昨日の2nd stage第3節柏戦は、先制して逆転されたものの追いつくという展開で2-2で引き分けて、ステージ順位を6位に上げました。
盛田、森崎浩が復帰したサンフは、前節とメンバーを入れ替え次のような布陣で戦いました。
下田
高柳 リカルド 小村 服部
ベット 森崎和
高萩(→吉田68分) 森崎浩
大木 盛田
(→田中87分)
SUB:林、西河、中山
対する柏は怪我で代表に選ばれなかった玉田が先発して、GK:南、DF:波戸、薩川、永田、近藤、MF:明神、小林、茂原、加藤、FW:山下、玉田。立ち上がりは広島ペースで、パスワークが冴えて柏の守備陣を翻弄します。10分にはカウンターから左サイドでボールをつないでベットがドリブルからシュート。GKの位置を良く見た正確なシュートが南を抜き、あっさりと先制点を奪いました。更に15分にはセットプレーから得たチャンスから服部が立て続けに2本、決定的なミドルシュート。更に26分には盛田からのボールを森崎浩がミドルシュートを放ちますが、激しくポストを叩きます。ここまでのサンフは完全に柏を圧倒して、3、4点入っても不思議ではないという展開でした。
しかしその後、何としても勝ちたい柏がサンフの右サイドを突いて来ます。25分の高柳のパスミスからの攻撃をきっかけに、茂原や加藤、そしてツートップがどんどんサンフの右サイドに流れて攻め込みます。サンフはラインを低くして柏の攻勢を受け止めようとしますが、雨で慎重になった下田がキャッチよりフィスティングを選択したためもあって、柏の波状攻撃を受けます。時折カウンターから攻め返すものの、ワンタッチパスが途中で引っ掛かってなかなかシュートに持ち込めない時間帯が続きます。もう少し落ち着いてボールをキープすればいいのに、と思いながら見ていたのですが、何とか相手のゴールを許すことなく前半を折り返すことが出来ました。
しかし後半の立ち上がり、流れの変わらないままに柏に攻め込まれ、4分に右サイドで玉田を倒してFKを与えます。そして3枚の壁を巻いてニアサイドを襲ったボールに飛び込んだ近藤に一瞬早く触られて、同点に追いつかれてしまいました。
その後の展開は一進一退。追いついて安心した?柏はそれまでのように前から来ることがなくなり、サンフはボールを回す事ができるようになります。しかしDFラインの前でパスをつなぐばかりでなかなかシュートまで持ち込むことが出来ません。23分に小野監督は高萩に代えて吉田を投入し、森崎浩を右に回して右サイドの守備の再構築を図ります。しかしその効果が出るか出ないかと言う25分、柏に勝ち越しを許してしまいます。サンフゴール前中央へのロングボールが高くバウンドすると、高柳をかわした玉田が強引にペナルティエリアに向かって突破します。そしてリカルドと小村が身体を寄せて潰そうとするのもものともせずに倒れ込みながらも強烈なシュートを放ち、サンフレッチェサポーターの前のゴールネットを揺らしました。
その後は引いてカウンター狙いになった柏。それに対してサンフは、パスをつなぐもののなかなか打開できません。3-5-2に変更して服部と高柳を攻撃参加させて横から攻めようとしますが、高さのある柏のDFがことごとくはね返します。そこで34分、中央の森崎浩からのボールを受けたベットが決然とドリブルを開始して左から相手ゴールに侵入します。ベットはDFとGKを引きつけて潰れますが、そのこぼれ球に飛び込んだのが盛田!「ボールが前にこぼれてきた時、相手の足が出てきたので、当たらないように打った」と言うシュートはしっかりとゴールネットに突き刺さりました。浦和、C大阪で果たせなかったJ1リーグ戦での盛田の初ゴールは、チームを敗戦から救う価値の高いものとなりました。その後サンフは勝ち越しを狙って攻め続けます。ロスタイムにはカウンターからベットのスルーパスで抜け出した田中が右からクロスを入れ、ベットの飛び込みから服部がシュートを放ちましたが南がスーパーセーブ。惜しくも追加点を奪う事ができず、そのまま引き分けに終わりました。
このゲーム、勝てるゲームを引き分けに持ち込まれたとも、負けゲームを引き分けたとも言えると思います。前半の前半は完全にサンフのペースで、ベットのゴールの他にも服部の2本のシュートや森崎浩のシュート、大木のシュートなど何度も柏ゴールを脅かしました。ここでもう1点取る事ができれば、早々に相手の心を折ることができたかもしれません。しかし、それができないのがサッカー。特に柏の勢いに押され、前半の後半から同点に追いつかれるまで守勢を押し返せなかったのが残念でした。特に右サイドを頻繁に狙われていたにも関わらずなかなか修正できなかったのが、逆転までされてしまった原因だったと思います。良い流れの時にポイントを奪い、悪い流れの時に耐えると言うのが勝負事に勝つ鉄則ですが、そのどちらもやり切れなかったことは残念でした。
その一方でリードを許してから何とか追いつこうとして、そして引き分けに持ち込んだことは評価して良いと思います。特に同点のシーンで思いきって攻めに出たベットの勇気とゴールを決めた盛田の執念。これこそが、今までのサンフに少々物足りなかったものだったように思います。上に書いたようにまだまだ課題もあるサンフですが、しかし課題は修正すれば良いわけです。最下位に引き分けた、と言う結果は決して喜ぶべきものではないのかもしれませんが、しかしサンフの今後に向けての明るさが少しだけ増したゲームだった、と言って良いのではないでしょうか。来週はW杯予選のため1週間空くので、この間にしっかりと修正して欲しいもの。そして次の「鬼門」日本平での清水戦に備えて欲しいと思います。