世界クラブ選手権雑感
別に現地で見たわけでもないしテレビでも全試合を見たわけではないので「総評」と言うにはおこがましいので、世界クラブ選手権を見た感想を書き留めておこうと思います。
まずは試合の内容ですが、欧州、南米の「二強」に他の地域がチャレンジする、と言う構図はなかなか興味深かった、と思います。もちろん、Dサプリサがリバプールに手も足も出なかった試合に限っては地域の格差が如実に出た感じでしたが、それ以外はどの試合もスリリングな内容。それぞれの地域の特色を前面に押し出しての激突は、非常に興味面白かったと言えるのでは無いでしょうか。
その中で特に興味深かったのは、アル・イテハドでした。Jリーグ勢が苦戦した中国・韓国のクラブを圧倒的に粉砕した力がどの程度のものなのか。初戦のアル・アハリ戦はそれほどハイレベルだとは思えなかったのですが、準決勝のサンパウロとの戦いぶりには驚きました。個人の技術の確かさ。しっかりとした組織力。そして最後まで戦い抜く精神力。この大会を制した南米王者を相手にして一歩も引かない戦い方には、大陸チャンピオンとしての風格を感じました。
Jリーグのクラブは、このアル・イテハドに勝てるのか。世間には悲観的な考えの人も多いようですが、しかし私はそんなことはないと思います。今年のG大阪や昨年の浦和、あるいは数年前の磐田など、チームが好調だった時に限れば勝てると思いますし、ひょっとすると天皇杯を制した前後の東京Vや、はまったときの千葉やC大阪も対等に戦えるかも知れません。しかしJクラブが実際にACLを勝ち上がってアジアチャンピオンになれるかというと、私も悲観的にならざるをえないのです。
なぜJリーグのクラブがアジアで勝てないのか。それはやはり、力が長続きしないからだと思います。天皇杯王者がJ2に降格し、残留争いを繰り広げたチームが翌年優勝までもう一歩のところまで行ったことからも分かるように、どのチームもそこそこの力の「どんぐりの背比べ」なのがJリーグの現状です。突出した力を持つクラブが無く、Jリーグを勝ち抜くのがやっとと言う状態でアジアを制するのは、さすがに難しいことなのだろうと思います。
この現状を何とかするには、いくつかのビッグクラブを作ればいいのかも知れません。圧倒的な力を持つ外国人選手と代表クラスの選手を何人も並べ、少々の過密日程や怪我人では力が落ちないようなチームを作って送り出せば良いのかも知れません。サウジアラビア代表をずらりと並べたアル・イテハドのようなチームを作って、アジアに送り出せば良いのかもしれません。
ただ、それが日本のサッカーのために良いことなのかと言うと、なかなか微妙なところでしょう。なぜなら特定のチームだけが優勝するようなリーグでは、全体の興味を最後まで引っ張るのは難しいところ。やはり今年の優勝争いやJ1/J2入れ替え戦のように、上から下までどのチームにも優勝のチャンスもあるし降格のピンチもある、と言うリーグの方が、絶対に面白いし盛り上がるからです。そしてそのようなリーグだからこそ、広い層から選手が育ってくる、と言うメリットもあるでしょう。日本サッカーの未来のためには、今のJリーグのような形の方が良いのもまた、確かなのです。
となると日本がACLを勝ち上がって世界クラブ選手権で戦えるようになるにはどうするか。そのためにはJリーグ全体がレベルアップするしかないのだ、と思います。どのクラブがアジアに出て行っても勝ち抜けるような、本当の力を付けるべきなのだ、と思うのです。そんなの難しい、と言うかもしれません。でもアジアカップを連覇し、W杯予選を世界で最初に突破し、そしてコンフェデ杯で列強相手に素晴らしい戦いを見せた日本代表だって、ちょっと前までは東南アジアに苦戦し、韓国や中東には歯も立たなかったではありませんか。代表にできたことがクラブにできないはずはないのです。
全てのJリーグクラブにとっての目標が明確になったこと。それが世界クラブ選手権を日本で開催したことの、最大の意義だったと言えるのではないでしょうか。我がサンフレッチェにも単にJリーグで優勝するだけでなく、いずれは世界クラブ選手権で戦う、と言う目標を現実のものとしてレベルアップして行って欲しい、と思うのです。
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