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2007.01.08

高校選手権に思う

今年の高校選手権は国見を始めとする優勝候補が序盤からバタバタと敗れる波乱の展開となりましたが、その結果ベスト4に進出したのは全て初めての高校ばかり。そして決勝は盛岡商が作陽を下して(当然のことながら)初めての優勝を果たしました。

「本命」が力を発揮することなく敗れ、ダークホースが輝いた今年の高校選手権。なぜそう言うことになったのか、その理由としては、帝京高の古沼監督も語っているように「関東と静岡はJリーグの下部組織があるから厳しい」と言うのと関係があるのかも知れません。特に今回、上位進出の常連ではなかった岩手、岡山の高校が決勝を争ったことは、それらの県にJリーグのクラブが無い、と言うことと無関係ではないでしょう。

Jリーグクラブがユースチームを作って育成し出してから十数年。その間に高校サッカーをとりまく環境は大きく変わってきています。その一つは、プリンスリーグに代表されるリーグ戦の導入です。中国地方では長年「サンフレッチェユースだけが強い」と言う流れが続いていましたが、正式に行われて2年目のプリンスリーグだった昨年は、いきなり新興の銀河学院に敗れるなど苦戦しました。そしてこの銀河学院はプリンスリーグの勢いを高円宮杯にぶつけ、初出場でグループリーグを突破する快挙を成し遂げています。また、プリンスリーグ中国で3位だった作陽は高校選手権準優勝。4位の皆実はベスト8に進出し、5位の観音は高校総体優勝です。すなわち今年のプリンスリーグ中国を戦った12チームのうち5チームが全国大会で目立った成績を挙げているわけで、これは中国地方の高校サッカーにとっては画期的なことです。

果たしてこれらの結果が、中国地方の高校サッカーの成長を表しているのかどうか、は分かりません。しかしサンフレッチェユースが全国で何度も優勝していることや、高校がユースと年間を通じて真剣勝負を繰り返していることは、彼らの成長にとって重要な意味を持っていることは間違いない、と思います。古沼監督はユースと高校を対立するものとして捉えているような感じですが、本来そんなものではないはず。むしろお互いに切磋琢磨することによって、どちらもそれぞれで成長して行くべきもののはずです。もし中国地方でそれがうまく行っていて、それがこれらの結果に繋がっているのだとすれば、この流れをずっと大きなものにして行って欲しいものです。

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2007.01.02

浦和の時代

昨日の天皇杯決勝で浦和がガンバを破り、Jリーグが始まって初めて天皇杯を連覇しました。もちろん、06年シーズンはリーグ戦に続いての2冠。一昨年はセカンドステージを、その前年はナビスコ杯を制していますので、実に3年間で4度の優勝を果たしたことになります。この優勝確率は00年〜04年の横浜FM (優勝5回)、92年〜94年のV川崎(優勝6回)、97年〜03年の磐田(優勝8回)、96年〜02年の鹿島(優勝11回)に迫ろうと言う勢いです。まさにここに「浦和の時代」がやってきた、と言って良いでしょう。

ただ、過去に「時代」を作ってきたクラブと比較して、今の浦和はやや異質なものを感じます。Jリーグ草創期のV川崎はさておき、その後の鹿島にしても磐田にしても横浜FMにしても、チーム全体としての戦術的な完成度が高くて、日本代表選手や強力な外国人選手にそれをやられるとどうやったって敵わない、と言う雰囲気を醸し出していたように思うのですが、浦和にはどうもそう言う感じはしないのです。

浦和は確かに選手の質は高くて守備は固いし攻撃は鋭いし、また精神的にも強くて優勝に値する戦いを見せます。ただそれは、サッカーの美しさとは別物で、単にピッチ上の11人だけでなくベンチやそれ以外も含めた選手全体の力の総和で相手をねじ伏せている、と言うイメージなのです。もちろん、勢いだけでは優勝できない1シーズン制の元では、主力が欠けても後を埋める質の高いサブの存在は不可欠です。またそれらの選手を上手にやりくりするためにはシンプルな戦術の方が良いに決まっているわけで、今の浦和のやり方は「勝利の方程式」としては当然のことだ、とは思います。しかし1サッカーファンとしては、どうも釈然としないものが残るのも確かなのです。

とは言え、これもまた日本のサッカー自体が新しい時代に入った、と言うことを表しているかもしれません。これまでのJリーグはどこもドングリの背比べみたいなもので、強力な外国人と数人の日本代表クラスと、そしてそれなりに整備された戦術があれば優勝できる可能性がありました。しかしこれからは違う。金の力で選手を買い集めて余裕で優勝街道を走る浦和と言うチームがあって、他のチームはそれを何とか打ち破って行かなければならないわけです。浦和ほどには金の無いチームはどこもできる限りの知恵を絞って、どう対抗して勝つかを考え、そして気力を振り絞って戦わなければならないわけです。それは、ある意味日本代表が列強と戦うための道でもある。すなわちJリーグで浦和と戦うことで、「世界」と戦うためのシミュレーションができる、と言ったら言い過ぎでしょうか?

ともあれこの優勝で浦和はACLに2年連続で出場する権利を勝ち取りました。浦和の首脳陣は昨年当初から「ACLで勝てるチームを作る」と言って来ましたから、いよいよ今年〜来年は勝負の年となるわけです。果たしてJリーグを制したチーム作りが、アジアの戦いに通用するものなのかどうか。これは1サッカーファンとして非常に興味のあるところです。是非とも今年も浦和には各クラブから主力選手を強奪して他サポから羨まれる(恨まれる?)チーム作りをして、アジアの戦いを勝ち抜いて欲しい。更にはクラブW杯にも出場して、さいたまスタジアムを真っ赤に染めてバルセロナかどこかにブーイングをかまして欲しい。もしそれができたなら、Jリーグは間違いなく新しい時代に踏み出すことができるのではないか、と思うのです。

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