雨の降るビッグアーチで行われた昨日のJ1リーグ戦第12節福岡戦は、終了間際の駒野のゴールで逃げ切りホームゲームでの今季初勝利を挙げました。
ウェズレイを出場停止で欠いて、望月監督は森崎浩を入れて3ボランチ気味の布陣で戦いました。
下田
吉弘 小村 盛田
駒野 服部
戸田
ベット 森崎浩(→高柳71分)
(→八田89分)
上野 佐藤寿
SUB:木寺、李、中里、橋内、桑田
対する福岡は、GK:神山、DF:中村(→宮本62分)、金古、千代反田、アレックス、MF:宮崎、布部、吉村(→川島75分)、古賀、FW:田中(→薮田45分)、グラウシオ。強い雨が降り続き滑りやすいピッチ状態もあって、お互いにミスの多い展開が続きます。立ち上がりにセットプレーからチャンスを作ったのに続き、6分にはベットがミドルシュート。7分にも森崎浩と服部のコンビネーションで左サイドを崩し、その後のCKのチャンスからベットが狙いましたが枠外に外れます。逆に10分には右サイドを崩され中央から吉村が走り込んでフリーでシュートしましたが下田がスーパーセーブで凌ぎます。サンフレッチェは佐藤寿が厳しいマークを受けてなかなか良い形に持ち込めなかったものの、森崎浩とベットが激しく上下してボールを追い回し、積極的にミドルシュートを狙います。42分には駒野のアーリークロスを上野が落とし、森崎浩がダイレクトで狙ったものの惜しくもGK正面。45分には森崎浩の曲がり落ちるFKのボールに一斉になだれ込みましたが、シュートまで行けません。前半はお互いになかなか崩せなかったものの、若干広島有利の展開で折り返しました。
後半もメンバーを代えずに臨んだサンフに対して、福岡の松田監督は「前半から機能していなかった」と言う田中に代えて薮田を投入します。それでも立ち上がりは広島ペースで、3分にはセットプレーの連続から福岡ゴールを脅かし、9分にも盛田にフリーでのシュートチャンスがありましたが空振りしてしまいます。その後も何度か攻め上がったものの攻め切れず、徐々に運動量が落ちて福岡の逆襲を受けます。14分には吉村のボレーシュート。19分にもクロスのこぼれを古賀にシュートされ、21分にも波状攻撃を受けましたが下田とDFが必死で踏ん張ります。26分には古賀?のFKが吉弘の頭に当たってコースが変わりましたが、このボールは枠外に外れて事なきを得ます。35分にも古賀のFKがゴールを襲いましたが、下田がワンハンドで触ってバーに逃れます。更に39分には福岡の右からのクロスに川島がボレーで合わせましたが、これも下田がセーブ。押し寄せる福岡の攻撃を必死で耐える展開が続きます。そんな中の後半40分、中盤から上がった高柳がドリブルで2人をかわしてペナルティエリアへの侵入を図りますが、宮本に倒されてFKのチャンスを得ます。円陣を作って作戦を練る選手たち。長い打ち合わせが終わって、ポイントにベットと駒野が立ちます。蹴る気満々に見えたベットでしたが、しかしそれは演技でボールの上を走り抜けるとその後から駒野が右足を振り抜きます。強烈なストレートボールは寿人が作った壁のわずかな隙間を抜け、GKの脇をもすり抜けてゴールネットに突き刺さり、待望の先制点を奪うことに成功しました。そしてその後同点を狙って来た福岡の攻めは選手全員が身体を張って守り切り、サンフレッチェは開幕から2か月目にしてようやくホーム初勝利を挙げる事ができました。
この試合のポイントの一つは、おそらく試合前にあったものと思われます。前節の戦いぶりを見た福岡は「スタッフが広島戦を分析して対策を立てて」「外から攻めて1タッチ、2タッチで中に切り込んでスルーパス」(布部〜
J's GOALによる)と言う形を狙ってきました。またサイドに引きつけて中央からミドルで狙う、と言う形も多用してきました。しかしそれに対して望月監督は大宮戦のようにトップ下は置かず、森崎浩とベットが左右をケアする3ボランチ気味の布陣を採用。サイドから良いボールを入れさせないような戦い方を選択しました。後半は運動量が落ちたところを突かれて危うい場面が増えたものの、DFラインの裏を使われるシーンはほとんどありませんでした。攻めの形があまりない、と言う点は相変わらずでしたが、少なくとも90分を通して失点しないと言う点でのミッションは貫徹できました。それをチーム全員の力でやり切ることができたことが、2試合連続無失点、そして2試合連続の勝ち点3に繋がったのだろうと思います。
開幕から2ヶ月、なかなか勝てない時期が続き、監督の辞任もありました。その後を継いだ望月監督のもとで戦術の大きな変更があり、サポーターも選手も悩みが深かった、と思います。しかし選手たちはとりあえずその疑問を封じ、心を一つにして戦ったのだろう、と思います。苦しい中でも気持ちを切らすことなく、団結して戦ったからこそこの結果につながったのは間違いない、と思います。そしてとにかくゴール前にブロックを作り、集中力を切らさなければある程度は守れるし、また「個の力」を使えばある程度の点が取れる、と言うことも分かったのは収穫でした。決して格好の良いサッカーではありませんが、しかし局面に応じて勝利に徹する事が必要なのはどの国のどのリーグでも同じこと。この4試合の経験は、勝ち点7で15位に上がった、と言う事以上のものをチームにもたらした、と言えるかも知れません。ここを出発点とした、新監督の元での新たな戦いに期待したい、と思います。