ヴェルディ戦の感想
3日遅れで見たヴェルディ戦ですが、久々に内容と結果が伴ったゲームを見た、と言う感想を持ちました。ヴェルディの出来が悪かったのは確かです(たぶん「中位のメンタリティ」がもろに出たのでしょう)が、しかしそれだけであの内容になったとは思えない。サンフがきっちりと自分たちのサッカーをしたこと、それも90分続ける事ができたことが、勝因だと言ってよいと思います。
まずはキックオフから17秒で奪った得点は、ハイボールに競り勝ってマイボールにした盛田も素晴らしかったのですが、それ以上に良かったのはベットも大木も茂木もゴールに向かう姿勢を持っていたこと、特にこぼれ球を拾った茂木がすかさずシュートを放ったことでしょう。ゴールはDFに当たったボールがたまたま大木の前に飛んだというラッキーもありましたが、チーム全体から迸る積極的な姿勢が生んだゴールだった、と言って良いと思います。
しかし本当に良かったのはその後、特に後半に入ってからだと思います。前半サンフに圧倒されたヴェルディは、三浦淳宏を右サイドに入れて再構築を図ってきました。そしてその矢先にリカルドの軽いプレーから大ピンチ。ここは運良く切り抜けたものの、ヴェルディに勇気をあたえてしまいました。そして案の定ヴェルディは、小林大と小林慶を中心にパスをつなぐと言う得意のサッカーが戻ってきます。ここでもし失点していたら、あるいは盛り返すことができずにズルズルと行っていたら、またもやここ数試合と同じパターンに陥っていたかもしれません。
それを凌いだのは小村を中心とした守備陣の頑張りと、そしてここぞと言うところでの鋭い攻撃でした。特に後半10分ぐらいには高い位置でボールを奪って連続攻撃を仕掛け、最後は茂木のクロスからベットが惜しいヘディングシュートを放ちます。更にベットのスルーパスで抜け出した田中の思いきったシュートで、相手ゴールを脅かします。どんなにボールを支配していても、奪われた瞬間に逆襲されてシュートまで持ち込まれる、と言うのは嫌なもの。攻めに行ったときでもついつい及び腰になってしまうものですが、この時間帯のヴェルディはまさにそんな感じだったと思います。そして、田中がボールを奪い、盛田とベットがドリブルで持込み、最後は長駆ペナルティエリアまで来た李がフリーでシュートを叩き込むと言う理想的な攻撃で追加点。この得点は押し込まれた時間帯に我慢して、ボールを奪った瞬間に切り替えを早くしようとしていたチーム全体の姿勢の賜物だった、と言って良いでしょう。
更にその後、ヴェルディのチャンスが続きました。サンフも疲れからか運動量が落ち、またミスも目立つようになりました。しかし頑張る気持ち、集中を切らさないようにしようという選手達の気持ち。そしてその思いに応えようと大声援を送るスタンド。勝利のためには、もう迷わない。そう言うチーム全体から立ち上る覇気が、テレビの画面からでも伝わってきます。その中でチームにフレッシュな力を注ぎ込むために途中から投入された選手3人の力だけで追加点を挙げたこともまた、特筆すべき素晴らしい事でした。
思うにサンフはこのゲームで、特別なことは何もしていないと思うのです。確かにいつもよりはラインは低めだったかもしれません。しかしそれは「べた引き」とは違うもの。ここぞと言うところではしっかりと押し上げて、中盤のスペースを与えないようにして、そして「高い位置でボールをカットして、人数をかけて攻め切る」と言うチームコンセプトを実行できていました。迷ったときには原点に帰れ、と良く言うのですが、まさにサンフレッチェが目指しているサッカーの原点に戻ったからこそ、この勝利を得る事ができたのではないでしょうか。
次の相手は、1st stageで接戦を演じた末に力負けした鹿島です。2nd stageも5位とまずまずの位置に付けているチームですが、しかし怖れることはありません。むしろサンフがいかに普段通りのサッカーが出来るか、が勝敗の分かれ目になると思います。ヴェルディ戦でつかんだものを確固としたものにできるかどうか。自ら精神的に崩れることがないかどうか、が勝敗の分かれ目になるような気がします。
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