昨日のナビスコ杯第2節は、圧倒的に攻めながらも決める事ができず、逆にワンチャンスを決められ0-1で敗れました。
昨日のメンバーは、これまでの3試合から2人を入れ替えて次のような感じだったものと思われます。
下田
ジニーニョ 小村
駒野 服部
森崎和
茂原 ベット
茂木(→佐藤寿61分)大木(→盛田82分)
ガウボン
SUB:上野、池田、高萩
携帯サイトの試合経過を見ると、前半から一方的なサンフレッチェペース。15分にはベットのCKを茂木が落とし、ガウボンがゴール前でフリーになりましたが1mのシュートを外してしまい、17分にもベットの浮き球のパスで抜け出しGKと1対1になりましたが、コースを狙ったシュートはゴールポストをかすめてわずかに外へ。その後も大木が、茂木が、森崎和がシュートを放ちますが、ことごとくGKに守られます。逆に前半42分、東京VのCKの場面で最も危険な男・ワシントンをフリーにしてしまい頭で叩き込まれ失点。内容とは全く逆の結果で、前半を折り返しました。
後半もまた、立ち上がりからサンフレッチェペース。2分にFKのこぼれを茂木がシュートしたものの枠外。16分には大木が、20分には駒野が決定的なシュートを放ちますがゴールを割れません。25分には駒野が素晴らしい突破でペナルティエリア内に入り込みラストパス。これを受けた佐藤寿がシュートを打ちましたがボールはなぜか枠外へ。その直後には波状攻撃でベットが、大木がシュートしましたがことごとく防がれます。どうしても追いつきたいサンフは駒野も服部も上がりっぱなしでゴール前はジニーニョと小村の二人だけで守る、と言う感じだったそうで、終盤は逆襲から何度かピンチを招きますが、しかし下田が最後の砦として立ちはだかって味方の援護を待ちます。そして終了間際にも佐藤寿が立て続けにシュートしましたがどちらもGK正面。シュート19本、そのうち11本が決定的だったというサンフの攻撃でしたが1つもゴールを割ることはできず、2連敗を喫することになりました。
試合後アルディレス監督は 「前半は1-0でリードしていたが、それは内容を反映していない...結果については満足しているが、難しい試合だった」と語っていたそうですが、それが単なる社交辞令でないことは「受け身に回ってしまった。前半だけでなく、後半も悪かった」と反省の弁ばかりだった山田卓也選手の言葉でも分かります。実際、サンフレッチェは相手ボールを前線からのプレスで奪い、速い攻撃で相手の守備組織を破ると言う自分たちのサッカーができていたのは間違いない様子。ヴェルディのチーム状態がどうだったのか知りませんが、それにしても1試合で10回以上も決定機を作ると言うのは、そうたやすいことではありません。G大阪戦は自ら崩れて負けてしまった、と言う感じでしたが、昨日はチームと選手の状態もモティベーションも高く戦う事ができたし、戦術的にも悪くなかったことは間違いないのだろう、と思います。にも関わらず、残った結果は0-1の敗戦。決定的なシュートをことごとく外し、またGKにセーブされて1点も取れなかったと言う事実は、単に運が悪かった、だけでは片付けられないと言う思いの人がほとんどなのではないでしょうか。4試合戦って2分け2敗と言う結果に、選手が悪い、いや監督が悪い、と言う意見がいろいろと出てくるのもある意味仕方のないことだ、とも思います。
ただ現状を冷静に分析すれば、過去の状況にくらべれば遥かにましだ、と言って良いと思うのです。相手よりも良いサッカーをする、なんて不可能に近かったトムソン監督時代。いくら点を取ってもいつ取り返されるか不安で仕方なかったヴァレリー監督時代。選手の混乱が手に取るように分かったガジエフ監督時代。結果が伴わず立て直しもきかなかった木村監督時代。そしてなによりも勝ち点が必要だったJ2の時代。昨年だって良い内容で試合をしていても長続きせずに90分の間に激しい浮き沈みがあったわけで、それに比べれば「大きく成長している」(アルディレス監督)のは間違いない、と思うのです。
たぶんトルシエ監督だったと思うのですが、チームが決定力不足に苦しんでいた時期に監督は、「決定機を作るまでが監督の仕事。決めるのは選手の仕事」と言うようなことを言っていたように思います。それはある意味真実である、というのはトルシエだけでなく、多くの人が同意することだとも思います。前にGKが構え、相手選手が殺到して来るほんの一瞬の隙にコースを選び、そこに正確にキックまたはヘディングすると言う能力は、あまたのプロサッカー選手の中でも一握りの選手しか持っていません。それは選手が若いうちになら教えることもできるでしょうが、プロ選手に対して監督やコーチが教えられるものでもないはずです。
では、ガウボンや佐藤寿人にそう言う能力が無いのか、と言うとそれも違うと思います。なぜなら彼らは昨年、シーズンで15と20のゴールを決めているからです。J1リーグとは違う場ではあるものの、別の意味で厳しい環境で結果を残しているわけです。二人ともまだ若く伸び盛りの選手です。従って急に下手になった、と言うことも考えにくいのです。
サッカーを少しでもやったことのある人は分かると思うのですが、ゴール前と言うものはいつも以上に緊張するものです。そのためついつい身体が硬くなり、あり得ないようなミスをしてしまったりするものです。もちろん、プロ選手はそうならないように経験を積み、練習を繰り返すわけですが、それでも決められないことはあるものです。サンフレッチェの選手は誰もが結果が欲しくて緊張しがちなのだと思いますが、中でも大きな期待を背に広島入りしたガウボンと寿人は特別でしょう。ここで決めなければと言う気持ちが強すぎて、必要以上に慎重になったり思いっ切り蹴ってしまったりするのではないか、と思います。
これをどう解決すればよいかというと、たぶん特効薬はないのです。原因がチーム成績と選手の心の中にある以上、彼らがゴールを決めて勝つ以外に解決策はないのです。案外それは、そんなに難しいことではない。むしろ何かの拍子にゴールが入れば、あっさりと解決することなのかも知れません。少なくとも、チャンスを量産するチームを作るよりも、本来はずっと簡単なことのはずなのです。選手たちには自分たちの力を信じて、今のサッカーを追求して欲しい。そしてもう一歩球際で強くなり、もう少しパススピードを速くして、もっとチャンスを量産して欲しい。決定機を10回作ってだめなら20回、30回と作って欲しい。そうすればきっとそのうち、ガウボンか寿人も他の選手も、次々とゴールを奪ってくれるはず。少なくとも私はそう信じています。