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2008/03/13

インド出張終了

rickshaw

昨日はインドでの仕事の2日目だが、研究会"India-Japan Workshop on Quantum Beam Science"としては最終日である。前半はインド人の講演2つ、後半は日本人の講演が2つあった。

インド人の2人目はMazmuderと言う人で、小角散乱が専門である。実はこの人とは因縁があって、小角散乱国際会議SAS2006の時に「自分をInternational Advisory Committeeに加えないのはけしからん」と組織委員会にねじ込んできたことがある。組織委員会では一応どんな人が調べ、インドの他の研究者のアドバイスも受けてお断りしたのだが、その時にこの人の名前が頭の中にインプットされていたのだ。それほど自信たっぷりの人ならどんな発表をするのだろう、と興味津々で見ていたのだが、中身は相転移点近傍のdynamical scalingがどうのと言う話で、重箱の隅をつつくような内容で面白くなかった。そういう意味では、あの時の組織委員会の判断は正しかった、と言えるだろう。

後半の1人目は物構研ミュオン施設の門野さん。核破砕反応でミュオンを発生させる原理からスタートしてどう言う測定ができるかと言う話まで、幅広く説明してくれて分かりやすかった。

2人目は物構研PFの加藤さんで、構造生物学の話。タンパク質の構造解析のためにどのように試料を準備して測定し、生体機能に結びつけて行くかと言う研究を概観した。この分野は世界中に山ほどやっている人がいて、その上創薬などにも関わるため非常に激しい競争の中にいるわけで、そんな中でどのように勝ち残って行くかと言う考え方が垣間見えるような発表だった。(もっともこのような研究の中でどのように研究者としての個性を発揮して行くのか、誰もやっていない研究に発展させるにはどうするのか、と言う点は見えにくい発表ではあった。)

ところでこの研究会は、もともとは「総研大の出張講義」だと聞いていた。インドと日本から100名以上の大学院生が来て、様々な分野のエキスパートの話を聞くことにより加速器から発生する量子ビーム(X線、中性子、ミュオン)を利用する研究の全貌が分かる、と言ううたい文句だったらしい。ところが、私が出席した2日間の聴衆は、平均で30人前後。時間帯によっては20人ちょっとしかいなくて、大学院生はその半分程度と言う状況だった。たまたまこの2日間だけがそう言う感じだったのかも知れないが、せっかく遠くまで来たのに残念だったと言わざるを得ない。

とは言え、この会議を組織したインド側の研究者の我々に対するcareはなかなか良かった、と思う。空港、ホテル、研究所の送り迎えを全部やってくれたのはもちろん、食事も全部用意してくれたのでホテル代以外は一切お金を払う必要がなかった。特に、研究所のホールでお皿にご飯とカレーを分けてもらってインド人と同じように(と言ってもさすがに手では食べなかったが)食べると言う体験は、なかなか貴重なものだった。唯一、全く観光らしいことをしていなかったのが残念と言えば残念。

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