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2007/08/19

第21節大分戦

昨日ビッグアーチで行われた第21節大分戦は2-0で勝ち、連敗を5でストップしました。
 出場停止の柏木に加えて足首を痛めた森崎浩と腰痛の青山がベンチ入りもせず、中盤を総入れ替えしてこの試合に臨みました。
        下田

   森崎和  戸田  槙野

        高柳
駒野              服部
   李(→ストヤノフ82分)桑田(→高萩70分)

    ウェズレイ 佐藤寿

SUB:木寺、吉弘、入船、田村、平繁
 対する大分は前節と同じメンバーで、GK:下川、DF:深谷、森重、上本(→松橋章80分)、MF:エジミウソン、鈴木、根本(→前田45分)、高橋、藤田、FW:高松、梅崎(→金崎68分)。どちらも勝ち点が欲しいゲームと言うことで、両チームとも序盤から積極的に動きます。最初の決定機は広島で、4分に服部のクロスがDFラインとGKの間に流れ、佐藤寿がシュートしましたが枠に飛びません。逆に5分、広島のパスミスから高松が抜け出しシュートしましたが下田がナイスセーブ。また12分にも梅崎が上手に身体を入れて左足でシュートしましたが下田が落ち着いて弾きます。サンフの中盤の3人、高柳と李、桑田は激しく動いてパスコースを作り、またFWを追い越して前線に顔を出すなど持ち味を発揮。これでサンフが徐々にペースをつかむと大分を押し込むシーンが増えていきます。そして29分、右からのウェズレイのCKは長すぎたものの佐藤寿が必死で足を伸ばしてスペースに落とし、ここに走り込んだ服部が強烈なミドルシュート。下川は手に当てたものの勢いが勝り、そのままゴールに突き刺さりました。
 先制点を許して大分は少し前に出てきましたが、しかしサンフはこれをがっちりと受け止めると自分のペースに持ち込みます。36分と44分には高柳が強烈なミドルシュートを放って大分ゴールを脅かし、39分にはセットプレーで上がっていた槙野が単独突破を図ってペナルティエリア内まで持ち込んでシュートします。前半は初めの方こそ大分にもチャンスを与えたものの、その後はサンフのペースを保ったままでハーフタイムを迎えることになりました。
 後半に入ってシャムスカ監督は、前田をトップ下に入れ鈴木を左サイドに回して流れを変えようとします。そして9分にはその前田のパスで抜け出した梅崎がGKと1対1になりかけましたが、思い切って前に出た下田が止めて事無きを得ます。その後は大分も攻めのアイディアがなくなり、サンフの守備陣がしっかりと対応して攻撃の形を作らせません。逆にサンフは駒野の突破から、あるいは森崎和の攻め上がりからチャンスを作ります。17分には駒野のクロスにウェズレイが頭で合わせ、2点目を奪ったかに見えましたがなぜかウェズレイがファウルを取られてノーゴールとなり、嫌な予感が漂います。しかし後半26分、森崎和からのロングボールを受けた佐藤寿が相手DFの裏を巻くようなパスを右サイドへ。ここに走り込んでいたウェズレイがノートラップで叩き込み、広島に待望の2点目が入りました。
 その後は両チームとも暑さと疲れで足が止まりそうになるのを必死で動かして戦います。DFを1人削ってFWを増やし最後の攻勢に出る大分。ペトロヴィッチ監督はストヤノフをボランチの位置に入れ、守りを固めます。34分にはパスを奪われ高松にシュートを打たれましたが枠外。39分には前田が遠目の位置から思い切って狙ってきましたがこれも枠外に外れます。サンフは相手の攻撃に落ち着いて対応すると、最後はストヤノフの攻め上がりなど見せ場も作りつつ危なげなく逃げ切りました。
 連敗中だったのに加えて、柏木の出場停止と森崎浩、青山の突然の欠場。昨日のサンフは試合前から不安がいろいろあったのですが、しかしそれを覆してくれたのが「代役」としてピッチに立った3人でした。高柳はDFラインがボールを持つと必ず顔を出してパスの預けどころとなり、また高い位置でボールをカットするとそのまま持ち上がってミドルシュートを狙いました。李と桑田は労を惜しまずにフリーランニングを繰り返し、相手のDFを引きつけてウェズレイ、佐藤寿のためのスペースを作りました。ペトロヴィッチ監督は試合後のインタビューで「今日は広島のクオリティが出た試合だった。一歩前進した、と言える。若い選手達が前進を見せた」と語っていますが、これは主にこの3人を指して言った言葉だと思います。なかなか試合出場のチャンスが巡ってこない中で腐らずに準備をし、レベルアップに努めていたからこそこのような大事なところで活躍できたわけで、この勝利はまずは李、桑田、高柳の勝利だった、と言って良いと思います。
 また、このところ失点が続いていて批判も強まっていたDFラインもまた、素晴らしかったと思います。特に槙野は失敗を怖れずにチャレンジし続け、ペトロヴィッチ監督が「今日は全員が素晴らしいが、槙野が本当に良かった」と唯1人名前を挙げて誉めたほど。最終ラインで頑張るだけでなく頻繁に攻め上がり前線にまで顔を出してシュートする姿は、チームを勇気づけました。更に2試合連続でPKを与えていた森崎和も、前向きな姿勢を失わずに素晴らしいプレーを見せました。2点目に繋がるロングパスは彼らしい精度の高さでしたが、それ以外にも何度もドリブルで持ち上がって相手の中盤を混乱に陥れました。彼が監督とサポーターの信頼に応えて本来の力を発揮できたことが、この勝利の大きな要因になったのは間違いありません。
 そして選手一人ひとりの頑張り以上に感心したのは、ペトロヴィッチ監督の「我慢する強さ」です。人間だれしも、うまく行かない時には何かを変えてみようと思うもの。実際過去にサンフレッチェを率いた監督を思い返してみるならば、トムソン監督もヴァレリー監督も小野監督も、チームが危機に陥ると選手を代え、システムを変え、更に戦い方のコンセプトまで変えて乗り切っていました。しかしペトロヴィッチ監督は違いました。「(チームの危機は)内容の危機ではなく、結果の危機である」と強調して、やろうとしていることは間違っていない、と言い続けました。そして出場停止や代表招集、怪我等で選手が欠けない限り同じやり方、同じシステム、同じ選手起用を貫きました。同じ戦い方を続けていたからこそ、昨日のように突然の怪我で控え選手が出ることになっても、クオリティを下げずに戦うことができたのだと思います。またその信頼があったからこそ、選手一人ひとりの成長もあったのではないかと思います。
 今週は代表招集のため佐藤寿、駒野、柏木がチームを離れることになります。またウェズレイが累積で2試合の出場停止で横浜FM戦、FC東京戦には出場できなくなります。更に青山の腰痛が長期化する可能性もあるでしょう。しかしそれでもペトロヴィッチ監督のチーム作りの方針には揺るぎは無く、誰が出場することになっても質の高いサッカーを見せてくれるだろうと思います。これからもサンフレッチェに危機は訪れるかも知れません。しかしどんな状況になっても監督と選手が一丸となって、乗り越えて行ってくれるのではないでしょうか。

日刊スポーツスコア
中国新聞戦評
J's GOALゲームサマリー

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