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2004.02.18

ほんとうの戦い

今の日本代表(U-23代表を含む)には燃えるものがない、と思っていたのです。監督への疑問、協会への疑問が多すぎて、クラブほどは愛せない、昔ほどは盛り上がらないと思っていたのです。でも、始まってみるとやはりワールドカップ予選は独特のもの。その雰囲気と緊張感は、やはり親善試合などとは全然違います。

最初の流れは最悪でした。ヨーロッパ組を呼び戻して「ベストチーム」を作ったはずが、全くのバラバラ。それぞれの個性が生きていない様子がテレビの画面からも一目瞭然でした。まあ、当然ですよね。だって合宿に参加していなかった選手が「飛び入り」してできたチームなんですから。その上国内組の選手たちは、これまで1ヶ月も拘束されて練習してきたのはなんだったの?と不満が出ても不思議ではありません。

でも、最後は「勝てないかもしれない」と言う危機感からか、やっとチームに一体感ができたような気がします。チーム全体が勝ちたいという気持ちを押し出して、前懸かりに攻めた。その結果が、ロスタイムの久保のゴールだったと言えるでしょう。そこに至るボールの流れはほんと、偶然としか言いようの無いものだったのですが、久保もよくぞあの場面で冷静に決めてくれました。

「ワールドカップで本当に厳しいのは予選である」とはジーコ監督も言っていた言葉ですが、このゲームはまさにその言葉通り。我々はこれから1年半に渡ってこの痺れる戦いを体験することになるわけで、今日のはほんの序の口です。これまでのような集中開催とは違う、長丁場のホーム&アウェイのワールドカップ予選。日本のサッカーの総合力が問われる戦いとなりそうです。

(このウェブログはサッカー以外の話題について書くという事にしていたのですが、さすがに今日は他にテーマを思いつきませんでした。)

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2004.02.14

スポーツを語る(続き)

山際淳司さんはエッセイや普通の小説なども書いているため、その著作を一言で語ることはできません。でもスポーツノンフィクションについて言えば、選手の心理とその移り変わりを丹念に追ったところに特徴があったように思います。そして、彼の著作はその後のスポーツノンフィクションに多大な影響を与えた。少なくとも「ナンバー」に載っている記事の多くは、その路線を踏襲しているのではないでしょうか。

もちろん、そういう内容がスポーツファンの読者のニーズに合っているのは確かだろう、と思います。テレビで、あるいはスタジアムで超人的なプレーを見せる選手達も、悩みや苦しみを抱えている。そして家族やコーチの支えがあって、それらの困難を克服して華やかな場所に立っている。スポーツ観戦にカタルシスを求める人にとっては、選手も同じように人間的な悩みを抱えている、と言うストーリーは強い共感を呼ぶものなのだと思います。

しかしそのような「ストーリー」は、誰でも同じように持っているものであるがゆえに、陳腐化しやすいように思います。そして読者に飽きられるのを避けるために、作られたものになりがちです。感動を求めてスポーツとそのエッセイを読む、と言うのが多くのファンの心理ですが、しかしそれに擦り寄ることはジャーナリズムの死をも招くことになりかねません。

スポーツは別に社会にも人生にも不可欠のものではありません。しかしその存在は、社会とも、あるいは選手と関係者だけでなくファンやその他の人々の人生とも不可分のものです。山際さんの視点(と言うよりも、そのフォロワーの視点)は一つの見方ではありますが、しかしそれだけではないでしょう。

例えば、木村元彦さんの「ユーゴスラビアサッカー戦記 悪者見参」。あるいは、佐山和夫さんの「史上最高の投手は誰か」。次に本屋でスポーツ関連の本を買うのなら、ぜひこのような本を手にしたいと思います。

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2004.02.13

スポーツを語る

スポーツはやるのも見るのも好き、と言う私にとって、「ナンバー」がバイブル的存在だった時期があります。「ナンバー」と言うのは、言うまでもなく文藝春秋社が発行するスポーツグラフィック。スポーツそのもの、あるいはスポーツ選手にスポットを当てたエッセイ、インタビュー、評論などをメインコンテンツとする雑誌です。これを読むことによって、スポーツがより深く理解できる。テレビやスタジアムでプレーを見る以上に楽しむことが出来る。スポーツを見るための手引書として、あるいはSANFRECCE Diaryを書くための参考書として、ずいぶん役に立ちました。

スポーツエッセイ、と言う分野がいつ頃確立したのかは知りませんが(ひょっとすると「野球」と言う言葉を創造した正岡子規以来かも)、その中で大きな足跡を残した一人が山際淳司さんであることは間違いないでしょう。彼が「ナンバー」創刊号に掲載した短編「江夏の21球」は名作として名前を残しましたが、それだけでなく「ナンバー」のその後にも大きな影響を与えたように思います。

(日付が変わろうとしていますので、ここでいったん切ります。)

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2004.02.01

オレンジの原点

プロクラブの昇格争いを題材にしたマンガ「オレンジ」の作者、能田達規さんはサンフレッチェのサポーターとして知られています。2001年から連載が始まったこの作品は、別にサンフレッチェを意識していたわけではないようです。しかし現実のJ2での戦いと同時期に進行する昇格争いに、作者の熱い思いを感じていた人も多かったのではないでしょうか。

この能田さんの出世作とも言える作品が、94年から95年にかけて週刊少年チャンピオンで連載されていた「GET!フジ丸」です。舞台は、女子校から共学になったばかりの高校の新設サッカー部。ここにブラジルからやって来たスーパープレーヤーがチームを強くする、と言う物語で、ほのぼのした雰囲気と対照的なスピード感豊かなゲームシーンの描き方が、私は大好きでした。

Jリーグ開幕直後のサッカーブームの時期に出て、テーマがやや地味で雑誌がマイナー(失礼!)だったこともあってあまり脚光を浴びることの無かった作品ですが、設定と言い展開と言いいわば「オレンジ」の原点。残念ながら今は新刊では手に入らないようですが、もし古本屋などで見かけることがあったら、ぜひ手に取ってみて欲しいと思います。

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