昨日の鹿島戦はまたも得点が奪えず、逆に野沢に久々のゴールを許してリーグ戦初の敗戦を喫しました。
得点力不足に悩むサンフは、ガウボンを外してジョルジーニョを初めて先発させて、次の布陣で戦いました。
下田
ジニーニョ 小村
駒野 服部
森崎和
茂原 ベット
茂木(→佐藤寿77分)大木(→高柳84分)
ジョルジーニョ(→前田65分)
SUB:上野、池田
対する鹿島は、GK:曽ヶ端、DF:大岩、新井場、岩政、内田(→アリ87分)、小笠原、本山(→深井71分)、フェルナンド、青木、FW:アレックス・ミネイロ(→田代80分)、野沢。どうしても勝ちが欲しいサンフは、立ち上がりから前からプレッシャーをかけて積極的に攻めに出ます。大木が、茂原が、ベットが高い位置でボールを奪って前線に送り、ジョルジーニョや茂木が走り込んでチャンスを作ります。7分にはジョルジーニョが強引にシュートを狙い、そのこぼれを茂原がロングシュート。続いて左からのスルーパスを右のスペースで受けた茂原がミドルシュート。11分にも大木のパスを受けたベットがドリブルでペナルティエリアに侵入しましたがDFに止められます。そして最も象徴的なシーンが前半13分で、バックパスを足で受けた曽ヶ端が自陣ゴール前でキープしているところに茂木が猛然と襲いかかり、曽ヶ端が蹴り出そうとしたボールが茂木に当たって惜しくももう一歩でゴールに入ると言うシーンを作り出します。そして14分には中盤で激しいチェイシングでボールを奪ったジョルジーニョがそのままドリブル突破。左にボールを流すとそこに走り込んだ大木が強烈なシュートを放ちましたが、ボールは曽ヶ端が弾いてゴールネットを揺らせません。前半20分は完全に広島の流れで、足りないのはゴールだけ、と言う展開でした。
しかし、そのペースがずっと続くわけもないのがサッカー。疲れから足が止まり出すと、空いた中盤のスペースを鹿島に繋がれるようになっていきます。22分に小笠原がミドルシュートで反撃の合図を出すと、35分には小笠原のワンタッチパスでDFの裏に抜け出した本山がフリーでシュートしてクロスバーを叩きます。フェルナンドのFKは危ういところで下田が弾き、アレックス・ミネイロが反転して放ったシュートは下田が正面でキャッチします。30分以降はこちらのシュートが1本だけだったのに対して鹿島は6本。苦しい展開になりましたが何とか凌いで、前半を0-0で折り返しました。
「自分たちのサッカーを継続しよう」と言う小野監督の檄を受けて、サンフは後半立ち上がりからまた積極的に前からプレッシャーをかけて戦います。そして8分には茂原のパスにジョルジーニョが走り込んで相手陣内でマイボールにし、CKからこぼれ球を拾ったベットがミドルシュートを放ちましたがバーを直撃。続いて森崎和のシュートは枠外に外れ、CKから大木がヘディングしたボールはDFが手に当ててクリアしたように見えましたがファウルを取ってもらえず、11分にもベットが強烈なミドルシュートを打ちましたがGKが弾き、その後のCKのボールをファーで受けた駒野がシュートしましたが止められます。更に15分には駒野の速いクロスに走り込んだジョルジーニョが、ファーサイドでボレーで合わせようとしましたが枠外に外れます。何度も決定的チャンスを作りながら決めきれないサンフ。そして前線からのプレッシングはやはり途中までしか続かず、15分以降はまたもや鹿島にペースを奪われます。17分にはフェルナンドが強烈なミドルを放ちましたが下田がキャッチ。20分には右からのクロスに本山が頭で合わせます。22分にも野沢のクロスにアレックス・ミネイロが頭で合わせますが小村が身体を寄せます。サンフも前田がドリブルで突っかけ、駒野のクロスに茂木が合わせようとするなど点を取りに行きますが、もう一歩のところで届きません。そして後半25分、左サイドをドリブルで進んだ本山がスルーパス。これをスペースに走り込んだ野沢が蹴り込んだボールには下田も反応が及ばず、ついに先制点を許してしまいました。
その後、焦ってDFラインの裏を狙ってロングボールを蹴り込むサンフの攻撃に対して鹿島は冷静に対応。DFがはね返すと中盤をつないですぐに広島陣内に戻ってきてしまいます。27分にはフェルナンドがロングシュート。31分には深井がドリブルからシュートを打ってきましたが下田が横っ飛びでクリアします。33分にもアレックス・ミネイロのシュートを下田が何とかクリア。その後もボールを支配されて苦しい時間帯が続きます。サンフは前田がチャレンジを繰り返し、ドリブルで打開しようとしますが鹿島の集中した守備に水際で止められます。45分に茂原が倒されて得たFKのチャンスでも前田が蹴ってこぼれに森崎和が詰めましたが及ばず、どうしても点が取れないままに90分が終わってしまいました。
この試合、前半も後半も立ち上がりから20分は広島ペース、その後の25分は鹿島のペースと言う展開でした。どちらも自分たちの時間帯にはやりたいサッカーを表現できていてそれぞれでビッグチャンスを作り出し、あとはシュートがどこに行くか、と言うだけの違いだったように思います。そう言う意味では、広島と鹿島の間には、ゴールネットを揺らしたか揺らさなかったかの差しかなかったと言えるでしょう。
ただゲーム全体の流れからいえば、広島の攻勢をがっちりと受け止めて我慢して、自分たちの流れを勝利に結びつけた鹿島の思い通りのゲームだった、と言うのもまた間違いないところでしょう。広島は上位チームに対して奇襲を仕掛けて少しは慌てさせたわけですが、倒すには至らなかった。これを実力通りと言うのは悔しいのですが、しかしそう言わざるをえないと思います。
思このような差が出てしまったのは、結局のところチーム全体に余裕があるかないか、ということなのではないかと思います。3試合で2勝1分けで2位に付ける鹿島は、いつかは点が取れると言う自信がある。またここは守るべきところ、攻めるべきところだというゲームの流れを読む事ができる。それに対して「自分たちのサッカーが出来ている」とは言えここまで勝ちがないサンフは、とにかく行けるところまで行くと言う感じ。そこで点が取れれば展開も違っていたのでしょうが、それができずにゲームプランが崩れてしまって、修正できずに終わってしまいました。後半の後半、前線に高い選手が居ないのにも関わらずロングボールを放り込んでははね返されてしまうと言う単調な攻撃に終始したのは、別に戦術の理解度が低いからとか相手に抑えられてしまったからとか言うわけでは無いと思います。やはり勝てていない、点が取れていない焦りから、あのような戦い方になってしまったように思えてなりません。
ナビスコ杯も含めて6試合戦って3分け3敗と言う現状に、焦るなと言っても無理でしょう。特に今年は優勝争いに絡むことが目標だっただけに、スタートダッシュに失敗してしまったと言う現実は、悔やんでも悔やみきれないことばかりです。しかし、この結果は結果として受け入れるしかない。その中で今何をすべきか、をよく考えるしかないのです。
勝てないのは確かですが、点が取れないのは確かですが、しかしどうしようも無いほど悪いのか、と言うとそんなことは絶対にありません。昨年と比較すれば攻撃のバリエーションは増えているし、決定機の数も増えています。つまらないミスから点を失うことだって少なくなっています。「やっているサッカーは悪くない」と言うのは別に自分たちだけが勝手に思っているだけではなくて、解説者など第三者も異口同音に語っています。
今一番怖いのは、自分たちがやっていることに対する確信を失ってしまうことだ、と思います。焦りが更なる焦りを呼んで、やろうとしていることが崩れてしまうことだと思います。どんなに強いチームでも、長いシーズン中に一度や二度は苦しい状況に陥るもの。それがサンフの場合には、たまたま最初に来たのだと思えばいいのではないでしょうか。実際ここまで対戦してきた相手は、どちらかと言えば強豪ばかり。清水を除けば、前年度広島よりも上位で監督も代わっていないチームばかりです。そこに勝てなかったからと言ってそれほど悲観する必要はなく、むしろ内容に自信を持つべきなのではないか、と思うのです。
今週は水曜日、土曜日と試合が続きます。はっきり言って、落ち込んだり迷ったりしているヒマはないのです。このまま続ければ、いつかは必ず勝てるようになる。そう信じて、戦い続けるしかないのです。そして我々サポーターがやるべきことは、選手たちとスタッフを、励まし続けることだけなのではないでしょうか。