昨年1年、サンフレッチェがJ2で戦ったときには「もうJ2はたくさん」と思ったものですが、一歩引いた客観的な立場に立つと、これはなかなか興味深いものがあります。特に今年は3位にも昇格のチャンスがあり、また来年は新たに昇格してくるチームがあるかも知れない。昨年以上に激戦の予感がしたJ2ですが、その予感通りの激しい展開になりつつあります。川崎が着々と勝ち点を重ねる一方で、その他のチームはまさにダンゴ状態。特に2位の福岡から9位の鳥栖までは8チームが勝ち点5の間にひしめき合っています。その一方でJ1経験のある湘南と札幌が最下位を争っていて、どこが相手でも全く気が抜けない状態です。本人達にとっては「もうやめてくれ」と言いたくなるような展開は、しかし客観的に見れば非常に面白いものだと言って良いでしょう。
そんなわけで(というよりもJ1のリーグ戦がお休みだったので)、このところJ2のゲームをよくテレビで見ています。その中で昨日は、仙台×札幌の録画放送を見ました。第7節まで1勝6敗の成績で「今年は終った」と言われていた仙台。逆に立ち上がりは良かったものの、第5節以降2分け9敗の札幌。どちらも目覚ましい成績、とは言い難い両チームの対戦でした。
しかし、内容はと言うとなかなか見ごたえのあるゲームだったと思います。「強い市原」のベースを作ったスロベニアの名将・ベルデニック監督が率いる仙台。コーチとしてジュビロの黄金時代を支え、昨年は指揮を執っていた柳下監督が率いる札幌。どちらも昨年のメンバー構成から大きく転換して、若手の育成とチーム力アップと言う2つの命題を解くことを求められています。従ってチームの勢いに揺らぎが出るのもまた当然で、それが不調の原因にもなっていたのではないでしょうか。どちらのチームも選手がよく動き、ボールをきっちりつなぐ事を意図したサッカーを展開していたように思いました。
もちろん、J2をJ1と比較すれば、劣っている面があるのは確かです。今年サンフレッチェが序盤戦で苦しんだように、J1にはJ2以上のプレーと判断のスピードがあるし、また個々の選手の技術と戦術も優れています。しかしJ2のチームの真面目さ、戦術に対する忠実度はやはり昨年広島が苦しんでいた通り。仙台も札幌も監督の高い要求にチーム全体で答えようと必死になっていて、それが少しずつ形になりつつあると言う印象を受けました。
今年のJ2が昨年以上の混戦になっている原因は、やはり多くのチームが昨年以上にレベルアップしているから、に違いないと思います。昨年わずかの差で昇格を逃した川崎は、今年は更にレベルアップを果たして突っ走っていますし、福岡は昨年の後半に見せていた勢いを今年に繋げようとしています。横浜FCや山形、甲府は相変わらず粘り強い戦いを続けていますし、大宮はダニエルの働きが悪いと見るやトゥットを獲得しました。そして昨年はチーム崩壊状態だった鳥栖も、今年は松本監督の元できっちりとしたサッカーを見せるようになっています。昨年でも舐めて勝てるチームは無かったのですが、今年は昨年以上にその傾向が強いと言って良いのではないかと思います。
今年のJ1は自動降格が無く、最下位になった場合に限ってJ2の3位との入れ換え戦に回ることになります。J1で戦っていると何となく「J2の3位になら勝てるのではないか」と思ってしまいがちなのですが、絶対にそんなことは無い。1試合だけなら分かりませんが、2試合戦ったらJ2のチームはまず間違いなく徹底した対策を練ってきます。そんな相手と未来を賭けて戦うはめにならないよう、とにかくサンフレッチェには勝ち点を稼いでおいて欲しいものです。
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