天皇杯決勝鹿島戦
日本サッカーの年初の恒例行事、天皇杯決勝。「サンフレッチェ」となってから4度目、前身の東洋工業とマツダSC時代を含めると13度目の挑戦となった広島はJリーグ王者の鹿島アントラーズと対戦し、0-2で敗れまたもや「銀メダル」に終わりました。
ペトロヴィッチ監督は出場停止の柏木に代えて高萩を起用。G大阪戦と同じく森崎兄弟をドイスボランチに据えて、次の布陣で決勝に臨みました。
早い時間帯でのリードで落ち着いた鹿島は、中盤の速いプレッシャーで広島の攻撃を寸断します。サンフは16分にFKから槙野がヘディングで、30分にはCKからのこぼれを高萩が狙いましたが枠を外れます。鹿島は何度も小笠原のFKなどから広島ゴール前にボールを送り込んできますが、DFが高い集中力ではね返します。前半は鹿島が運動量と集中力で勝り、広島は攻撃の糸口を見出せないままに折り返す事になりました。
状況を打開するため、サンフは森崎浩を高目の位置に上げて攻めの姿勢を強めます。逆に鹿島はややブロックを下げて、ゴール前を固めてきます。3分には駒野のクロスに平繁がフリーで合わせたものの、微妙にタイミングが合わず枠外に外れます。逆に9分にはFKからマルキーニョスが頭で狙いましたが下田が横っ飛びでクリア。17分にはマルキーニョスのドリブルから田代がシュートしましたが、これも下田がスーパーセーブで凌ぎます。サンフは16分に森崎浩のサイドチェンジを起点に高萩がシュートしましたが枠外。18分には森崎浩が強烈なミドルシュートを放ちましたが、曽ケ端の好セーブに阻まれます。李、高柳を投入して中盤の運動量を上げて追撃しようとする広島。鹿島もダニーロ、中後、柳沢を次々と入れて逃げ切りを図ります。終盤には槙野と盛田を上げっぱなしにして、ロングボールを放り込んで最後の攻撃を仕掛けます。しかし逆に後半48分、鹿島の右サイドからするすると抜け出した柳沢が広島ゴール前を横切るパス。ここに走り込んできたダニーロが強烈な一発を叩き込んで、鹿島は決定的な2点目を奪って勝利を確定しました。
リーグ戦終盤から通算で11連勝している王者・鹿島に対する16位の広島。結果としてはその順位通りの順当なものとなってしまったわけですが、しかし内容的にはそれほどの差はなかったと言って良いと思います。本来のレギュラーに代わって起用された平繁や高萩らは初めての大舞台と言うことで緊張は隠せませんでしたが、しかし試合の中でしっかりと修正して「自分らしさ」を見せてくれました。また他の選手も早い時間帯に先制を許すと言う苦しい展開だったにも関わらず、落ち着きを失うことなく終了間際までゲームを壊さずに戦い抜きました。シーズン中には点を取られるとばたついて次々と失点したり、あるいは同点を狙って攻めて逆襲を食らったりとバランスを崩してしまうことが多かったのですが、それがなかったことはチームの成長の結果である、と言って良いでしょう。J2降格という悲劇を経験し、しかしその中でもしっかりと天皇杯に目標を切り替えて勝ち抜いてきた事は、決してフロックではなかった、と言うことを示しました。鹿島が完成度の高いチームで、なおかつ良く広島を研究してきたからこそこのような結果になったわけで、それについて悲観する必要はないでしょう。サンフレッチェが本来の力を発揮すれば、チャンピオンとの差もそれほど大きなものではないということが確認できただけでも、この試合の意味はあったのではないかと思います。
この敗戦によりサンフレッチェには、またもやタイトルが取れなかったと言う事実と、そして今年はJ2で戦わなければならないと言う現実が残りました。今年はこのチームでJ1の舞台で戦えないのは残念だ、と言う気持ちは否定できません。ただ見方を変えるとするならば、今年のサンフレッチェはJ2では鹿島のような立場になるわけです。勝つのが当然、優勝して当たり前と言う立場で、長丁場の戦いを勝ち抜かなければならないのです。相手を侮ることなくしっかりと研究して弱点を突くこと。ピッチ上の11人全員が心を一つにして守備に集中し、ここぞという時に一気に得点を奪いに行くこと。相手がどう出ようとも、落ち着いてゲームをコントロールすること。そして途中出場した選手も自分の役割を全うすること。「格下」相手にどのようなサッカーをすれば勝つことができるのか。優勝するためには何が必要なのかを、昨日の鹿島とオリヴェイラ監督から学ばなければなりません。2008年は敗戦からの出発となってしまいましたが、しかしここから何を学び、どう今後に生かしていくかが、最も重要なのではないでしょうか。
日刊スポーツスコア
中国新聞戦評
J's GOALゲームサマリー
ペトロヴィッチ監督は出場停止の柏木に代えて高萩を起用。G大阪戦と同じく森崎兄弟をドイスボランチに据えて、次の布陣で決勝に臨みました。
下田 槙野 ストヤノフ 盛田 森崎和 森崎浩 駒野 服部 高萩(→高柳83分) 佐藤寿 平繁(→李77分) SUB:木寺、吉弘、李、遊佐対する鹿島は不動のメンバーで、GK:曽ケ端、DF:内田、岩政、大岩、新井場、MF:野沢(→ダニーロ80分)、本山、青木、小笠原、FW:田代(→柳沢89分)、マルキーニョス(→中後86分)。序盤は低い位置にブロックを作って守りを固める広島に対して、鹿島は小笠原が中盤を縦横に動いてゲームを作ります。そんな中最初にチャンスを作ったのは広島で、前半7分森崎和のボールを受けた佐藤寿がクロス。高萩の折り返しを平繁が左足で狙いましたが枠を外れます。逆にその1分後、マルキーニョスのワンタッチパスで抜け出した内田が角度のないところからシュート。ボールはニアサイドを予想した下田の逆を突き、ファーサイドのネットに突き刺さりました。
早い時間帯でのリードで落ち着いた鹿島は、中盤の速いプレッシャーで広島の攻撃を寸断します。サンフは16分にFKから槙野がヘディングで、30分にはCKからのこぼれを高萩が狙いましたが枠を外れます。鹿島は何度も小笠原のFKなどから広島ゴール前にボールを送り込んできますが、DFが高い集中力ではね返します。前半は鹿島が運動量と集中力で勝り、広島は攻撃の糸口を見出せないままに折り返す事になりました。
状況を打開するため、サンフは森崎浩を高目の位置に上げて攻めの姿勢を強めます。逆に鹿島はややブロックを下げて、ゴール前を固めてきます。3分には駒野のクロスに平繁がフリーで合わせたものの、微妙にタイミングが合わず枠外に外れます。逆に9分にはFKからマルキーニョスが頭で狙いましたが下田が横っ飛びでクリア。17分にはマルキーニョスのドリブルから田代がシュートしましたが、これも下田がスーパーセーブで凌ぎます。サンフは16分に森崎浩のサイドチェンジを起点に高萩がシュートしましたが枠外。18分には森崎浩が強烈なミドルシュートを放ちましたが、曽ケ端の好セーブに阻まれます。李、高柳を投入して中盤の運動量を上げて追撃しようとする広島。鹿島もダニーロ、中後、柳沢を次々と入れて逃げ切りを図ります。終盤には槙野と盛田を上げっぱなしにして、ロングボールを放り込んで最後の攻撃を仕掛けます。しかし逆に後半48分、鹿島の右サイドからするすると抜け出した柳沢が広島ゴール前を横切るパス。ここに走り込んできたダニーロが強烈な一発を叩き込んで、鹿島は決定的な2点目を奪って勝利を確定しました。
リーグ戦終盤から通算で11連勝している王者・鹿島に対する16位の広島。結果としてはその順位通りの順当なものとなってしまったわけですが、しかし内容的にはそれほどの差はなかったと言って良いと思います。本来のレギュラーに代わって起用された平繁や高萩らは初めての大舞台と言うことで緊張は隠せませんでしたが、しかし試合の中でしっかりと修正して「自分らしさ」を見せてくれました。また他の選手も早い時間帯に先制を許すと言う苦しい展開だったにも関わらず、落ち着きを失うことなく終了間際までゲームを壊さずに戦い抜きました。シーズン中には点を取られるとばたついて次々と失点したり、あるいは同点を狙って攻めて逆襲を食らったりとバランスを崩してしまうことが多かったのですが、それがなかったことはチームの成長の結果である、と言って良いでしょう。J2降格という悲劇を経験し、しかしその中でもしっかりと天皇杯に目標を切り替えて勝ち抜いてきた事は、決してフロックではなかった、と言うことを示しました。鹿島が完成度の高いチームで、なおかつ良く広島を研究してきたからこそこのような結果になったわけで、それについて悲観する必要はないでしょう。サンフレッチェが本来の力を発揮すれば、チャンピオンとの差もそれほど大きなものではないということが確認できただけでも、この試合の意味はあったのではないかと思います。
この敗戦によりサンフレッチェには、またもやタイトルが取れなかったと言う事実と、そして今年はJ2で戦わなければならないと言う現実が残りました。今年はこのチームでJ1の舞台で戦えないのは残念だ、と言う気持ちは否定できません。ただ見方を変えるとするならば、今年のサンフレッチェはJ2では鹿島のような立場になるわけです。勝つのが当然、優勝して当たり前と言う立場で、長丁場の戦いを勝ち抜かなければならないのです。相手を侮ることなくしっかりと研究して弱点を突くこと。ピッチ上の11人全員が心を一つにして守備に集中し、ここぞという時に一気に得点を奪いに行くこと。相手がどう出ようとも、落ち着いてゲームをコントロールすること。そして途中出場した選手も自分の役割を全うすること。「格下」相手にどのようなサッカーをすれば勝つことができるのか。優勝するためには何が必要なのかを、昨日の鹿島とオリヴェイラ監督から学ばなければなりません。2008年は敗戦からの出発となってしまいましたが、しかしここから何を学び、どう今後に生かしていくかが、最も重要なのではないでしょうか。
日刊スポーツスコア
中国新聞戦評
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» 今日の天皇杯決勝 [SANFRECCE Diaryの目]
サンフレッチェの決勝での戦いを見るために、日帰りで国立競技場へ行ってきました。冬型で寒くなる、と言う予報でしたが天気の崩れはそれほどでも無く、日なたとなるホーム側のスタンドは暖かい、と言っても良いぐらい。穏やかな雰囲気の決勝戦となりました。 因みに天皇杯決勝、と言えばサッカー界の「お祭り」みたいなもので、決勝に進出した両チームのサポーターだけでなく他のサッカーファンも集まって、独特の雰囲気を醸し出します。エンジ色に染まった鹿島側のスタンドほどではないにしろ、広島側のスタンドも結構沢山の紫色のサポ... [続きを読む]
受信: 2008/01/02 11:19

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