フィオレンティーナ戦
代表招集のため李、駒野を、また怪我のため森崎浩を欠いたサンフは、今季初めて吉弘を起用して次の布陣で臨みました。
下田 小村 ジニーニョ 吉弘(→西河35分) 服部 森崎和 茂原(→高萩45分)ベット 大木(→桑田68分→盛田89分) ガウボン 佐藤寿 (→茂木76分) SUB:上野、吉田、木村2日前にC大阪戦を戦ったばかりのフィオレンティーナはメンバーをがらりと入れ替えて、GK:セハス、DF:ウィファルシ(→バチス62分)、ビアーリ、サビーニ、パスクアル、MF:ギグー、エルゲラ、中田(→パッツィーニ54分)、FW:ブリーザス(→ボジノフ66分)、リガノ(→ファンティーニ)、ヨルゲンセン。かなり良くなったとは言えデコボコの目立つビッグアーチのピッチでしたが、ここで両チームはそれぞれ持ち味を発揮します。サンフは森崎和からのロングパスで服部や佐藤寿がラインの裏を狙い、またベットが運動量と高いキープ力でボールを前に運んでチャンスを作ります。7分には森崎和のスルーパスで抜け出した服部が深い位置からクロス。その後のベットのFKに森崎和が頭で合わせて東京V戦、神戸戦と同様のゴールを狙いましたが枠を外れます。フィオは途中から4-4-2に変更し、主に左サイドに張ったヨルゲンセン、パスクアルがサンフの右サイドを狙って攻めてきましたが、ジニーニョを中心にした広島の守備陣はゴール前の制空権を渡さずしっかりと守ります。27分にはカウンターから中田が持ち上がり、ヨルゲンセンが左サイドから強烈なシュートを放ちましたが、ポストを叩いたボールはゴールラインを割ることなく事なきを得ます。30分には吉弘のミスから逆襲を受けリガノがヘディングシュートを打ちましたが枠外。32分にもパスクアルのロングクロスがゴール前でイレギュラーしましたが、下田が落ち着いてキャッチします。サンフは高い位置からのチェイシングでボールを奪い、速いパス交換からシュートを狙いましたが長身揃いのフィオのDFラインを崩すことはできず、ロスタイムにベットがドリブルからシュートを放ったもののこれもGKにキャッチされて前半を終了しました。
後半からサンフは3バックに変更し、高萩を右のMFに入れて再構築を図ります。そしてこの戦術変更が大当たり。後半4分にはベットのスルーパスで抜け出した佐藤寿が深い位置からクロスを入れたのを手始めに、ゲームを支配します。10分と14分には中盤でボールを受けたガウボンがドリブルから強引にシュート。21分には後方からのロングボールを受けた佐藤寿が突破を図り、22分には速いパス交換からフリーになった高萩が思い切ってシュートを放ちましたがGKのセーブに阻まれます。その直後にはベットのクロスに小村が頭で合わせましたがわずかに枠外。高萩は25分にも思い切ってロングシュートを放つなど伸び伸びとプレーします。28分にはベットのFKを佐藤寿が頭で逸らせたボールがゴールマウスを襲いましたがGKがナイスセーブ。その直後にも西河がヘッドで狙いましたが外れます。そして36分には高萩のロングパスで抜け出した茂木がダイレクトシュート。GKは見送るしかないスーパーなシュートでしたがボールは惜しくもバーを叩きます。サンフは波状攻撃で相手にチャンスも作らせませんでしたが、しかし一瞬のチャンスをものにしたのはフィオでした。後半40分、右サイドからボールを持ち込んだファンティーニがジニーニョを抜き、西河もかわして深い位置からクロス。これを中央に走り込んだヨルゲンセンに、フリーでヘディングシュートを叩き込まれてしまいました。
何とか点を取りたいサンフは、その後茂木の抜け出しや盛田へのロングボールでチャンスを作ろうとします。しかしフィオのDFラインは最後まで崩れず、サンフは惜しい試合を落としました。
「HOT6」を終えたばかりで駒野と李がいないサンフに対して、シーズン前の調整段階でサブメンバーが中心のフィオ。荒れたピッチや蒸し暑い気候も考えれば凡戦になる可能性も十分にあった、と思います。しかし昨日のビッグアーチで展開されたのは、なかなか見応えのあるサッカーでした。「胸を借りるつもりはない。勝ちに行く」と言う小野監督の宣言通り、サンフは最初から最後まで積極的に自分たちの持ち味を出そう、としていました。相変わらず堅い守備を見せた下田、ジニーニョ、小村の守備陣。落ち着いたプレーを見せた森崎和やベット、大木、服部。更にアグレッシブなプレーでゴールを狙った佐藤寿やガウボン。彼ら中心選手の奮闘に、西河や高萩、茂木、桑田ら若手選手たちも思い切ったプレーを見せてくれました。小野監督は特に詳細な相手の分析をすることなく自由にプレーさせていたそうですが、そんな中でもサンフレッチェの「良さ」を十分に表現できていたと思います。それがプランデッリ監督の「(広島は)とても組織されているいいチームだ」、ヨルゲンセンの「素晴らしいチームだと思う。非常に強いチームだ」と言う評価(もちろん、ある程度の外交辞令はあったでしょうが)につながったのではないでしょうか。2002年のアイルランド戦以来久々の海外の強豪との親善試合でしたが、今のサンフレッチェにとっては得るところの多いゲームだった、と言えるでしょう。来年以降もぜひまた、このような機会を作って欲しいと思います。
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