守備の再構築
1st stageのサンフレッチェの得点は15だったのに対して失点は19。1試合平均1得点の攻撃力はリーグで下から2番目と得点力の不足に苦しみましたが、逆に失点は少ない方から数えて4番目。トムソン監督の時代のように穴熊のように守って守って、と言う戦術ではなかったものの、得点をあまり取れないことを考えて、失点しないことを重視した戦術を取らざるを得なかったように思います。
それに対して2nd stage 5試合の得点は7。1試合平均の得点1.4は1st stageよりは良くなっているのですが、しかしそれでもリーグでは下から4番目で、首位を走る浦和の1/3でしかありません。また失点10はリーグ全体では9番目に良いのですが、1試合平均2失点と言うのはとても褒められた成績ではありません。サンフは1st stageの反省から得点力アップに取り組み少しは改善したのですが、その代わりに守備力が落ちてしまった、と言うのが現状です。
得点力が上がった一番の原因は、やはり2nd stageから加入した盛田とベットの存在が大きいと思います。高さと技術のある盛田が前線に張っていて、戦術眼のあるベットがボールをキープしパスを出す事で攻撃にアクセントができたのは事実。セットプレーからでも流れのなかでも点を取れる、と言う経験が積み重なって、チーム全体に点を取る「自信」が芽生えつつあるように思います。
その一方で失点が増えたのは、4バックの導入と無関係ではないでしょう。駒野、服部という守備が強く攻撃力のある両翼を持つサンフが、彼らの力を最大限に生かすために4バックを採用するのは分かります。またユースの高柳の成長が著しく来季のトップ昇格が確実視される事も考えて、少なくとも駒野が戻ってくるまでは何とか我慢して、その後4バックの完成を目指す、と言う心づもりだったのだろうと思います。そしてG大阪相手の練習試合で3バック、4バックの両方を試して4バックの優位性が明らかになり、PSMの大分戦でもうまくいって、これでやれる、と言う手応えを得ての4バック導入だったのではないでしょうか。
しかし誤算が2つあったのではないか、と思います。一つは2試合程度で戻ってくると思っていた駒野が大怪我をしてアテネから戻ってきたこと。そしてもう一つは、弱点を見つけたら徹底的に突いてくると言うプロの厳しさでした。
市原戦と柏戦は、高柳が入った右サイドを何度も攻められました。高柳の能力が低いとは思わないのですが、しかし経験不足は明らか。何度かやられるうちにみるみる自信を失っていって、アタックするところ、ディレイするところの判断が出来ていなかったように思います。
また、リカルドと小村のコンビネーションもいまひとつだったと言えるでしょう。足元の技術があってスピードのあるリカルドはカバーリングに素晴らしい能力を発揮しますが、逆にカバーリングの意識が強すぎて余り気味になる傾向があります。一方の小村は高さには自信を持っていますが、年齢から来るスピードの衰えはやはりどうしようもないところ。従って一歩速い判断からボールをカットする事に集中していたように思いますが、その一方で判断を誤った時の傷も大きかったように思います。攻められるとパニックになってしまう右サイド。高さの無い選手とスピードのない選手の組み合わせのCB。運動量のある序盤戦ならばなんとか誤魔化すことができても、少しでも体力がなくなるとすぐに相手にペースを握られてしまう、と言うのがこの間のサンフの弱点だったと言えるのではないでしょうか。
そこで昨日の横浜戦ですが、後半に押し上げられない時間帯が続いて精神的に大変だったものの、守備を再構築するためのきっかけがつかめた、と言って良いのではないかと思います。小村がラインコントロールした3バックは、中盤でのパスミスが目立った後半を除けば良く押し上げて相手FWの自由を奪っていましたし、中盤より前の高い守備意識も素晴らしいもの。バックパスをかっさらってワンタッチでDFラインの裏に抜け出そうとして松田の退場を誘った森崎和のプレーは称賛されるべきだ、と思います。DFは勇気を持って押し上げる。中盤の選手は狭まったスペースのなかでしっかりとキープして、マイボールを失わないようにする。そしてFWはチャンスに集中して得点を奪う。この役割分担がうまくいく可能性を見せた事が、このゲームの一番の収穫だったのではないかと思います。
次節はリカルドが戻ってきますが、できれば小村がセンターに入る守備組織をもう一度見たいと思います。両サイドはもちろん、駒野と服部。トップは盛田のワントップか、誰か好調な選手と組んでの2トップ。そして中盤ですが、どんなことがあっても森崎兄弟とベットの組み合わせは変えないで欲しい。と思います。特に横浜戦の後半からのベットがトップ下で森崎和がボランチ、と言うのはイマイチでしたし、とにかく森崎和がどんどんトップを追い越してDFラインを越えていくシーンを作って欲しいもの。サンフでも過去の年代別代表でも、彼が攻撃にかかったときにこそチームの流れが良くなっていたわけで、やはりそれは今でも同じなのではないでしょうか。良い攻撃は、良い守備から。次節は新潟の誇るブラジル人3トップをしっかり抑えて、大量点で勝って欲しいものです。
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