昨日ビッグアーチで行われた第41節鳥栖戦は新人・清水の初ゴールなどで5-1で快勝し、勝点を90、総得点を89に伸ばしました。
高柳を第32節以来2ヶ月ぶり、森脇を第19節以来4ヶ月ぶりに先発で起用して、次に布陣でスタートしました。
佐藤昭
槙野 ストヤノフ 森崎和
高柳 森崎浩(→清水航67分)
(→楽山45分)
森脇 服部
柏木 高萩
(→青山45分)
佐藤寿
SUB:中林、結城
対する鳥栖のメンバーは、GK:室、DF:長谷川(→清水康67分)、内間、飯尾、谷田、MF:高橋(→高地67分)、島嵜、船谷、野崎(→鐡戸55分)、FW:藤田、廣瀬、でした。前の2回の対戦とは違い、この日の鳥栖は前からの守備を徹底。序盤から素早いアプローチで広島のDFラインにプレッシャーをかけます。しかし広島もロングボールを中心にゲームを作り、4分には高柳のロングボールから服部が抜け出し森脇のシュートを導き、6分にも佐藤寿のロングパスを服部が逆サイドへ。ワントラップした柏木がニアを狙いましたが室が素晴らしい反応で弾き出し、続くCKでは佐藤寿がニアで合わせましたがボールはポストを舐めるように外れて行きます。そしてその後も森崎浩のFKや森脇のロングシュートなどで鳥栖ゴールを脅かしたものの、点を奪うことができません。そして徐々に運動量が落ちるとペースは鳥栖に。31分のカウンターアタックは森崎和のカバーリングで事無きを得たものの、33分と36分にはゴール前で藤田にフリーでヘディングを許します。そして38分にはカウンターから廣瀬のスルーパスを野崎に狙われましたが、これもわずかに枠外にそれて胸をなで下ろします。前半は両チームとも激しい攻防を見せたもののゴールネットが揺れることは無く、スコアレスで折り返しました。
後半に入ると、ペトロヴィッチ監督は2人を入れ替えて布陣を変更します。右WBに楽山を入れて森脇を右ストッパーに下げ、森崎和と青山のボランチにしましたがこれが功を奏します。立ち上がりこそ鳥栖の波状攻撃を凌ぐシーンがあったものの、徐々に相手を押し込むと後半10分、森崎浩の左からのCKを森脇が頭で決めてようやく先制点を奪うことが出来ました。
続いて15分には、厳しい守備で相手ボールを奪うと森脇が右のスペースへロビングのパス。これを高萩がダイレクトで折り返すと、中央に飛び込んだ森崎浩が頭でゴールを決めます。更に19分には佐藤寿のパスで抜け出した服部がDFラインの裏をクロスするグラウンダーのパス。逆サイドに走り込んだ森崎浩が易々と決めて、あっという間にリードを3点に広げます。更に26分には森脇のパスを受けた清水がワンタッチで佐藤寿へ。順方向に回転して相手選手から逃げるようにバウンドしたボールを佐藤寿が折り返すと、清水は迷わず左足を振り抜きます。このボールはGKの横を抜いてゴールネットに突き刺さり、清水はプロデビューの4分後に大仕事をして見せました。
しかしJ1昇格のために諦めるわけにはいかない鳥栖も、35分にDFラインでのパス回しを奪って藤田がゴールを決めて一矢報います。しかし36分、今度は青山のループパスを佐藤寿が胸で落とすとDFより一瞬早く足を伸ばしてシュート。得点ランキングトップを独走する今季23ゴール目で止めを刺しました。
この試合のポイントは、これまでコンスタントに出ていなかった選手の「テスト」でした。そしてそれは、プラスとマイナスの両面が出た、と言って良いでしょう。前半立ち上がりは鳥栖の前からのプレスに負けずにしっかりとパスを回し、ロングパスを有効に使ってチャンスを量産しました。特に高柳のパスは何度も好機を演出し、期待に応えたかに見えました。しかし徐々に運動量が落ちると守備と攻撃の連動性が失われ、鳥栖の逆襲を許してしまいました。失点こそしなかったものの藤田の2本のヘッドと野崎のシュートはどちらも決定的。どれも失点に繋がっても不思議ではないシーンだったと思います。
しかし後半に入っての選手交代と布陣の変更により、チームは蘇りました。特に素晴らしかったのは攻守の切り替えの速さ。2点目のシーンはその典型で、ボールを奪われてもすぐにボールホルダーを取り囲み、奪い返した瞬間には何人もの選手が次のポジションに動き出していました。そしてチーム全体がうまく回り始めた事によって森脇も生き生きと動き出し、試合の流れを決定づけるゴールを決めました。清水が初出場初ゴールを決めたのも、その流れに乗ることができたからだと言えるでしょう。うまく行かないチームとうまく行くチーム。この試合で見せた2つの顔は、別にどの選手が悪かったから、と言う事ではないと思います。今のサンフレッチェが完成したチームだから勝っているのではなく、ちょうど良いバランスポイントを見つけることができているからだ、と言う事だと思います。逆に言えば、そのバランスはいつでも崩れ得る、ということ。何度かの危機を乗り越えながら成長してきた今年のサンフレッチェですが、今後もうまく行かないこと、壁に当たることはあるはず。そこをどのように乗り越えて行くかが、今後の課題になるのではないでしょうか。
速報ブログ
前半 後半
日刊スポーツスコア
中国新聞戦評
J's GOALゲームサマリー
Jリーグ公式サイトプレビュー&レポート