昨日の第4節京都戦は、開始早々の失点を取り返して逆転まで持って行ったものの追いつかれ、またもや勝ちを逃すことになりました。
ジニーニョを出場停止で、森崎和を体調不良で欠くサンフは、中2日ということを考慮してかウェズレイも温存して次の布陣で戦いました。
下田
駒野 吉弘 小村 服部
戸田
李(→森崎浩80分) ベット
大木(→高柳65分)
佐藤寿 上野(→ウェズレイ54分)
SUB:木寺、盛田、桑田、青山
対する京都のメンバーは、GK:平井、DF:大久保、リカルド、鈴木悟、児玉、MF:米田(→林69分)、斉藤、星(→渡邊67分)、美尾、FW:パウリーニョ、田原(→アレモン60分)。立ち上がりから積極的に行ったのはサンフでしたが、一瞬の隙を突かれて失点します。吉弘のクサビのパスを奪われ右に展開され、大久保のアーリークロスはDFが頭で弾きます。しかしそのボールを拾った斉藤がワントラップから振り向きざまにシュート。これが飛びつく下田の脇を抜き、4試合連続で先制点を許すことになりました。サンフは7分にCKをベットがフリーで頭に合わせ、これを地面に叩きつけすぎて外すと言う決定機を作りましたが、全体的に新布陣がうまくいっていない、と言う感じ。相手のバイタルエリアにボールが収まらず、ロングクロスを放り込んでははね返される、と言う展開が続きます。逆に京都はパウリーニョに当てて中盤が拾い、スルーパスかサイドからの突破で裏を狙うと言うシンプルな攻撃が当たります。しかしサンフも17分の服部の強烈なミドルシュートを反撃の合図にして、徐々に押し返します。28分には李のクロスに大木が頭で合わせましたが惜しくも枠外。32分にもベットのドリブルから李がシュートまで持ち込みましたがGKの正面。36分には上野のシュートから波状攻撃を仕掛け、最後はベットが胸トラップから右足で強烈なシュートを放ちましたが枠を捉えることはできずバーを叩きます。逆に39分にはゴール前で左右に振られ、最後はパウリーニョにフリーでシュートを打たれましたが吉弘がゴールラインの上でクリア。42分にもパウリーニョにミドルシュートで脅かされます。ボールを回して相手を切り崩そうとするサンフに対してカウンターからの速い攻撃でゴール前に迫る京都と言う、そんな一進一退の均衡を破ったのは佐藤寿の個人技でした。ルーズボールをベットがワンタッチで前へ。これに反応した佐藤寿が左足で強烈なシュートを叩き込み、サンフは同点で前半を折り返すことができました。
後半は立ち上がりから広島ペース。2分には駒野のクロスを左サイドで受けた佐藤寿が、角度のないところから強烈なシュートでゴールをこじ開けます。更に5分には上野のポストプレーから駒野のクロスを佐藤寿が完全に頭で合わせましたが、狙いすぎたのか惜しくも枠外。圧倒的に攻め込んで3点目も時間の問題か、に見えました。ここで小野監督は満を持してウェズレイを投入し、3試合連続得点中の勢いに賭けますが、しかし昨日はこれが裏目。かえって前線でボールが落ち着かなくなり、京都の反攻を許します。アレモンを入れ、更に林を入れて攻勢を強める京都。サンフも20分に大木がシュート。24分には高柳のボール奪取からパスを繋いでベットがクロスを入れ、これにウェズレイが完璧に頭で合わせましたが枠外に外れます。そして30分、ついに得点を奪ったのは京都でした。サンフの右サイドをパウリーニョが破ると鋭いクロス。これはGKが弾きましたがファーに流れたところにいたのが林。右足のシュートは下田を抜いてゴールネットに沈みました。
何とか勝ち点3を奪いたいサンフは、途中交代で入った高柳と森崎浩がリズムを作って攻め込みます。相手ゴール前で細かくパスをつないで39分には高柳がシュート。40分には森崎浩のFKを戸田がフリーでシュート。こぼれを吉弘が狙いましたが枠を捉えることができません。ロスタイムにもスローインから波状攻撃を仕掛けますが、京都は堅い守備からはね返してロングボールを前線に入れます。広島陣内でボールを追うアレモンと駒野、ここに飛び出した下田。下田が一瞬早くボールに触り、その直後にアレモンと激突して倒れますが、何とこのプレーで下田にレッドカード。先にボールに触った選手を決定機阻止と判断すると言う不可解な判定で、サンフはGKを失っただけでなく相手に良い位置でのFKを与えることになってしまいました。交代枠を使いきっていたため小村が木寺の黄色いユニを着てゴール前に立ち、ほとんどの選手が壁を作ります。そしてパウリーニョのボールが壁に当たってDFがクリアしたところで試合終了の笛。両チームとも全力を出しきった試合は後味の悪い幕切れとなりました。
ジニーニョ、森崎和の欠場に加えてウェズレイ。チームの「背骨」にあたる3人が欠場した試合だったにしては、内容も結果もまずまずだったと言えるかも知れません。少なくとも序盤に吉弘が落ち着かず、前線にボールが収まらずに苦労していた、と言う展開から途中で立て直して押し返したところには、これまではあまり見られなかったチームとしての「成熟」が見て取れるように思います。特に後半立ち上がりの10分間と同点に追いつかれてからの15分間は、勝ちたいという気持ちがチーム全体から迸るような戦いを見せてくれて、このチームの前途に対する光明が見えたような気がします。相手がJ2から上がって来たばかりのチームだと言うことを差し引いても、サンフレッチェが潜在的に持っているポテンシャルの高さの一端を見せた、と言って良いだろうとは思います。
ただそう言う状況だったにも関わらず、結局のところ勝ち点1を取るのがやっとだった、と言う事実には目を背けてはならない、とも思います。京都の「まずは外国人FWに当てて起点を作って展開する」と言うシンプルな攻撃に対応しきれず、得点シーン以外にも何度も決定機を作られてしまった、と言う事実。素早く引いて守る相手の布陣を打ち破れなかった、と言う事実。そしてここぞと言うところで突き放せなかったと言う事実。それらの事実の積み重ねが「引き分け」と言う結果に繋がったわけで、これは主審の不可解な判定があろうがなかろうが関係ないことでした。キャンプからここまで新しい戦術の熟成を目指したやってきたサンフですが、しかしキャンプ中から「勝ち」と言う結果が出ていないのも確か。そしてそれに加えてリーグ戦でも4試合目まで勝てていないわけで、これらは選手たちの精神状態にボディブローのように効いているのではないか、と心配です。京都戦ではその采配によってかえって勝ちを逃した、とも言える小野監督。彼が次節に向けてどのように立て直すのか。次のG大阪戦とその次の新潟戦あたりが、監督にとっての最大の正念場になるような気がしてなりません。