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2007/10/06

ストライキと会議全体の感想

Bitte nicht einsteigen.

今日の8時過ぎに関空に到着するルフトハンザ便で、今回の長い出張からもどってきた。昨日も書いたように元々の予定は金曜日の朝までアーヘンに滞在してデュッセルドルフに移動し、そこからフランクフルトで乗り継いで帰ってくる、と言う事だった。ところがドイツ国鉄(Deutsches Bundesbahnだから「ドイツ連邦鉄道」かな?)の組合がストライキをすると言う情報が飛び交っていて、アーヘンからデュッセルドルフに移動するのはたぶん無理。木曜日のうちに移動するならデュッセルドルフに行くのもフランクフルトに行くのも時間的には一緒(Eurail Passを持っていたので料金も同じ)なので、どうせならフランクフルトに宿泊することにしよう、と言うことにしたわけだ。そして、当日の朝フランクフルト中央駅に行ってみたらほとんどの列車が止まっていて、普通に空港に行くのは無理。唯一運転していたICE(ドイツの新幹線)がフランクフルト空港駅に停車するので、これに特急券無しで乗って(駅員に構わないことを確認した)何とか空港に行くことが出来た。ICEはデュッセルドルフ空港には行かないので、前日泊をフランクフルトにしたのは正解だったわけだ。

ところで国際会議(International Soft Matter Conference)だが、全体を見渡して日本の研究者の発表の質はヨーロッパに比べて遜色がないどころか勝っている点もいろいろある、と言う印象を持った。そもそも全体の発表が600件ぐらいあるうち口頭発表はその1/4程度なのだが、日本人は40人のうち15人も口頭発表者に選ばれていた。もちろん、遠くからわざわざ来るからには自信がある発表が多いのは確かだろうが、それにしても世界のソフトマター研究の10%程度(あるいはそれ以上)をカバーするぐらいのパワーを持っている、と言っても良いと思われる。発表内容も日本人のものは総じて質が高く、「世界」に存在感を示すことができたのではないだろうか。

その一方で、日本ではあまり流行らない、あるいは研究者の層の薄い分野も目立った。主に感じたのはコロイドと生物物理の分野なのだが、特に後者はソフトマター物理にとっては究極の目標の一つなのに、日本でこれに正面から取り組んでいる研究者があまり多くない(あるいは「物理」としては目立っていない)のは残念なことだ。これはたぶん、日本の場合は「生物物理」と言えば多くが「タンパク質結晶学」になってしまうと言う事情に関係しているのではないだろうか。この分野は今後の大きな発展が望めるだけに、我々も良く考えなければならないのではないか、と思った。

一方日本では研究者人口の多い高分子と液晶は、比較的少なかったような感じがした。日本の場合、この2つの物質系は化学工業関連の巨大な分野に繋がっているため研究者人口も多いのだが、少なくともこの会議では思ったほど多くは無かったような気がする。ノーベル賞を取ったド・ジャンの初期のテーマが液晶と高分子で、これによってヨーロッパのソフトマター研究が大きく進んだと言うことは良く知られていることだが、その分野があまり目立たなくなっている、と言うことが本当だとすれば(私の単なる印象ではなく、と言う意味)、それもまた興味深いことである。

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