第21節磐田戦
左足の故障のため3試合に欠場した駒野が先発に復帰。その他は鹿島戦と同じメンバーでこの試合に臨みました。
下田 森崎和 戸田 ダバツ 青山 駒野(→李71分) 服部 柏木 森崎浩 (→中里79分) 佐藤寿 ウェズレイ (→上野87分) SUB:木寺、盛田、高柳、前田対する磐田のメンバーは、GK:川口、DF:菊地(→犬塚64分)、鈴木、田中、服部、MF:太田、ファブリシオ、上田、福西、FW:西(→中山74分)、前田(→カレン86分)。序盤にペースをつかんだのは磐田で、3分には右サイドを崩され逆サイドでボールを持った前田に決定的なシュートを打たれますがバー直撃で何とか失点せずに済みます。その後もボールをつないで来る磐田に押されますが、しかし8分には左サイドに展開したボールを服部が持ち込んで強烈なミドルシュートもサイドネット。24分にもダバツの攻め上がりから服部が強烈なシュートを放ちますが川口の正面を突き、37分には森崎和の決定的なクロスに佐藤寿が飛び込みましたがクリアされます。磐田は福西が度々ゴール前に現れてシュートまで持ち込みますが下田が落ち着いて対処しゴールを許しません。42分にはカウンターからウェズレイが右サイドを破ってニアを狙ったシュートを打ちましたがサイドネット。44分にも相手バイタルエリア内でのパス交換から森崎浩が強烈なシュートを放ちましたが川口の胸に収まります。前半はボールは支配されながらもほとんど崩されることなく、逆に素早い攻撃が機能して広島ペースでハーフタイムを迎えました。
後半も最初にチャンスを作ったのは磐田で、4分に左右に振られて西にシュートを打たれますが枠外に外れます。そして6分、青山のロングパスでDFラインの裏に抜け出した佐藤寿が川口を交わしてシュート。磐田のDFが必死で戻ってクリアしたもののボールはゴールラインを割っていて、サンフは良い時間帯で先制点を奪う事ができました。
その後もしばらくはサンフのペースで、9分には左から突破を図った佐藤寿が倒されましたがノーファウル。10分には波状攻撃から佐藤寿が、ウェズレイが決定的なシュートを放ちましたが決めきれません。15分には森崎浩から柏木、駒野とつないで深い位置からクロスを入れましたが味方に合わず、17分には柏木が遠目から狙いましたが枠外に外れます。何とかしたい磐田は選手交代で体勢を整えると、後半の後半から反撃に出ます。24分には福西のシュートから波状攻撃を受けましたがオフサイドに逃れ、30分と31分には前田が頭で合わせましたが枠外に外れて事なきを得ます。高い位置でボールを回されてピンチを招くようになって、ペトロヴィッチ監督は中里を投入して福西を抑えようとします。そんな中の後半36分、ワンチャンスを生かしたのはサンフでした。高い位置で相手ボールをカットしたウェズレイがそのままDFラインの裏に抜けて独走し、川口を十分に引きつけて右にパス。ここに走り込んでいた佐藤寿が丁寧に左足インサイドで押し込んで、待望の追加点を奪う事ができました。
これで尻に火がついた磐田は、どんどん広島陣内に入って来てプレッシャーをかけます。37分には中山の落としから前田。42分にはFKから福西。44分にはカウンター返しから決定機を作られますが相手のミスに助けられます。しかしロスタイム、ミスからボールを奪われると右サイドを破られ、最後は上田のシュートが中里に当たってゴールに飛び込んでしまいました。更にその直後にも上野のタッチが流れたところを奪われてクロスを入れられ、ペナルティエリア内でもつれて倒れましたが主審はホイッスルを吹かず助かります。そしてそのままロスタイムの3分を消費してタイムアップ。サンフは鹿島に続いて磐田を破り、2連勝で順位を14位に上げました。
新監督が就任してリニューアル中の両チーム。夏場の連戦で疲れが出てくる中で、自分たちのサッカーを表現できていたのはサンフレッチェの方でした。戸田を中心としたDFラインは細かくポジションを修正して相手にスペースを与えず、青山、森崎浩、柏木の3人はアグレッシブに動き回って中盤をケア。そしてウェズレイにボールが入ると攻撃のスイッチが入ってどんどん前に飛び出して行きました。ボールは繋ぐものの崩しのアイディアのない磐田に比べてサッカーの質は上で、この結果は順当だったと言って良いでしょう。ペトロヴィッチ監督は試合後に「みんな良く私のサッカーを吸収してくれた」と語っていますがまさにその通り。2ヶ月の間チーム一丸となって新しいサッカーに取り組み、なかなか結果が出ない中でも我慢したことがこの勝利に結びついたのだ、と思います。順位はまだ14位で残留争いを抜け出したとは言えませんが、苦しい状況の中で鹿島と磐田に連勝できたことは自信になったはず。久々に一体になって応援を繰り広げたサポーターともに歓喜を味わえたことは、今後のサンフレッチェにとっては非常に大きな勝利だったと言って良いのではないでしょうか。追加点を取れるチャンスに突き放せなかったことや、終盤にバタバタしてしまったことなど課題は残りましたが、しかしそれは徐々に解決していけばいい。今週末は代表の活動のために試合はありませんので、その間に身体のケアと戦術の熟成をして、9月以降の戦いに備えて欲しいと思います。
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