昨日九石ドームでJリーグ第10節を戦ったサンフレッチェは佐藤寿、ウェズレイのゴールで大分を振り切り2連勝。順位を10位に上げました。
ダバツを怪我で欠くサンフは盛田が6試合ぶりに先発し、次の布陣で戦いました。
下田
森崎和 戸田 盛田
青山
駒野 服部
柏木(→高柳83分)森崎浩
佐藤寿 ウェズレイ
(→槙野89分)
SUB:木寺、吉弘、李、桑田、平繁
対する大分は、GK:西川、DF:三木、深谷、上本(→金崎55分)、MF:梅田(→森重83分)、アウグスト、根本、高橋、藤田、FW:高松、松橋優(→山崎45分)、と言うメンバーでした。中2日の連戦で疲れが溜まっているのか両チームとも動きが重く、立ち上がりはどちらもパスミスを連発し、なかなか有効な攻めが構築できません。大分は高松の高さと松橋優のスピードを生かすべく長いボールを中心にしてきますが、広島守備陣は落ち着いて対応します。最初のシュートは広島で、前半12分にウェズレイがDFラインの裏に抜け出したものの西川の正面。逆に大分はアウグストのCKが深谷の頭に合いましたが枠外に外れます。25分を過ぎた頃からサンフレッチェがペースをつかみ、ボールが良く回るようになります。31分には駒野のロングクロスを西川が取れず、こぼれを佐藤寿が強烈なボレーで狙いましたが西川がキャッチ。32分にはウェズレイのスルーパスで柏木が抜け出しましたが三木にカバーされます。そして35分、戸田からのボールを受けた青山が強烈なミドルシュート。これを西川が弾いたところに詰めていた佐藤寿が叩き込み、サンフは待望の先制点を奪うことが出来ました。
この後もペースは広島。37分には駒野が右からドリブルで切れ込んでシュートを狙いましたが目の前のDFに当たり、39分にはウェズレイが左から中央にドリブルで進んで振り返りざまに打ちましたが西川が好セーブ。CKからのこぼれを柏木が狙い、ファーサイドに佐藤寿が飛び込みましたがわずかに届きません。40分にもゴール前で細かく繋ぎ、佐藤寿のヒールパスをウェズレイがシュートしましたが枠外に外れます。前半のサンフは立ち上がりは悪かったものの途中から盛り返し、1-0と言う点差以上の内容差でハーフタイムを迎えました。
前半は機能しなかったツートップの一角を入れ替え、反撃を試みようとするシャムスカ監督。しかし後半の前半は広島ペースが続きます。4分には柏木がドリブルでペナルティエリアに進入して上本が必死でクリアする、と言うシーンを作り、その直後の森崎浩のクロスに佐藤寿は届きません。流れを変えたい大分は中盤に金崎を入れ、後ろを薄くして攻勢に出ます。13分にはアウグストのスルーパスが高松に通りましたが何とかクリアし、15分には高橋の強烈なシュートがゴールマウスを襲いましたが下田がワンハンドで弾きます。そして19分、高橋のクロスに飛び込んだ山崎のボールは何とかクリアしたものの、直後のCKのボールを金崎に流し込まれ同点に追いつかれてしまいました。
この後は両チームとも勝ち越しを狙った激しい攻め合い。21分には駒野のクロスを柏木がスルーし、その後ろに走り込んだ森崎浩が右足で狙いましたが大きく枠を外し、29分にはウェズレイのノールックパスを佐藤寿がシュートしましたが西川に止められます。大分のチャンスは32分で、高松の左足のシュートと高橋のヘディングがゴールを襲いますが下田ががっちりと抑えます。そして34分、ウェズレイが胸トラップから前を向きペナルティエリアに進入すると、三木に倒されPKを得ます。しかし主審がイエローを提示したのは藤田。2枚目のイエローと言うことで退場となり、人違いではないかと大分の選手は激しく抗議します。スタジアムが騒然とする中、ウェズレイは離れたところで心を落ち着けます。その甲斐あってかウェズレイは西川の飛ぶ方向と反対に蹴って、サンフは勝ち越し点を奪うことが出来ました。
1人少なくなった状況で追いかけなければならなくなった大分は、深谷を上げてどんどんロングボールを放り込んできます。38分にはFKのこぼれを金崎がシュートしましたが枠外に外れます。サンフも時折カウンターから勝ち越し点を奪いに行き、40分にはショートコーナーからウェズレイのシュートも西川がクリア。42分には高柳がミドルを放ちましたが西川にキャッチされます。サンフは佐藤寿に代えて槙野を投入し、高松を抑えて逃げ切ろうとします。ロスタイムにはウェズレイがタッチライン際でボールキープして時間を使って逃げ切り、今季初のリーグ戦2連勝をやり切りました。
この試合のポイントは、疲労が蓄積する中でどのように戦うか、と言うことだったと思います。中2日の連戦、雨の中でドームの屋根が閉まり、蒸し暑いピッチ。開幕から2ヶ月が過ぎて、疲労も溜まってくる頃だと言うこともあるでしょう。立ち上がりに両チームともミスが多かったのはそのためでしょうし、また後半のある時間帯に押し込まれたのもそれが原因だと思います。しかしそう言う苦しい状況の中でも、先に自分たちのサッカーを思い出したのはサンフレッチェでした。前半の得点シーンは青山の思い切ったミドルシュートからのものでしたし、その他にも2人目、3人目の動きを使った流動的なパスサッカーで何度もチャンスを作りました。なかなか2点目を奪えなかったため苦戦することになり、また審判の怪しいジャッジのせいで荒れた試合となってしまいましたが、しかし結果はほぼ実力通りだったと言って良いでしょう。大宮戦に続いて内容的に素晴らしいとは言えない試合ではありましたが、そんな中でも勝ち切れたのは実力があるからこそ、のこと。きっちりと自分たちのサッカーをやれば大丈夫だ、と自信を持って良いのではないかと思います。
この試合の結果、順位が2つ上がって10位になったサンフレッチェですが、勝ち点15となり首位との差が6となりました。疲れがたまっているのも、苦しいのも他のチームも同じこと。そこを乗り切る事でチームも成長し、そして上位進出も見えてくるのではないでしょうか。