを蹴るのはポンテ。中央への低いボールは広島DFの間をすり抜け、エジミウソンが頭に当ててゴールネットを揺らしました。
攻めに出るしかない広島は、疲れた身体にむち打って前掛かりに攻めます。しかし浦和のDFラインはゴール前に鍵をかけ、なかなかシュートを打たせてもらえません。ロスタイムには右からのCKに槙野が飛び込み、こぼれ球を平繁がシュートしましたが大きく枠を外してしまいます。結局広島のゴールは前半6分の佐藤寿のものだけに終わり、またもや惜しい試合を落とすことになりました。
試合後にフィンケ監督は「実際には相手のチームの方が60分間に渡って優れたプレーを展開した」と言い、エジミウソンは「今日の広島は本当に強いチームで、みんなフィットしていたと思うし、いい試合をしていた」と語っていますが、確かに全体としては広島が内容的に上回っていた試合でした。前半終了間際の2度の決定機や後半の立ち上がりの何度かのチャンスに1点でも2点でも決めていれば、こんな結果にはならなかったと思います。フィンケ監督が言っていた「60分」を越えて運動量が落ちたためカウンターを受け止められなくなったのは確かですが、しかしさほど大崩れしたわけではありません。むしろ選手たちも言っているように追加点を奪おうと言う気持ちが強過ぎてバランスが崩れたのが失点の主原因で、サッカーの質が落ちたわけではないでしょう。主力の半分が欠けたメンバーで、しかもJ1リーグ戦の出場が初めての選手と2試合目の選手を途中から投入しながらこれだけのサッカーができたと言うことは、胸を張って良いと思います。
ただ、そうは言ってもやはり怪我人続出の影響は否めない、と言えます。仮に途中出場で出てきた選手がもっと経験豊富だったら、時間帯や点差を考えてもう少し慎重な戦いができたかも知れません。またベンチに流れを変えることのできる選手がいれば、終盤にもう一度追いつくことができたかも知れません。勝負事に「れば」「たら」は禁物ですが、やはりもう少し欠場者が少なければ、あるいはもう少しチームの選手層が厚ければ、ここで3連敗することはなかったのではないかと思います。
クラブと監督の方針は、あくまで若手を育成して戦うことです。その考えは正しいことだと思いますし、サポーターとしては「誇り」でもあるのですが、しかしこのような苦しい状況を見ると果たしてこのままで良いのか、と思わざるを得ません。途中で選手層の薄さが表面化していたのに動きが遅く、8月にストヤノフを獲得したものの遅過ぎた、と言う2年前を考えると、手遅れになる前に何とかして欲しい、と言う思いが募ります。これから夏本番となって、選手たちの疲れも溜まってくる時期です。怪我人の復帰と若手の成長が求められるのは当然の事として、強化部には打てる手は全て打って欲しい、と思います。
日刊スポーツスコア速報
中国新聞戦評 コーナーフラッグ
J's GOALゲームサマリー
Jリーグプレビュー&レポート
中林が戦列に復帰したもののミキッチは昨日も欠場で右WBには楽山を起用し、次のメンバーで戦いました。
中林 森脇 ストヤノフ 槙野 青山 中島 楽山(→橋内58分) 服部 柏木 高柳 (→丸谷69分→平繁83分) 佐藤寿 SUB:原、横竹、李、岡本対する浦和は試合直前に坪井が欠場となって、GK:都築、DF:山田暢、西澤(→エスクデロ45分)、闘莉王、高橋(→永田85分)、MF:鈴木、阿部、ポンテ(→堀之内86分)、原口、FW:高原、エジミウソン、と言うメンバーでした。立ち上がりに攻め込んできたのは浦和でしたが、しかし広島がしっかりとした守備で試合を落ち着かせると、素晴らしい攻撃で逆襲します。そして6分、中盤でボールを持った柏木が素晴らしい身体のキレを見せてドリブルから左クロス。中央に飛び込んだ佐藤寿が倒れ込みながらも左足に当ててゴールに流し込み、広島通算100ゴールとなる先制点を奪いました。
この後もボール支配は浦和で、13分のエジミウソンが決定的なシュートや19分のポンテのシュート、20分の闘莉王のロングシュート等、主に個人の力で点を取り戻そうとします。しかし広島はサッカーの質の高さを見せつけるように、何度も鋭いパス交換から浦和陣内に攻め込みます。37分にはカウンターから佐藤寿が抜け出し、左からループ気味に狙いましたがバーに弾かれます。39分にも青山のスルーパスで抜け出した佐藤寿が決定的なシュートを放ち、GKに当たったボールに槙野が詰めましたがDFにクリアされます。前半はボール支配は浦和ながら広島が何度もカウンターを仕掛けて決定機の数で上回り、ハーフタイムには浦和サポーターのブーイングが響きました。
後半に入り、浦和のフィンケ監督はポンテを低い位置に下げてエスクデロを右サイドに出します。しかし、ペースは相変わらず広島で、2分には槙野が持ち込んでシュートを放ち、6分には佐藤寿がシュートしたもののGKが抑えます。8分にはスルーパスで抜け出した柏木がフリーでシュートを打てる体勢になったものの空振り。その直後にもストヤノフのパスを受けた佐藤寿が狙います。更に10分と11分には高柳、12分には中島が狙いますが、いずれもゴールネットを揺らすことができません。広島のチャンスの連続に追加点も時間の問題かと思われましたが、しかし疲れが出てきたかサンフレッチェの選手の運動量が落ち、ペースはゆっくりと浦和に移って行きます。後半20分のエジミウソンの決定的なシュートは中林がファインセーブで防ぎましたが、23分には橋内のボールを奪われてカウンター。高原のスルーパスで抜け出したエジミウソンがGKを抜くシュートを決めて、ついに同点に追いつかれてしまいました。
疲れが出ていた柏木に代えて、これがデビュー戦となる丸谷を投入したペトロヴィッチ監督。しかし流れは変わらず浦和が圧力を強めます。31分のPKはエジミウソンがポストに当ててくれたものの、その後もなかなか攻めきれずにカウンターを受けるシーンが増えます。そして39分、右サイドで与えたFKを蹴るのはポンテ。中央への低いボールは広島DFの間をすり抜け、エジミウソンが頭に当ててゴールネットを揺らしました。
攻めに出るしかない広島は、疲れた身体にむち打って前掛かりに攻めます。しかし浦和のDFラインはゴール前に鍵をかけ、なかなかシュートを打たせてもらえません。ロスタイムには右からのCKに槙野が飛び込み、こぼれ球を平繁がシュートしましたが大きく枠を外してしまいます。結局広島のゴールは前半6分の佐藤寿のものだけに終わり、またもや惜しい試合を落とすことになりました。
試合後にフィンケ監督は「実際には相手のチームの方が60分間に渡って優れたプレーを展開した」と言い、エジミウソンは「今日の広島は本当に強いチームで、みんなフィットしていたと思うし、いい試合をしていた」と語っていますが、確かに全体としては広島が内容的に上回っていた試合でした。前半終了間際の2度の決定機や後半の立ち上がりの何度かのチャンスに1点でも2点でも決めていれば、こんな結果にはならなかったと思います。フィンケ監督が言っていた「60分」を越えて運動量が落ちたためカウンターを受け止められなくなったのは確かですが、しかしさほど大崩れしたわけではありません。むしろ選手たちも言っているように追加点を奪おうと言う気持ちが強過ぎてバランスが崩れたのが失点の主原因で、サッカーの質が落ちたわけではないでしょう。主力の半分が欠けたメンバーで、しかもJ1リーグ戦の出場が初めての選手と2試合目の選手を途中から投入しながらこれだけのサッカーができたと言うことは、胸を張って良いと思います。
ただ、そうは言ってもやはり怪我人続出の影響は否めない、と言えます。仮に途中出場で出てきた選手がもっと経験豊富だったら、時間帯や点差を考えてもう少し慎重な戦いができたかも知れません。またベンチに流れを変えることのできる選手がいれば、終盤にもう一度追いつくことができたかも知れません。勝負事に「れば」「たら」は禁物ですが、やはりもう少し欠場者が少なければ、あるいはもう少しチームの選手層が厚ければ、ここで3連敗することはなかったのではないかと思います。
クラブと監督の方針は、あくまで若手を育成して戦うことです。その考えは正しいことだと思いますし、サポーターとしては「誇り」でもあるのですが、しかしこのような苦しい状況を見ると果たしてこのままで良いのか、と思わざるを得ません。途中で選手層の薄さが表面化していたのに動きが遅く、8月にストヤノフを獲得したものの遅過ぎた、と言う2年前を考えると、手遅れになる前に何とかして欲しい、と言う思いが募ります。これから夏本番となって、選手たちの疲れも溜まってくる時期です。怪我人の復帰と若手の成長が求められるのは当然の事として、強化部には打てる手は全て打って欲しい、と思います。
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