アジアの新王者
昨日行われたアジアカップの決勝戦。攻撃的なサッカーでウズベキスタンと日本を下して4回目の優勝に王手をかけたサウジと、韓国とのスコアレスのゲームをPK戦の末に制して初めての決勝に臨むイラク、と言うことで、サウジの攻めをイラクがどう守るか、と言う戦いになるか、と思われました。しかし試合の流れはむしろ逆で、終始主導権を握り続けたのはイラク。得点はCKからの1点のみでしたが、しかし流れとしては2点、3点取っていても不思議では無かった、と思います。鋭い読みに支えられたアグレッシブな守備と攻守の切り替えの速さ、そして個人技の高さ。戦禍の中から立ち上がってきた中東の伝統国のサッカーは、新王者にふさわしいものだった、と思います。
この大会が始まる前、優勝候補と言えばほとんど誰もが日本、韓国、オーストラリアにサウジアラビアとイランを挙げたでしょう。かくいう私もグループリーグを終えた時点で、きっとこの中から優勝国が出るだろう、と予想していました。しかし今から思えば、イラクの優勝は決してフロックでは無かったのです。
例えば「サッカーダイジェスト」の7月17日号によると、ガルフカップを視察したオシム監督はイラクを「ベストチーム」と絶賛した、と書いてます。「消耗度の激しいサッカーのため...灼熱地での長期戦には向かない」とは書いてあるものの、開幕前から注目されるチームの一つだったことが分かります。
また、忘れてはならないのはグループリーグでのオーストラリアとのゲームです。この試合、イラクは後半早々に追いつかれながらもアグレッシブな姿勢を失わず、終盤に2点を奪って素晴らしい勝利を収めました。私はこれを見て「さすがのオーストラリアもアジア相手には苦戦するものだな」と思っていたのですが、しかし後から考えればイラクの実力は本物だった、と言うわけ。いやまったく、自分の見る目の無さに呆れてしまいます。
4ヶ国共催と言う前代未聞の試みや高温多湿の気候などもあり、今回のアジアカップは正直言ってレベルの高さを感じない試合もありました。しかし最終的に優勝したのは良いサッカーをしたチームだった、と言うことは、アジア全体のサッカーのレベルアップと言う意味では非常に良いことだった、と思います。W杯予選では、韓国、イラン、サウジアラビア、オーストラリアと言うこれまでのライバルに加えてイラクも日本代表の前に立ちはだかって来ます。オシム・ジャパンは今後に向けて、進化の歩みを止めるわけにはいきません。
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