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2005.01.06

Jリーグとプロ野球の共存

 楽天のプロ野球参入が決定した仙台が、Jリーグとプロ野球の共存が可能かどうか、で揺れているそうです。ソースは、毎日新聞の記事。(1上)(1下)(2)(3)(4) 理想はJリーグとプロ野球が共存しともに繁栄する事なのですが、ベガルタには本当に大丈夫か、ファンが奪われるのではないかと言う危機感を持っている、と言う話です。先にJリーグがあった街にプロ野球が来た、と言うと日本ハムが本拠地を移した札幌が先輩格ですが、こちらはお互いに交流も無い上にサッカーファンを奪われるような現象が起きているとのこと。先にプロ野球があった広島の例と合わせて、共存はなかなか難しいのではないか、と言う内容の記事になっています。

 J2で中位に沈んだ今年でさえコンスタントに1万5千人以上の観客を集めているベガルタですが、これはクラブの必死の営業努力の末に得たものです。Jリーグを目指すチームとして戦い始めた95年の1試合平均の観客数は、わずか2,642人。旧JFLで戦う中で少しずつ増やしていったもののしばらくは横這いで、J2の2年目だった2000年でも9千人を割る観客数でした。その間、借金がかさんで自治体に追加支援をお願いしたり、親会社が撤退したり(と言う事があったはず)と倒産寸前?のところまで行きながら、何とかチームを存続させてきた歴史があります。その中で01年には思わぬ躍進で2位に入りJ1昇格を勝ち取り、翌年は何とかJ1に残留。その中で地域と一体となった盛り上がりを見せて、仙台にベガルタあり、を全国に印象づけるまでになりました。ただ、今年J2に降格して昇格を逃した事で、チーム運営上いろいろと難しい事が出てきている事も事実。そんな中でプロ野球がやってきたと言う事で、必要以上に敏感になっていても不思議ではない、と思います。

 実際、広島でプロ野球とサッカーの扱われ方を見ていると、どうしても「野球が一番でサッカーはその次」と言う雰囲気を感じてしまいます。マスコミの取り上げ方を見ても、中国新聞こそほぼ対等ですが、その他は完全な野球優位。月刊雑誌の「アスリート」やテレビ番組の「元気丸」などでは、半分がカープの話題で占められていてサンフレッチェはJTやハンドボールと並んでその他大勢扱い、と言う感じです。それぞれのプロスポーツとしての歴史を考えれば仕方のない面もありますが、やはりもう少し何とかならないか、と思う事もしばしばです。

 ただもっと大きな目で見れば、サッカーも野球も沢山の「レジャー」や「趣味」の一つでしかありません。映画や、演劇や、音楽。ギャンブルや、旅行や、ガーデニングや、読書や、ショッピングや... 人が金とヒマをつぎ込んですることは、他にも山ほどあるわけです。その中でスポーツ観戦、と言うのはone of themでしかない。オリンピックやワールドカップでは夜中までテレビを見ている人だって、普段はほとんどスポーツを観る事なく自分の趣味に没頭しているのだろう、と思います。サンフレッチェの年間の動員数は20万人、ベガルタは30万人程度ですが、実質的な人数(重複カウントを除く)はその数分の1に過ぎないはずです。市内だけでも100万人、周辺の市町村を含めれば数百万人の潜在的な顧客数を考えれば、同じスポーツの中での客の奪い合い、だなんて発想が少々貧困なんじゃないかとさえ思います。

 共存か、あるいは競合か。それはひとえに、市場を限られたパイと考えるかそうじゃないと考えるか、に尽きると思います。テレビ番組が野球ばかり取り上げるなら、サッカー専門の番組を作ればいい。スポーツ誌(紙)が野球中心なら、サッカー専門誌(紙)にすればいい。野球とサッカーが協力する事ばかりが共存ではなく、むしろ競合する事によってスポーツ全体に対する興味と関心を広げて行く。それが本来の「共存」の姿なのではないでしょうか。

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