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2005/05/05

第10節千葉戦

昨日市原臨海で行われたJリーグ第10節ジェフ千葉戦は、前半に佐藤寿のゴールで先制したものの後半追いつかれ、引き分けに終わりました。
 ベットが出場停止と言うことで高柳を今季初めて先発起用し、またガウボンも温存して次の布陣でスタートしました。
       下田

   ジニーニョ  小村
駒野            服部
       森崎和
  茂原        高柳
       大木(→茂木73分)

 ジョルジーニョ 佐藤寿(→森崎浩57分)
 (→ガウボン35分)

SUB:上野、吉田
 対する千葉は前節と同じメンバーで、GK:櫛野、DF:斎藤、ストヤノフ、結城(→滝澤55分)、MF:坂本、阿部、佐藤勇、羽生(→山岸76分)、水野、FW:ハース、巻(→林45分)。強い風が吹く中で前半風下を取ったのが千葉。両チームとも身体の重さは否めない、と言う感じでしたが、それでもどちらもパス交換からスペースを突いてサイドからクロス、と言うパターンで崩そうとします。そんな中で最初に決定機をつかんだのが千葉。前半13分、左サイドでのパス交換から中央にクロス。巻が抜け出してシュートしようとしましたが飛び出した下田と交錯します。そのこぼれ球をハースがシュートしましたがヒットせず、ピンチを逃れました。逆に18分には広島のチャンス。駒野のFKは弾かれたものの茂原が拾ってCKをもらいます。そしてそのボールもクリアされたものの右サイドの深い位置でボールを拾った駒野が鋭いクロス。飛び出した櫛野は触れずファーでDFと競り合いながら飛んだ佐藤寿が押し込み、2試合連続ゴールを決めました。
 その後は一進一退の攻防。千葉は坂本が左右にポジションチェンジしながらクロスを入れ、阿部のパスなどでサンフのDFラインを脅かします。逆にサンフは佐藤寿が何度もDFラインの裏に抜け出しチャンスを作ります。34分にはDFラインからのボールで抜け出した佐藤寿がダイレクトでシュート。櫛野が弾いたものの詰める選手がなくチャンスを逸します。前線にボールが収まっていない、と見た小野監督は、イエローを1枚もらっていたジョルジーニョを前半途中でガウボンに交代させ、攻めの圧力を強めます。前半終了間際は広島ペースで何度か左右からクロスを入れたものの中央にわずかに合わない、と言うパターンが多く、追加点を奪えないままにハーフタイムを迎えました。
 ハーフタイム、「苦しい時間帯を我慢しろ」と言う指示だった小野監督に対してオシム監督はかなり厳しい言葉をかけていたようで、「走りすぎても死なない」からもっと走れ、とコメントしたのだそうです。そしてそれを受けて千葉の選手は序盤から積極的に前に出てきます。5分には阿部のロングシュートを下田が横っ飛びでキャッチ。8分にもハースがミドルシュートで脅かします。その後も千葉は豊富な運動量で走り回り、セカンドボールを拾って波状攻撃を仕掛けてきます。小野監督は足を痛めた佐藤寿に代えて森崎浩を入れ、中盤を厚くして対抗しようとしますが、その直後に右サイドの崩しから阿部にヘディングシュートを決められ同点に追いつかれてしまいました。
 その後も攻める千葉、守る広島。サンフは千葉の速いプレッシャーに落ち着いてボールをつなぐ事ができず、相手ゴール前に持って行ってもストヤノフを中心とした守備陣に抑え込まれます。20分には駒野のクロスに後ろから走り込んだ高柳がシュートを放ちましたが、なんと後半のシュートはこの1本だけ。逆に千葉の後半のシュート数は15本で、いつ2点目を奪われても不思議ではない、と言う展開が続きます。しかしサンフの守備陣は高い集中力で千葉の猛攻を凌ぎ、ジニーニョが痛んだため1分伸びたロスタイムも何とか耐え忍び、やっとのことで勝ち点1をゲットしました。
 過密日程と夏を思わせるような暑さ。テレビで見る限りではどこのゲームでも選手たちの身体の重さは明らかで、いずれもあまり得点が入らない「ロースコアゲーム」になって一万ゴールがお預けになったのはそのせいだと思います。この試合も前半はそんな感じで、どちらも動かない身体を鞭打って気力を振り絞って動いているというように見えました。しかし、オシム監督にとってはどうやらそうではなかったようで、疲れているのは相手も同じなのだからもっと走れ、と指示し、その通りに選手も走るのですから恐れ入ります。後半の広島は普通に?疲れて動けなくなっていたのに対して、千葉はまるで加速装置をオンにしたかのように走り回りました。小野監督は試合後に「なんとか勝ち点3を取るというふうに思っていた」と語っていますが実際のところはどうでしょう?おそらく「全員の力で勝ち点1をもぎ取った」と言う言葉の方が本音なのではないでしょうか。少なくともベットが不在、前田も広島に置いてきて、ジョルジーニョと高柳を先発起用した試合で負けなかった事はポジティブに捉えて良いのではないか、と思います。
 その一方で、やはり千葉と比較して内容的に負けていた、と言う点は認めざるをえないように思います。ダイナミックなスペースランニングと二人目、三人目の連動した動き。ショートパスとロングパスを組み合わせたリズミカルなパス回しと、機を見たドリブル突破。小野監督のサッカーもまた同じところを目指しているのだろう、と思うのですが(そしてそれもある程度は成功していると思うのですが)、千葉の完成度の高さには本当に感心してしまいました。オシム監督の技術的、戦術的な指導の質の高さは言うまでも無いことですが、それ以上にメンタル面でのケアがうまく行っているからこそ、「もっと走れ」と言うシンプルな指示が効果を生むのではないかと思います。オシム監督は試合後に「うちに足りないのは、選手個々の質」だったから勝てなかった、とコメントしていますが、それはある意味広島にとっても同じでしょう。素質のある選手が多いとは言っても、まだまだ成長の途上。そんなチームが勝ち点を積み重ねていくためには、もっともっと組織力を高め、メンタルを鍛え、チームとしての総合力を高めて行くしかないのだと思います。次節は2年連続チャンピオンの横浜FMが相手ですが、自分たちが挑戦者の立場であるということを思い出して、千葉のように最後まで走り抜くサッカーを見せて欲しい、と思います。

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