昨夜行われた第17節神戸戦は、後半ロスタイムにPKを決められ痛い敗戦を喫しました。
柏木らU-20代表をカナダに送り出す最後の試合と言うことで、サンフレッチェは現状のベストメンバーで臨みました。
下田
森崎和 戸田 盛田
青山
駒野 服部
柏木 森崎浩
佐藤寿 ウェズレイ
SUB:木寺、槙野、高萩、李、桑田、高柳、平繁
対する神戸は新主将に就任した大久保嘉がキャプテンマークを巻いて登場し、GK:榎本、DF:石櫃(→茂木79分)、北本、河本、内山(→坪内45分)、MF:朴、ボッティ、田中、大久保嘉、FW:レアンドロ、近藤祐(→栗原61分)。立ち上がりはホームの神戸の積極性に押されるシーンがあったものの、11分のピンチを逃れるとその後は広島ペースになります。14分には森崎浩のパスで抜け出した駒野が左足でシュートしたもののバー直撃。こぼれを拾った佐藤寿のクロスに柏木が合わせましたが枠外に外れます。19分にはカウンターから田中に決定的なタイミングでシュートを許しましたがDFが身体を入れてクリアすると、21分、佐藤寿、ウェズレイが見事なワンツーで相手ゴール前に入り込み、ウェズレイがボールを柏木へ。完全にフリーになっていた柏木は落ち着いて叩き込み、久々に先制点を奪うことができました。
その後もボールの支配は広島。スペースへの走り込みやショートパスの交換などで相手を翻弄し、次々とチャンスを作ります。中でも42分のシーンは決定的で、柏木が右サイドをドリブル突破して左足でシュートすると、GKが弾いたボールを佐藤寿が倒れ込みながらシュート。ボールはゴールラインを割ったかに見えましたが、神戸DFの必死のクリアで得点できません。その他にも何度も駒野が鋭いクロスを入れ佐藤寿がニアに飛び込みましたが、わずかなタイミングのズレで点を取れずに推移します。前半は広島が攻守に圧倒したものの追加点を奪えず、最小得点差のままで後半を迎えることになりました。
このままでは終われない、と言うことで神戸の選手達は、後半は朴を高い位置に上げて3トップ状態で広島のDFラインにプレッシャーをかけてきます。そんな中、たまらずペナルティエリアの外でファウルして相手FKとなった後半3分。ボッティの正確なキックに下田が飛びついたもののわずかに及ばず、同点に追いつかれてしまいます。壁を作ったりする時間があったにも関わらず下田が十分に構える前に蹴られて決められると言うもので、ミスによる失点と言われても仕方のないものでした。
同点に追いついて勇気を取り戻した神戸。追いつかれて目を覚ました広島。この後は両チームとも激しい攻防を展開します。5分には駒野のシュートをGKが弾き、詰めていた柏木がシュートしましたがポスト。逆に8分と9分には、レアンドロと近藤が決定的なシュートを放ちますが枠外に外れて助かります。15分には駒野が右サイドを突破してクロス。こぼれを拾った森崎浩のクロスに佐藤寿がフリーで合わせましたが枠を捉えることができません。19分には佐藤寿がDFラインの裏に抜け出してGKと1対1になりましたが決めることが出来ず、21分にも右からのクロスを森崎浩がミドルで狙いましたがこれも枠外に外れます。しかし23分、駒野のクロスにウェズレイがDFと競り合いながら頭で流し込み、ようやく広島がリードを奪うことが出来ました。
その後は両チームとも気力の戦い。蒸し暑さと連戦の疲れから足が止まろうとするところを、必死で動かして攻めに、守りに走り回ります。そんな中の37分、下田のパントキックをはね返され栗原がダイレクトでDFラインの裏へ。これで抜け出した朴が独走してシュートを決め、残り時間の少ない中で同点に追いつかれてしまいました。
サンフは40分には波状攻撃から最後はウェズレイがヘディングシュートしたものの枠外に外れ、44分には柏木が低い位置からドリブルで仕掛けて相手ゴール前でFKを取ったもののウェズレイのキックはDFに当たるなどどうしても点が奪えません。逆に神戸はサンフの攻撃を凌ぐと危険なカウンターを何度も仕掛けてきます。そして後半ロスタイム、ウェズレイのシュートがGK正面を突いたところからカウンターを食らい、大久保がペナルティエリアの中から仕掛けます。これに対応した森崎和が大久保の足を払って痛恨のPK。自ら蹴ったボールに下田が反応して手に当てたものの勢いを止めることはできずボールはゴールネットへ。神戸の選手とサポーターが歓喜に沸く中で終了のホイッスルが吹かれ、サンフレッチェの選手達は頭を垂れるしかありませんでした。
この試合の展開はある意味鹿島戦と同じで、前半の内容を見る限りではまさか負けゲームになるとは考えもしませんでした。と言うか、何度も決定的なチャンスを作り後半途中まではリードを奪っていたわけで、鹿島戦以上に負けてはいけない展開でした。引き分けでも満足できないような試合で勝ち点を1も取れずに終わってしまったわけで、こんなことをしていたのでは上位進出など夢でしかない、と思います。ペトロヴィッチ監督が言うように「残念な結果だが、これもサッカー」なのは確かですが、しかしそれで終わらせてはならない。決定機を決めることができなかった攻撃陣。相手に流れを渡してしまった中盤。そして大事なところで失点を繰り返した守備陣。それぞれが自分たちの責任と問題点をしっかりと反省して次に修正しなければならないと思います。内容は良いのだが勝てない、と言う流れのままに徐々に成績が悪くなり、チーム全体の雰囲気も悪くなって立て直しできなくなる、と言うことだけは何としても避けなければなりません。
そのために必要な事は何か。やはり基本に返って、チーム全体で勝つと言う点で心を一つにすることではないかと思います。この日の相手の神戸は、3連敗の苦しい状況にありました。このホームゲームで負けてしまったら、そのままずるずる行ってしまうのではないか、と言う危機感がありました。松田監督によるとハーフタイムには「選手たちがロッカールームの中で...はっぱをかけ合うようないい雰囲気になった」のだそうです。そして「選手たちは最後まで魂を見せてくれた試合で、選手たちを非常に誇りに思う」と述べています。広島の選手が勝ちたいと思っていなかったわけではない、と思いますが、しかしその強さ、チーム全体での団結力と言う点で神戸の選手に上回られてしまったことが、この結果になった原因だと言わざるをえないのではないでしょうか。
いつも書くように、サンフレッチェは未だ成長途上のチームです。それは個人戦術やチーム戦術の面でもそうですが、それ以上にチーム全体の精神力と言うか、ゲームを読む力と言う点で物足りない点がまだまだ多い、と思います。ボールが良く回る時、チャンスを作れている時、相手に守りを固められて点が取れない時にどうすべきか。相手が逆襲してきた時にどう対応するか。そして流れを失った時にどう取り戻すのか。そこをチーム全体で臨機応変に対応できるようにならなければ、本当に強いチームになることはできません。1年前にはどん底にあったチームがここまで伸びてきたことは素直に嬉しいことですが、しかしそこで成長を止めてはならない。あの苦しい時にチーム一丸となって勝ち点を1でも取ろうとした「原点」を忘れ、また同じところに戻ってしまってはなりません。次節は柏木、槙野、平繁不在で戦わなければなりませんが、そんな時こそ残った選手が一丸となって、次こそ必ず勝ち点3を取りに行かなければならない。今こそここが正念場だと言う気持ちで、勝利に執着しなければならない時なのではないでしょうか。
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