昨日の第5節横浜Fマリノス戦は、2-2の引き分けに終わりました。
リカルドを出場停止で欠くサンフは小村をセンターに置き、前半は盛田をワントップ、森崎兄弟を2シャドウにした布陣で戦いました。
下田
西河 小村 吉田
駒野 ベット 李 服部
(→八田83分) (→外池45分)
森崎和 森崎浩
(→前田73分)
盛田
SUB:林、中山
対する横浜はドゥトラ、中西が怪我のため欠場で、GK:榎本達、DF:中澤、松田(退場11分)、那須、田中隼、MF:遠藤(→久保59分)、上野、大橋(→栗原35分)、奥、FW:坂田、安貞桓。両チームとも立ち上がりはボールが落ち着かなかったのですが、どちらかのペースになるかならないかという11分に大きな動きがありました。相手ボールを高い位置でカットした森崎和がスペースに抜け出そうとしたところを松田が肩をつかむようにして倒します。布施主審はこれを得点機会阻止と見たか一発レッド。前節同様にサンフは早い時間帯に数的有利となりました。
しかし、相手に退場者が出てもペースをつかめないのも前節と同じで、安貞桓のキープ力と坂田のスピードに押されてしまいます。前半17分、右サイドで駒野が坂田を倒して与えたFKを蹴るのは奥。正確なボールに下田はわずかに触る事ができず、ファーサイドでフリーになっていた坂田に頭で押し込まれ先制点を許してしまいました。
前節を思い出すような嫌な展開になりかけてしまったのですが、しかし昨日のサンフは違いました。リードされて戦う気持ちを思い出したのか、高い位置から仕掛けて行くようになります。そして23分には森崎浩がドリブルでペナルティエリア近くまで運んで作ったチャンスに服部と森崎和が絡み、最後はこぼれ球を服部が右足で強烈なミドルシュート!このボールは右ポストに当たって内側に跳ね、同点に追いつきました。
更に攻勢を続けるサンフは、3分後にも横浜のDFラインの裏を狙った攻撃でCKを得ます。ベットが蹴ったボールは大きくゴールを回り込んでファーへ。これを森崎和が頭で折り返し、中央で待ち構えていた小村が頭で叩き込んであっと言う間に逆転に成功しました。
その後もベットのスルーパスや駒野のクロス、森崎兄弟の飛び出しでチャンスを作り続けるサンフ。岡田監督はたまらず大橋に代えて栗原を入れ、那須をリベロに、上野を左サイドに回して立て直しを図ります。結果的にこの采配は成功で、横浜はパスカットからの速い攻撃を繰り返してペースを握り直します。またセットプレーでは何度も正確なボールにフリーで合わせられてピンチを招きます。しかしサンフはここを何とか耐えて、前半をリードして折り返しました。
後半サンフはパスミスが目立っていた李に代えて外池を投入。森崎和と横並びのドイスボランチとし、ベットをトップ下に上げて攻撃の再構築を図ります。外池を入れたこと、ベットを攻撃に専念させたことはある程度は成功しましたが、しかし逆にベットへのマークがきつくなり森崎和が前に出れなくなった感じで思うように攻撃を構築できません。対する横浜は14分に久保を投入。安貞桓をゲームメーカーにして攻撃の圧力を強めます。ロングボールを両サイドのスペースに送り込み、ドリブルをアクセントに攻め込む横浜。ショートパスをつないで戦局を打開しようとするサンフ。一進一退の展開を変えたのは、坂田の個人技でした。上野のボールで右に開いた坂田がサンフの守備陣にチャレンジします。ペナルティエリアの内側だったためやや慎重になったサンフのDF(たぶん吉田)の躊躇を見逃さず、坂田は左にワンステップして左足でグラウンダーのシュート。これが下田の手の先をわずかにかすめてゴールネットを揺らしてしまいました。
その後疲れが見えてきた両チームは、死力を尽くした戦いを展開します。横浜は坂田が何度も決定的なシュートを放ち、セットプレーから那須が、栗原が危ないシュートを打ちましたが下田の好セーブとシュートミスに救われます。サンフは盛田や前田がミドルシュートを放ちますが、枠を捉える事ができません。双方最後まで集中を切らせずに守り切って、結局「痛み分け」に終わりました。
このゲームの評価としては、「勝てなくて残念」と「負けなくて良かった」と言うのと両方あり得ると思います。前半11分で相手の守備の要が退場し、先制されながらも逆転したのは普通なら勝ちパターン。後は相手が疲れてくるのを待ってゲームをコントロールすれば良いのに、慌ててパスミスを繰り返してカウンターを受け続けると言う戦い方は、やはり少々稚拙だと言わざるをえないでしょう。速い攻撃をコンセプトにするのは良いのですが、それも流れを見て臨機応変にやるべきで、1人少ない相手よりも先に疲れ果ててしまったのは相変わらず課題として残りました。しかし、同様の展開から完敗してしまった前節と比較すれば、進歩を見せたのも事実。点を取られてから10分以内に逆転まで持って行った事は称賛して良いと思いますし、終盤の相手の攻勢を何とか我慢して勝ち越し点を許さなかったのは評価すべきです。特に相手は昨年から3ステージ連続で優勝しているチャンピオン。昨年の終盤などは毎試合のように退場者を出しながら勝ち続け、「10人になった方が強い」とまで言われていたチームです。その相手に対して一歩も引かずに(いや、実際にはかなり引かざるをえなかったようですが)戦って、何とか勝ち点1を得たということは、両チームの現状を考えれば決してネガティブに考えるべきではない、と思います。リーグ戦で初めて先発した西河は1対1の強さと判断の良さを見せて十分にプロとして戦えることを示し、久々に出場機会を得た外池や八田も自分が与えられた任務を果たしました。盛田は90分を通して前線で身体を張り続け、駒野は肩にプレートを入れたままでレベルの高いプレーを見せてくれました。更に小村や吉田もベテランらしい味を見せてくれました。今のサンフにいくつか足りない点があるのは確かです。柏戦、清水戦、横浜FM戦と、「勝てるゲーム」で勝ち点を2しか取れなかったのは、チームとして物足りない点がいろいろとあるからだ、と言うのは否定できないと思います。しかし、だからと言ってネガティブになる必要はないと思います。中国新聞によると試合後の選手に笑顔は無く、「悔しい」と言う言葉が続いていたとのこと。その悔しさは、スタンドに詰めかけたサポーター以上のものがあるはずです。その悔しさを、次節の新潟戦で晴らして欲しいと思います。