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2007/12/24

天皇杯準々決勝FC東京戦

昨日熊本で行われた天皇杯準々決勝は柏木、駒野のゴールで2-0でFC東京を下し、5年ぶりにベスト4進出を決めました。
 風邪で体調の悪い戸田はベンチにも入りませんでしたが、足首を痛めていた柏木は元気に先発して次の布陣で臨みました。
        下田

     槙野 ストヤノフ 盛田
    (→吉弘75分)
        森崎和(→高萩78分)
駒野              服部
    柏木     森崎浩

     佐藤寿  平繁(→高柳58分)

SUB:木寺、李、遊佐、田村
 対するFC東京のメンバーは、GK:塩田、DF:茂庭、藤山、金沢(→ルーカス63分)、徳永、MF:今野、鈴木、石川、梶山、栗澤(→浅利50分)、FW:川口(→平山50分)。FC東京は序盤から高い位置からボールを奪いに来て広島のDFラインにプレッシャーをかけます。しかしサンフは落ち着いたボール回しでこれをかわし、じっくりとボールをキープしてチャンスを狙います。そして前半13分、森崎和のクサビのパスを起点に素晴らしい攻撃を仕掛けます。柏木からボールを受けた森崎浩は逆サイドの佐藤寿へ。佐藤寿がボールを流し込んだスペースに走り込んでいたのが、パスを出した後に止まらず動いた柏木。フリーで叩いたシュートは当たり損ないだったそうですが、それが幸いしたかループ気味にゴールネットに収まります。緩から急、そして3人目、4人目の動き。これぞペトロヴィッチサッカーのお手本、とも言うべきプレーで東京の守備陣を完全に崩して、サンフは見事な形で先制点を奪いました。
 一瞬の隙を突かれて失点した東京でしたが、しかし右の徳永と石川、左の鈴木と栗澤のスピードと運動量を生かして逆襲を開始します。29分には右サイドからのクロスを逆サイドで待ちかまえていた鈴木がフリーでシュートしましたがバー。32分にも右からのクロスを川口が叩きましたがシュートはわずかに枠を外れます。このままでは追いつかれるのも時間の問題か、と思われましたが、しかしサンフは守備を修正すると反撃に出ます。35分の佐藤寿のシュートはGKにキャッチされたものの37分、下田からのボールを服部が競り合って頭でスペースに流します。そしてここに走り込んでいたのが柏木。相手DFを引きつけると逆サイドに走り込んでいた駒野にパス。完全にフリーになっていた駒野は「ニアも空いていたがファーならば止められても誰かが詰めることができる」と余裕を持ちながらシュートして、2点目をゲットしました。
 前半は完全に広島ペースだったと言うことで、原監督は後半5分に早くも交代のカードを2枚切ってきます。続いて18分には風邪のため大事を取っていたルーカスを投入し、4トップとも言うべき陣形で総攻撃をかけてきます。これに対してサンフはストヤノフが、盛田が、槙野が集中力を切らさず身体を寄せて、シュートを枠に飛ばさせません。この奮闘のため足の筋肉が悲鳴を上げた槙野は倒れたまま起き上がることができなくなり、吉弘が代わってゴール前での競り合いに参加します。更に股関節を傷めていた森崎和に代えて高萩を投入。高柳がDFラインの前に位置してこぼれ球を狙います。東京の猛攻は40分過ぎまで続きましたが、しかしさすがに攻め疲れしたのか徐々にプレッシャーが弱まってカウンターのチャンスも増えます。37分には柏木のカットから駒野が上がり、高萩に繋いだもののシュートは出来ず。40分にはストヤノフのパスを受けた高萩がヘディングでループシュートを狙ったものの、うまく当たらずGKにキャッチされます。41分には高萩のスルーパスで森崎浩が抜け出したもののオフサイド。ロスタイムには服部が、柏木が決定的なシュートを放ちましたが枠をとらえる事が出来ません。逆に45分には石川をフリーにしてしまいペナルティエリアの中から強烈なシュートを打たれましたが、しかし力み過ぎたのかボールは上に大きく外れます。両チームとも死力を尽くして攻め、そして守りましたが、後半はスコアが動かないままにタイムアップ。南国の空にサンフレッチェのサポーターと選手の歓喜の声がこだましました。
 試合後にペトロヴィッチ監督は「素晴らしい勝利だった。勝つべくして勝った内容。我慢できたし、試合もコントロールしていた」と語っていましたが、少なくとも前半はその通りだったと思います。相手が高い位置からプレスをかけてきても決して焦らずボールをつなぎ、ここぞと言うところで3人目、4人目の連動した動きで相手を崩して2点のリードを奪いました。東京の梶山は試合後に「前半はみんな足が止まっていたし、悪い形で失点してしまった。後半みたいなサッカーを、最初からしていたら」と自分たちのやり方に問題があったと振り返っていますが、むしろ広島のやり方がうまくはまった、と言うことでしょう。磐田戦に続いて理想的なサッカーができた前半だった、と思います。
 一方後半ですが、守備の集中力は素晴らしかったと言えます。東京は平山、ルーカスと前線に高さのある選手を次々と投入してボールを放り込んできましたが、3バックは一瞬たりとも集中を切らさず身体を寄せ、ボールをクリアし続けました。またバイタルエリアにボールを運ばれても中盤の選手と協力してシュートコースを消して、フリーでシュートを打たせませんでした。後半のシュートは広島の4本に対して東京は10本と倍以上でしたが、しかし下田が横っ飛びで抑えるシーンはなくボールのほとんどが枠外かGK正面。磐田戦に続いて2試合連続無失点だったのは決してフロックではない、と言えるでしょう。今季リーグ最多失点と言う屈辱的な結果を残したサンフレッチェの守備陣でしたが、ここに来てようやく安定感が出てきたのは収穫です。
 ただその一方で、前半のようにマイボールを大事にする戦いが後半も出来なかったのは反省点だ、と言えます。今季何度も見てきたように、攻め続けられれば一瞬の隙ができることは有りうるし、シュートがDFに当たってGKの動きの逆に飛ぶこともあります。試合後に選手達は異口同音に「カウンターから3点目を奪えれば止めを刺せた」と言っていますが、むしろ前半のようにパスをつないでボールをゴールから遠ざけ、また相手を走らせて疲れを誘うような戦い方をする事が必要だ、と思います。次の相手はリーグ屈指の攻撃力を誇るG大阪。勝利のためには相手に合わせて守り抜くような戦いではなく、自分たちのサッカーを続ける時間をどれだけ長くするか、が「国立行き」のための最も重要なポイントなのではないでしょうか。

日刊スポーツスコア
中国新聞戦評
J's GOALゲームサマリー

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