連敗脱出のカギ
ここまで6試合を消化して勝ち点3。ついに最下位に転落してしまったサンフレッチェですが、このような「立ち上がりの悪さ」でまず思い出すのは2001年のシーズンです。第6節までにその年降格した札幌に勝っただけの1勝5敗の成績で、最下位に落ちています。ヴァレリー監督の就任でそれまでの守備重視のサッカーから攻撃的なサッカーに転換しつつあったわけですが、その完成度の低さを露呈して守備と攻撃のバランスが悪く、点を取ってもそれ以上に失点すると言う悪循環に陥っていました。また98年のシーズンでも1勝した後6連敗して、下には福岡がいるだけの17位に落ちています。トムソン監督の2年目は主力選手を大量に放出した直後で、絶対的な戦力不足が明らかで苦しい戦いを強いられました。どちらの年にも共通していたのは、チーム戦術の浸透度が今一つだった、と言うこと。新しい戦術、新しい選手の組み合わせで試行錯誤をしていて、そのため勝ちに結びついていなかった、と言うことだったと思います。
それに対して今年は小野監督の2年目で、多くの選手が退団したものの主力は残留し、それなりの補強もして臨んでいます。しかし大きく違うのは、何と言ってもJ2からの昇格組だということ。今週のサッカーダイジェストで元大分監督の小林伸二氏が書いているように、「J2のぬるさ」に慣れてしまったチームが、J1のサッカーに対応するのは容易なことではありません。小林氏も指摘するように、J1とJ2の一番の違いは判断の速さ。そして大分戦での失点に見られるように、J2では許されたミスもJ1では許されない、と言うことだと思います。もちろんサンフの選手はほとんどがJ1での経験を持つわけですが、むしろだからこそ慎重になりすぎてしまって思い切って行けていない、等でミスに繋がっているのかも知れません。
これまでのシーズンで序盤に苦しんだ時に、どのようにその状況を克服したか振り返ってみます。98年に連敗を脱出したのは4/26のホームのヴェルディ戦。序盤は押し気味にゲームを進めて先制したものの、後半は押し込まれて終了間際に追いつかれて延長入りし、Vゴール負けも時間の問題か、と言う展開でした。しかし川島、山根ら若い力の頑張りで得点を奪ってやっとの思いで勝ち、その後の3連勝につなげました。2001年に転機になったのは5/3のFC東京戦。チーム全体から勝利に向けての気迫がほとばしるような戦いで、高橋のハットトリックで3-0で勝ちました。どちらの場合もカギになったのは、どうしても勝ちたいと言うチーム全体の気迫だったのではないか、と思います。特に2001年の場合は、久々に最下位に転落して感じた苦しさ、悔しさから抜け出すために、全力を尽くして戦ったから得た勝利だったのだ、と思います。
今年のサンフは怪我人続出で主力がそろわないにも関わらず内容は悪くなく、98年や2001年ほどの危機感はありません。しかしこれが逆に何とかなるのではないか、と言う安心感になってしまってはならないと思います。いくら戦術が良くても、いくら選手がそろっていても、勝てるとは限らないのがサッカーです。そこを勝ちという結果に持って行くためには、最後のところでのプラスアルファがどうしても必要です。今のサンフにこれが欠けている、とまでは言いませんが、しかし昨年の昇格争いを展開したときほどの、あるいは一昨年に残留争いを行っていたときほどの「熱さ」を感じないのも確かだと思います。次のゲームはナビスコ杯の横浜FM戦、そしてホームの浦和戦ですが、ここで勝たなければ次はない、と言うような熱い戦いを見せて欲しい。そしてそれこそが、チームが殻を破って一段階上にあがる事に繋がるのだと思います。
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