昨日ビッグアーチで行われた第14節神戸戦は、一時は2点差をひっくり返されたものの再逆転して3連勝。順位を5位に上げました。
代表から戻ってきた槙野が先発に復帰して、次のメンバーで戦いました。
中林
槙野 ストヤノフ 盛田(→高柳68分)
青山 中島
ミキッチ(→平繁75分) 服部
柏木 高萩
佐藤寿(→李89分)
SUB:原、横竹、橋内、岡本
対する神戸は、GK:榎本、DF:石櫃、北本、宮本、内山、MF:田中(→朴79分)、松岡、丹羽、大久保(→吉田71分)、FW:茂木、マルセウ(→楠瀬45分)、と言うメンバーでした。最初のチャンスをものにしたのは広島で、1分にDFラインから軽快にパスを繋いで左サイドに展開し、服部が右足でクロスを入れます。これを北本が頭に当てて軌道が変わったのが幸いしてゴールネットを揺らし、広島が先制点を奪いました。
その後はボールを持つ時間が長かったのは神戸でしたが、しかしシュートの数とチャンスの質で上回ったのは広島でした。11分にはミキッチのパスを槙野がダイレクトで狙ったものの、榎本がスーパーセーブ。23分には服部のパスを受けた高萩がペナルティエリアの中まで持ち込んで危険なシーンを作り、27分には服部のグラウンダーのボールに柏木が走り込んで打ちましたがGKの正面を突きます。30分には柏木のピンポイントのクロスに佐藤寿が頭で合わせましたが、榎本が横っ飛びでキャッチ。39分には柏木が直接FKを狙いましたが枠を外します。逆に神戸は茂木や大久保のドリブル、両サイドからのクロスで攻めてきますが、広島DFが対処して隙を与えません。そして44分、サンフが連続攻撃から最後は槙野が見事な右足のシュートを突き刺して、リードを2点に広げて前半を折り返しました。
流れを変えようと、神戸のカイオ・ジュニオール監督はマルセウに代えて新人・楠瀬を投入しましたが、これが開始早々にいきなり功を奏します。楠瀬が左サイドから仕掛けてファウルを誘って得たFKで、壁に入ったミキッチが手に当てたとしてPK。久々にJのピッチに立った大久保がGKの逆を突いて決めて、1点差になってしまいました。更に後半5分、右サイドでボールを持った石櫃がゴール前に放り込んで来ると、これがクロスを予想していた中林の動きの逆になってそのままゴールに飛び込んで、あっという間に同点に追いつかれてしまいました。
その後は両チームとも勝ち越しを狙って速い攻撃の応酬となります。そして21分、楠瀬のロビングのパスをクリアしようとした盛田が足を滑らせてボールは茂木へ。DFラインの裏に抜け出した茂木にGKの股抜きのシュートを決められ、ついにリードを許すことになりました。
これでやや引き気味にしてカウンター狙いに切り替えた神戸に対して、広島は盛田を高柳に代え「2バック」にして攻めます。後半35分には右サイドでパスを繋いで平繁がシュートしたもののDFに当たり、37分には槙野が右から突破してシュートします。そして39分、ストヤノフのロングボールを佐藤寿がDFと競りあいながら落とすと、ここに走り込んでいた柏木が左足で叩き込んで同点。更にその1分後には槙野の攻め上がりから高萩がシュート。これを佐藤寿がヒールでわずかにコースを変え、ボールは北本に当たってGKの逆を突いてゴールネットを揺らしました。
その後、石櫃のFKやシュート、茂木のドリブルなどで神戸も攻め込んできましたがGKとDFが落ち着いて対処。中盤もしっかりと走って相手にプレスをかけ続けて、最後は危なげなく逃げ切りました。
試合後にペトロヴィッチ監督は「心臓に悪い試合だった」と振り返っていますが、そうなったきっかけは主審のジャッジでした。後半早々の広島の右サイドの競り合いでミキッチがファウルを取られましたがそれ自体が微妙だった上に、PKを取られたシーンはもっと微妙。ペナルティエリアのライン上だった上に、「意図的に手を使った」ようには見えませんでした。また石櫃のゴールも、クロスがたまたま入ってしまった、と言うようにも見えました。後半立ち上がりの時間帯でバタバタしてしまったのは確かですが、不運が続いてしまった、とは言えると思います。
ただ、その後の反発力は見事なものでした。「2人で守って8人で攻める」(ペトロヴィッチ監督)と言うベンチの采配に答えて見せた、素晴らしい攻め。後ろのポジションの選手が次々と前に飛び出すとともに、中盤の選手が入れ替わり立ち替わり後ろに下ってバランスを取って、波状攻撃を繰り返しました。同点のシーンでボールがこぼれたところに柏木がいたのは、柏木自身の成長の結果であるとともにチーム全体の力だ、と言って良いでしょう。
先週、引き分け以上でOKと言う試合を落としてナビスコ杯のトーナメント進出を逃したサンフレッチェ。この試合でも2点リードをひっくり返されて負けていたら、そのダメージは大きなものだったに違いありません。少なくとも2年前の「悪夢」が蘇って、不安が頭をもたげてきたのではないでしょうか。佐藤寿が語っているように2-0になったらそのまま逃げ切るのが「本当に強いチーム」なのは確かですが、しかし何が起きるか分からないのもサッカーです。不運が続いて負けると言うことは、強いチームにでもあることです。大事なのは、そう言うときにどうするか。しっかりと立て直して再逆転できたこと、しかも自分たちのサッカーを貫いて勝ちきったことは、大きな手応えとなって残ったのではないでしょうか。
速報ブログ
前半 後半
日刊スポーツスコア速報
中国新聞戦評 コーナーフラッグ
J's GOALゲームサマリー
Jリーグプレビュー&レポート