第12節鹿島戦
昨日行われた第12節鹿島戦は、緊迫した「守り合い」の展開となりましたがPKから失点し、更に終了間際にも点を奪われて0-2で敗れました。
チアゴが怪我で、小村が出場停止で欠場したサンフは、代役として外池と吉弘を起用して次のような布陣でスタートしました。
「相手が1トップ気味でボランチを引っ張り出され、バイタルエリアを使われて後ろが重くなりすぎた」と判断した小野監督は、後半の頭からシステム変更を決断します。駒野をSBにし、李を右サイドに出して森崎和をボランチに下げ、外池と大木のツートップで点を取りに行きます。立ち上がり早々に李のパスで形を作る(外池がオフサイド)と、3分には李のスルーパスで大木がペナルティエリア内に飛び込み、大岩?に倒されます。ビデオで見るとボールというよりは足に行っている感じで微妙なプレーでしたが、しかし主審はノーファウルの判定でした。ところが後半8分、今度は鹿島が同じようなシーンを作ります。右サイドからの名良橋のクロスで抜け出した野沢が、ゴールライン際から突破しようとします。ここにタックルしたリカルドの足に引っ掛かって倒れて、今度はPKの判定。小笠原が蹴ったボールは下田の逆を突いて、先制点を許してしまいました。このPKを与えたシーンは確かに名良橋に良いボールを入れられてしまったのが問題だったし、DFラインが野沢をつかまえきれなかったのも問題だと思います。またPKを取られてしまったのも仕方のないプレーだったとも思います。しかし、5分前の大木が倒されたプレーと比較して明らかに差があったかと言えばそんなことはない、と私は思います。その直後に李のスルーパスで大木が倒されたシーンも含めて、「どっちもどっち」の局面で鹿島に有利な笛が吹かれたと言うのは確か。そしてこの判定が、ゲームの流れを変えることになってしまいました。
1点リードして無理をする必要がなくなった鹿島は、前半以上に守り重視の戦術を徹底します。対するサンフは森崎兄弟が中盤でゲームメイクして、何とか打開しようとします。16分には外池に代えて前田を入れて前線をかき回そうとし、終盤にはサンパイオを前線に上げてターゲットにして攻めを作ります。しかし鹿島の守備は最後まで破綻せず、逆に後半ロスタイムには吉田のタックルを危険なプレーと取られて一発レッド。最後にはロングクロスに飛び込んだ中田にボレーでシュートを決められて、万事休すとなりました。
私はこのゲームを結果を知った後でビデオで見たのですが、どちらのチームも良く似たサッカーをする、と言う印象を持ちました。守備の組織をしっかりと作って高い位置でボールを奪い、ワンタッチパスを効果的に使って相手ゴール前に持ち込むと言う戦術が同じなら、お互いに中盤に質の高い選手を揃えているのも同じ。サイドからの攻撃が持ち味で、FWに怖さがないのまで同じでした。決定的チャンスが鹿島の方がやや多かったのは確かですが、それはサンフが同点を狙って前懸かりに行ったからで、あのPKの判定がなければむしろ鹿島の焦りを呼んで、逆の展開になった可能性は十分にあったと思います。しかし、だからと言ってこの敗戦を審判のせいにしていては進歩がないのは確か。こちらが10位のチームで相手が3位だと言うのは厳然たる事実であり、それは偶然でも何でもないのだと思います。サンパイオは試合後に「広島の弱点は、90分同じプレイができないこと。どうしても、集中が欠ける時間がある。そこをなくしていかないといけない」と語っていますが、これは言わば経験の差。選手一人一人の差というよりも、ピッチ上の11人、あるいは交代選手やベンチのメンバーも含めた「チーム」としての若さが出ているのではないか、と思います。この日の鹿島も決して出来は良くなかったと思うのですが、それを勝利に結びつけたのはそう言う状況でも我慢できること、そしてそうすることによっていずれはチャンスを掴む事ができるという自信があるからだ、と思います。足りないところがあるのであれば、そこを直せばいい。「下を向く必要はない。ビデオで見て、修正して、練習で確認すればいい」(サンパイオ)のです。次は中2日で横浜が相手と厳しい戦いが続きますが、ぜひとも良いサッカーを見せて欲しいと思います。
チアゴが怪我で、小村が出場停止で欠場したサンフは、代役として外池と吉弘を起用して次のような布陣でスタートしました。
下田 吉弘 リカルド 吉田 (→大木45分) 駒野 李 サンパイオ 服部 森崎浩 森崎和 外池(→前田61分) SUB:佐藤昭、西河、高萩対する鹿島は、GK:曽ヶ端、DF:名良橋、金古、大岩、新井場、MF:中田、フェルナンド、増田(→青木77分)、小笠原、FW:野沢(→中島89分)、平瀬(→岩政87分)。序盤はサンフレッチェのペースで、左からの服部のクロスや右からの森崎浩のクロスで何度かゴール前に迫ります。優勝のためには勝ち点3が欲しい鹿島でしたが、しかし積極的に前から来るかと思えばそうでもなく、ブロックをがっちりと作って守備を固めて来ます。そして速いアプローチからボールをカットし、サイドにボールを展開して攻めようとします。が、こちらもサンフの守備が堅くなかなか崩す事ができず、前半の危ないシーンは21分の野沢のロングシュートと25分に右サイドから小笠原がグラウンダーのクロスを入れた時ぐらい。サンフも決定機は37分に駒野のクロスをファーで受けた服部が折り返し、ここに飛び込んだ森崎和がダイレクトで合わせた場面ぐらいで、じりじりした展開のままで前半を折り返しました。
「相手が1トップ気味でボランチを引っ張り出され、バイタルエリアを使われて後ろが重くなりすぎた」と判断した小野監督は、後半の頭からシステム変更を決断します。駒野をSBにし、李を右サイドに出して森崎和をボランチに下げ、外池と大木のツートップで点を取りに行きます。立ち上がり早々に李のパスで形を作る(外池がオフサイド)と、3分には李のスルーパスで大木がペナルティエリア内に飛び込み、大岩?に倒されます。ビデオで見るとボールというよりは足に行っている感じで微妙なプレーでしたが、しかし主審はノーファウルの判定でした。ところが後半8分、今度は鹿島が同じようなシーンを作ります。右サイドからの名良橋のクロスで抜け出した野沢が、ゴールライン際から突破しようとします。ここにタックルしたリカルドの足に引っ掛かって倒れて、今度はPKの判定。小笠原が蹴ったボールは下田の逆を突いて、先制点を許してしまいました。このPKを与えたシーンは確かに名良橋に良いボールを入れられてしまったのが問題だったし、DFラインが野沢をつかまえきれなかったのも問題だと思います。またPKを取られてしまったのも仕方のないプレーだったとも思います。しかし、5分前の大木が倒されたプレーと比較して明らかに差があったかと言えばそんなことはない、と私は思います。その直後に李のスルーパスで大木が倒されたシーンも含めて、「どっちもどっち」の局面で鹿島に有利な笛が吹かれたと言うのは確か。そしてこの判定が、ゲームの流れを変えることになってしまいました。
1点リードして無理をする必要がなくなった鹿島は、前半以上に守り重視の戦術を徹底します。対するサンフは森崎兄弟が中盤でゲームメイクして、何とか打開しようとします。16分には外池に代えて前田を入れて前線をかき回そうとし、終盤にはサンパイオを前線に上げてターゲットにして攻めを作ります。しかし鹿島の守備は最後まで破綻せず、逆に後半ロスタイムには吉田のタックルを危険なプレーと取られて一発レッド。最後にはロングクロスに飛び込んだ中田にボレーでシュートを決められて、万事休すとなりました。
私はこのゲームを結果を知った後でビデオで見たのですが、どちらのチームも良く似たサッカーをする、と言う印象を持ちました。守備の組織をしっかりと作って高い位置でボールを奪い、ワンタッチパスを効果的に使って相手ゴール前に持ち込むと言う戦術が同じなら、お互いに中盤に質の高い選手を揃えているのも同じ。サイドからの攻撃が持ち味で、FWに怖さがないのまで同じでした。決定的チャンスが鹿島の方がやや多かったのは確かですが、それはサンフが同点を狙って前懸かりに行ったからで、あのPKの判定がなければむしろ鹿島の焦りを呼んで、逆の展開になった可能性は十分にあったと思います。しかし、だからと言ってこの敗戦を審判のせいにしていては進歩がないのは確か。こちらが10位のチームで相手が3位だと言うのは厳然たる事実であり、それは偶然でも何でもないのだと思います。サンパイオは試合後に「広島の弱点は、90分同じプレイができないこと。どうしても、集中が欠ける時間がある。そこをなくしていかないといけない」と語っていますが、これは言わば経験の差。選手一人一人の差というよりも、ピッチ上の11人、あるいは交代選手やベンチのメンバーも含めた「チーム」としての若さが出ているのではないか、と思います。この日の鹿島も決して出来は良くなかったと思うのですが、それを勝利に結びつけたのはそう言う状況でも我慢できること、そしてそうすることによっていずれはチャンスを掴む事ができるという自信があるからだ、と思います。足りないところがあるのであれば、そこを直せばいい。「下を向く必要はない。ビデオで見て、修正して、練習で確認すればいい」(サンパイオ)のです。次は中2日で横浜が相手と厳しい戦いが続きますが、ぜひとも良いサッカーを見せて欲しいと思います。
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