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2007/10/31

科研費申請書類提出

午前中、岩倉実相院に行ってきた。来年の6月に科研費特定領域「非平衡ソフトマター」の国際会議を行うのだが、そのためのポスターを実相院の「床緑」を使って作ったところ評判が良かったので正式に「使わせて欲しい」と頼みに行ったのである。特定領域の代表の太田さんと一緒に行ったところ、広報の人が対応してくれてプロが撮影した大きなポジフィルムを貸してくれた。これならきっと立派なポスターができるであろう。

午後は科研費の申請書類の完成に集中する。明日が京大の事務への提出締め切りなのだが、EPJEの論文の締めきりも明日なので先に科研費を済ませたかった、と言うわけだ。広い机と画面が欲しかったので6号館に行ってやったのだが、さあできたと思ってフォルダを見たらなぜかtexのソースファイルだけが無い。NASに保存したファイルを直接編集していたのが悪かったのだろうか。それが悪かった、とは思えないのだが... 一つ前のtexファイルのバージョンは発明センターにあったので、結局は発明センターに戻って直して提出、と言うことになってしまった。

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2007/10/30

SPring-8シンポ2日目

SPring-8シンポジウムの2日目。最初の方はユーザーグループの報告だったが、自分の専門から遠かったので後の方で聞きながら自分の仕事をしていた。昼前からの招待講演は、元名大の八田先生による「皮膚」の話と、カネボウ化粧品の井上さんによる「毛髪キューティクル」の話だった。どちらもX線小角散乱を産業に応用した、と言う話でそれなりに面白かったが、もう少し良く考えれば本質を理解するような話に持って行けるような気がした。

昼からのポスターセッションでは、主に「兵庫県ビームライン」と「ピラタス」の話を聞いた。後者のピラタスは最近リガクがPSIからライセンスを取って売りたがっているカウンターなのだが、聞くところによると元々はSPring-8の人が共同開発したものだった、とのこと。リガクが勝手にPSIから輸入して売ることに対しては、少々気に入らないことがあるかのような言い方をしていた。また谷森さんが開発しているマイクロストリップのカウンターとの比較について聞いたら、ピラタスの方がダイナミックレンジが広いのだそうだ。

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2007/10/29

SPring-8シンポジウム

サンライズエクスプレスは5時半頃姫路に到着。その時間からSPring-8に向かうのは早すぎるので、姫路駅で改札から外に出てみた。そしたら駅構内に待合室らしいものはなく、やむなく向かい側のバス乗り場のイスに座って時間潰しをした。そして通学する高校生と一緒の電車で相生まで行き、SPring-8までのバスに乗って8時20分頃着。寝不足が祟ったのか、会議中は眠くて仕方がなかった。

SPring-8シンポジウムから利用者懇談会総会、そして懇親会と滞りなく進み、8時から小角散乱研究会、高分子科学研究会、高分子薄膜研究会の合同の研究会を行う。京大工の松岡さん、産総研の横山さん、北九州市大の櫻井さんが話をしたのだが、それぞれなかなか面白かった。また参加者も予想していたよりも多く、議論も活発で有意義だったのではないだろうか。

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2007/10/28

PFからSPring-8へ

Sunrise Express

Sunrise Express

今日も一日中PFでSAXSの実験。前日に宿舎に戻ったのが深夜3時頃だったので、実験室に行ったのは10時ぐらいだった。午前中は主にMH君が昨日セットアップしたカメラ距離のままで実験。昼食の時間頃からカメラ長を長い方に変更する作業を行う。前日のカメラ長の設定は7時間ぐらいかかったが、今日は数時間で済んだ。

これで僕が実験に付きあわなくても良さそうだと言うことになったので、つくばセンターまで送ってもらって東京へ。夜10時東京発の「サンライズエクスプレス瀬戸」に乗って、SPring-8方面に向かう。

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2007/10/27

PF実験始まる

今日からPFでの小角散乱実験。今回はいつものメンバーである眞山さんや学生だけでなく、北畑さんや武仲さんまで来て総勢7人の大所帯で実験している。最初のビームライン調整の部分でちょっとしたケアレスミスがあって時間をかけてしまったが、何とか解決して夕食前から測定に入ることができた。今回は僕自身の測定はないので、調整ができてしまえばやることはあまりない。と言うことで、夕食後は科研費の申請書書きをした。また少々疲れたので、Google Mapを使って「京都の地図」を作った。これは地図の中にこのブログの記事を落したもので、特に写真が掲載されているものをピックアップしている。ほぼ1年分を入れたので、興味のある方はどうぞ。

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2007/10/26

論文の図の修正

Mana Ueno at Akihabara

午前中は発明センターでEPJEの直しをする。文章はあまり直すところはなかったのだが、図の修正点が多かった。因みに論文の図は、Igor Proで作ったグラフをまずEPSで保存し、Canvasで微調整して再びEPSにする、と言うプロセスを踏むのが僕のやり方だ。だが、Igor ProもCanvasもEPSの作り方が悪いのか、文字が消えたり並び方がおかしくなったり、と言うことが起きる。そこで最終的にはIllustratorで修正しなければならないのだが、これがあまり言うことを聞いてくれないので満足できる図になるまで結構時間がかかるのだ。もっともIllustratorが言うことを聞かないのは、僕がちゃんと使い方を覚えてないだけなのだが。何にしても困ったものである。

午後も論文の修正をし、共著者に送った後は科研費の書類の修正をする。そして馬さんに送ってもらって理学部へ行き、人事委員会に出席した後で高エネ研に移動した。

ところで写真は移動の途中の秋葉原で見かけたストリートライブ。上野まなさん、と言うインディーズアーティストだとのこと。時間が無くてじっくり聞けなかったのが残念。

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2007/10/25

熱力学第3回

午前中は熱力学の授業の第3回。準静的過程から比熱、分子運動論、気体の圧力について話をした。ざっと人数を数えたところ、出席者はだいたい40人。登録者が120人ぐらいなので1/3しか出ていない事になるが、もともと京大は出席に厳しくない上に最初の授業で「出なくても結構」と宣言しているので、全員欠席でも不思議ではないわけだ。それでも40人も出てきていると言うことは、そう悪くはない事なのかも知れない。

昼から午後は北部でちょっと用を済ませて、夕方頃発明センターに戻る。そして科研費のもう一つの申請書書きと、EPJEの最終版に向けての修正作業をした。

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2007/10/24

RI施設点検

Clock tower, Kyoto Univ.

午前中は理学部全体でRI施設の点検があった。RI施設やX線発生装置が法令に従って使用されているかどうかチェックするのが目的で、京大全学で1年に1度行われている。昨年と一昨年は文部科学省からの調査が入っていたため行われなかったと言うことと、物理教室の放射線取り扱い主任者が坂口さんから谷森さんに交代していると言うこと、更に耐震改修のため退避中であることなどあって混乱も予想されたのだが、ほぼ滞りなく行われて良かった。

午後は物理第二教室でのセミナーに出席する。KEKの清水さんが「小型中性子源」をテーマに話をした。その後発明センターに戻って科研費の書類作りやKS君との議論をして、夕方から研究室で宴会をした。

#ところで写真は京大本部の時計台とクスノキですが、本文と特に関係はありません。

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2007/10/23

科研費の申請書

今日はNさんやKS君との議論をしたりRI棟へ行ってSAXSのビームラインのチェックをしたりしたが、他のほとんどの時間は科研費の申請書作りに費やす。僕はどちらかと言うとこう言う文書書きは速い方だと思うのだが、それでも新規の申請なので(昨年までの使い回しはしない)結構時間が取られるものだ。明日以降のスケジュールを考えるとできれば今日中に一つ仕上げてしまいたかったのだが、完成度70%と言うところで時間切れとなってしまった。

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2007/10/22

課題演習の部屋で

午前中は研究室セミナー。京都産業大の細野さんが、感染症の伝播についての理論と計算の話をした。

午後は課題演習。このところ毎回やっているように、Fourier変換の実習から開始だ。いつもはBZ反応の画像解析と微分方程式の数値的解法、そして静的・動的光散乱を行うのだが、耐震改修のために光散乱装置を眠らせてあるので今回は2つだけ。と言うことで、今日は6号館のB8の部屋に全員が集まって2グループに分かれて実験を行った。私もその部屋に行ったのだが、北畑さんの他にPDの有賀さんも来てくれて、その上TAの院生が3人も付いているので教える側が学生の1.5倍もいる。なので僕は特にやることもなく、部屋の中で主に科研費の申請書書きをしていた。

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2007/10/21

三十三間堂と狩野永徳展

Sanjusangendo(三十三間堂)

今日は京阪七条の東、三十三間堂と京都国立博物館に行ってきました。三十三間堂は通勤の途中にあるのでいつでも行ける場所なのですが、これまで何となく縁がなくてたぶん20年ぶり(高校の修学旅行で行ったはず)ぐらいの訪問でした。1001体ある、と言う千手観音像や湛慶作だと言われる二十八部衆立像など、これでもかと言うほどの仏像の群れには圧倒されました。

そして国立博物館では、狩野永徳展をやっていました。安土桃山時代から江戸時代にかけて隆盛を誇った狩野派の中にあって、最も「大物」と言える狩野永徳。彼の作品のほとんどは安土城や聚楽第とともに焼失してしまい、真筆と言えるのは10作もない、とのことです。その中のいくつかと、関連する作品(永徳作と言われる作品や、祖父や父の作など)70作が集められた展覧会は壮観でした。史上初の大回顧展、と言われるこの展覧会。今日は人が多くてあまりじっくりと見れなかったので、11/18までにもう一度行ってみたいものです。

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2007/10/19

講義ノートのアップロード

今日はSAXSの調整にRI棟に行こうかと思っていたのだが、雨がどんどん激しくなってきたので断念。昨日の「熱力学」の講義でホームページのことを聞かれたので、"Lecture"の部分を更新して講義ノートをダウンロードできるようにした。またその後研究室セミナー。フランスから来ているアンドレさんが、マイクロ流路の実験の話をした。

午後はEPJEの原稿の修正をする。共著者からのコメントをもとにちょっとだけ実験データの解析のし直しをしたりして、図の作り直しをした。

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2007/10/18

熱力学の第2回

今日は「熱力学」の授業の第2回。主に「状態方程式」と「状態量」の話をした。予定としては「準静的過程」や「比熱」の話もするつもりだったのだが、意外に時間がかかってしまった。

講義が終わった後理学部に行って、まずはCOEの委員長会議。続いて教授会に出席して、発明センターに戻る。そして夕方研究室の何人かと来週のPFでの実験についての打ち合わせをした。

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2007/10/17

EPJEとJPSJ

今日はやや早起きだったので、朝食前にEPJEの論文原稿を見直して共著者に送る。そして研究室に行ってからもう一度見直したところ結構直すべきところがあったので、午前中はその直しをして昼前に改訂版を共著者に送った。返事が返ってくるまで時間があるはず、と思って午後はRI棟へ行ってSAXSのビーム調整。そして研究室に戻って科研費の申請書を書こうと思ったら、早くも共著者から返事が来たのでその修正に専念。結局今日の仕事の大半はEPJEの原稿書きだった。

ところで夕方頃KS君から「JPSJに投稿した論文がeditor's choiceに選ばれた」との連絡を受けた。この論文の実験結果は画期的なものだ、と言うことは分かっていて、いろいろな人からもっと良い雑誌に投稿すべきではないか、と言われていたのである。しかしeditorやrefereeとのやりとりで時間がかかったら嫌なのと、万一研究成果を盗まれたりしたら困るので最も信頼できる雑誌、と言うことで日本の物理学会の英文誌を選んだのだった。投稿した時は「ひょっとしたら何か賞をもらえるかも」などと思ったりもしたのだが、こんなに早く評価される、とは思っていなかった。この「受賞」は僕にとっても嬉しいことなのだが、それ以上にKS君の将来にとって大いに役に立つのではないだろうか。

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2007/10/16

KEKでの会議

今日は会議のためKEKへの出張だった。目的は、J-PARCでどういうサイエンスをやって行くか、と言うことの議論。他にもそのための委員会があるらしいのだが、今後10年、20年の事を考えて40代よりも若い世代を集めた話し合いをスタートさせよう、ということなのだそうだ。今日はその1回目と言うことで、物構研の池田さんがJ-PARCの現状について説明して、今後どのように進めて行くかと言うことについて話しあった。

会議が終わった後、山田君のところに行ってEPJEの論文の内容について議論。そのついでにつくばセンターまで送ってもらった。

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2007/10/15

課題演習初回

午前中は6号館に行って、色々とメールの処理をしつつ論文の原稿書きをした。もともとNISTのデータを元にしてletter paperにしようとして原稿を作っていたのだが、この前の国際会議の論文の締め切りが11/1まで延びたので、それに間に合うように仕上げたい、と思ったわけだ。この前の原稿の段階ではデータ解析の部分が少々怪しい、と言う感じがしたのだが、過去のデータを合わせてfull paperとしてまとめればしっかりしたものが書けそうな気がする。国際会議の論文、とは言え雑誌はEurophysics Journalで、regular articleとして審査されると聞いている。と言うことで一生懸命書いていたらあっという間に昼になってしまって、SAXSの様子を見に行く時間が無くなってしまった。

午後は課題演習B8の第1回。今回は4人の3回生がやってきたのだが、マレーシアからの留学生やボート部の選手、体育会の幹部などバラエティに富んだメンバーで、なかなか面白いことになるかも知れない。

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2007/10/12

第一専攻

午前中は研究室の予算についての打ち合わせをした。昼休みにバイク修理に持って行って、午後は第一専攻会議。議題はいろいろあったのだが、特に大学院入試のやり方についての議論に時間を使った。

会議終了後に発明センターに戻って、科研費申請の準備を始める。今年度は今までもらっていた基盤研究の最終年度なので、来年のためには必ず当てないと...

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2007/10/11

熱力学の授業など

今日の午前中は「熱力学」の授業の第1回。「教科書を読めば分かる人は、授業に出なくてもいい」だの「試験さえできれば単位は出す。中間試験を受ければ、単位取得のために有利になる」など授業に臨む上でのtipsを説明した上で、熱力学の歴史から説明を始めた。昨年の授業では聴覚障害者のためのノートテイカーがいたりして少々気を使ったのだが、今年はそれはないからか少々調子に乗って喋りすぎたかも。予定ではファン・デル・ワールス気体やビリアル展開まで行くつもりだったが、理想気体までしか説明できなかった。

授業後に工学部に寄って首都大の門脇さんのサンプル(ILLの実験終了後に預かってきたもの)を田畑さんに渡して理学部へ。昼休みは組合の支部委員会に出席する。その後物理事務室に行ってKさんにX線装置関係の書類の作り方を教えてもらい、久々にRI棟に行ってX線発生装置のまわりの線量測定(マッピング)をしてきた。

X線の書類を提出した後いくつか6号館で仕事をこなし、4時半ぐらいに発明センターに移動する。バイクで帰宅するつもりだったので学内に置いてあったGPZ1100を動かそうと思って行ってみたところ、まずはU字ロックが錆びついていて開かないのには参った。やむなく物理教室の北棟に行ってCRC-556を取ってきて何とか外すことができたのだが、続いて1ヶ月ぶりに始動したエンジンの調子が悪い。何だか妙に力がない上に、すぐにエンストしてしまう。どうもおかしいと思って帰りにバイク屋に寄って見てもらったら、4気筒エンジンのうち1本が動いていないらしい、と言うことが分かった。だがここでバイク屋に預けると帰りの足に困るので、とりあえず様子を見ると言うことにした。

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2007/10/10

講義の準備など

先週お休みしたので、私の講義は今週から始まる。と言うことで明日が「熱力学」の初日なので、今日は予習をした。基本的には昨年と同じ話をするつもりなので全く同じでも良いのだが、改めて勉強してみると新たな発見があるもの。たぶん、昨年よりも良い講義ができるのではないだろうか。

午前中、久々に物理事務室へ。出張中にメールで届いていた懸案を、いくつか処理することができた。またその他にも来年の国際会議のための準備の仕事をしたり、夕方から小貫研主催の「相転移・ソフトマターフォーラム」に出席したりした。

ところで帰り際にKEKの山田君からEurophysics Letterの別刷が届いた、との連絡をもらった。確か先週のアーヘンでの国際会議の直前にゲラ刷りをもらって、会期中に回答を送ったはず。だからそれからわずか1週間で出版されたことになる。J. Phys. Soc. Jpn.に出したKS君の論文は先月末にゲラに対する回答を送っているはずなのに、少なくとも今のところJPSJのホームページには掲載されていない。日本の出版スピードがヨーロッパに負けた、と言うことになるわけで、何となく悔しい。

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2007/10/09

久々の京大

昨日は祝日だったので、今日から大学に出勤。発明センターの机に行ったら郵便物や書類が山積みになっていたがこれはいったんペンディングにして、1Fの部屋に行って吉川さんに帰国の挨拶をし、秘書さんにボーディングパスの半券を渡す。この半券は本当に飛行機に乗ったことを証明するためのもので、無ければ旅費が出ない(こともある)と言う重要なものだ。最悪カバーチケットがあれば手続きは何とかなるらしいのだが、しかし今やEチケットの時代。カバーチケットなんて持ってないので、半券を無くせば証明する手段がない。(クレームタグぐらい?)と言うことで、間違いなく持ち帰って秘書さんに渡すことができて、ほっとした。

午前中はその郵便物と書類の整理や緊急のメール書きなど。午後もその続きと、課題研究の集まり。今年は課題研究の学生が4人いるのだが、それぞれの進路と何をしたいかを確認した上で、テーマについて考えた。

夕方は合同教室会議と物理学第一教室会議。合同教室会議では、統計物理の新しい准教授の候補者の可否投票が行われた。また教室会議では、人事委員会の新しい規程が承認された。

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2007/10/06

ストライキと会議全体の感想

Bitte nicht einsteigen.

今日の8時過ぎに関空に到着するルフトハンザ便で、今回の長い出張からもどってきた。昨日も書いたように元々の予定は金曜日の朝までアーヘンに滞在してデュッセルドルフに移動し、そこからフランクフルトで乗り継いで帰ってくる、と言う事だった。ところがドイツ国鉄(Deutsches Bundesbahnだから「ドイツ連邦鉄道」かな?)の組合がストライキをすると言う情報が飛び交っていて、アーヘンからデュッセルドルフに移動するのはたぶん無理。木曜日のうちに移動するならデュッセルドルフに行くのもフランクフルトに行くのも時間的には一緒(Eurail Passを持っていたので料金も同じ)なので、どうせならフランクフルトに宿泊することにしよう、と言うことにしたわけだ。そして、当日の朝フランクフルト中央駅に行ってみたらほとんどの列車が止まっていて、普通に空港に行くのは無理。唯一運転していたICE(ドイツの新幹線)がフランクフルト空港駅に停車するので、これに特急券無しで乗って(駅員に構わないことを確認した)何とか空港に行くことが出来た。ICEはデュッセルドルフ空港には行かないので、前日泊をフランクフルトにしたのは正解だったわけだ。

ところで国際会議(International Soft Matter Conference)だが、全体を見渡して日本の研究者の発表の質はヨーロッパに比べて遜色がないどころか勝っている点もいろいろある、と言う印象を持った。そもそも全体の発表が600件ぐらいあるうち口頭発表はその1/4程度なのだが、日本人は40人のうち15人も口頭発表者に選ばれていた。もちろん、遠くからわざわざ来るからには自信がある発表が多いのは確かだろうが、それにしても世界のソフトマター研究の10%程度(あるいはそれ以上)をカバーするぐらいのパワーを持っている、と言っても良いと思われる。発表内容も日本人のものは総じて質が高く、「世界」に存在感を示すことができたのではないだろうか。

その一方で、日本ではあまり流行らない、あるいは研究者の層の薄い分野も目立った。主に感じたのはコロイドと生物物理の分野なのだが、特に後者はソフトマター物理にとっては究極の目標の一つなのに、日本でこれに正面から取り組んでいる研究者があまり多くない(あるいは「物理」としては目立っていない)のは残念なことだ。これはたぶん、日本の場合は「生物物理」と言えば多くが「タンパク質結晶学」になってしまうと言う事情に関係しているのではないだろうか。この分野は今後の大きな発展が望めるだけに、我々も良く考えなければならないのではないか、と思った。

一方日本では研究者人口の多い高分子と液晶は、比較的少なかったような感じがした。日本の場合、この2つの物質系は化学工業関連の巨大な分野に繋がっているため研究者人口も多いのだが、少なくともこの会議では思ったほど多くは無かったような気がする。ノーベル賞を取ったド・ジャンの初期のテーマが液晶と高分子で、これによってヨーロッパのソフトマター研究が大きく進んだと言うことは良く知られていることだが、その分野があまり目立たなくなっている、と言うことが本当だとすれば(私の単なる印象ではなく、と言う意味)、それもまた興味深いことである。

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2007/10/05

国際会議終了

Aachen Dom

アーヘンで行われていた国際会議「International Soft Matter Conference」が昨日最終日を迎えた。一昨日はネットワークの接続ができなくて更新できなかったので、まずは3日目の話題から。

この日最初はPlenary Talkのハーバード大のWeitz。最近流行りのmicrofluidicsの話だったのだが、単にマイクロ流路を作って何かしました、にとどまらず非常に幅の広いことを色々とやっていて、なかなか面白かった。話があまりにも応用寄り過ぎて物理学的にどうの、と言う点ではやや弱かったかも知れないが、これまで僕が漠然と抱いていたmicrofluidicsに対する印象を変えるほどのインパクトがあった。

3日目の夕方は会議のExcursionでアーヘン大聖堂(Dom)へ行ってきた。この大聖堂はAD800年ぐらいに作られたヨーロッパ北部では最古のものだそうで、ドイツで初めて世界遺産に登録されたものだとか。プロのガイドが色々と説明してくれて面白かったのだが、人数が多すぎたためか宝物館(Wikipediaによると「北部ヨーロッパにおける最も重要な教会の宝物館」なのだそうだ)に入れなかったのはちょっと残念。また夜はConference Dinnerで、O. Glatter, B. Chu, Y. Rabinと同じテーブルに座ったおかげでいろいろと面白い話が聞けた。更にそのDinnerでは次回の会議の開催地についての投票結果が発表され、スペインのグラナダと決まった。

そして昨日10/4は会議の最終日。午前中のPlenaryは田中肇さん、午後はD. Rouxの講演だった。Rouxは両親媒性分子膜の研究者として非常に有名なのだが、どうも最近Saint-Gobainと言う会社の偉い人になったらしく、講演はその会社で作っているガラスの宣伝がほとんどだった。

そしてそのRouxの後のパラレルセッションでは、"Surface and Interfaces III"のセッションの座長をした。Richterから頼まれて断れずに引き受けたのだが、内容的にはあまり僕には関係ない話ばかりだったので少々困った。ただ、産総研の福田さんの協力もあって何とか無事に終わらせることが出来た。

会議が終了したのは夕方の7時前だったので、それから急いでホテルまで行って預けていた荷物を受け取って、ICEに乗ってフランクフルトまで移動した。元々の予定では10/4の晩はアーヘンに泊まって10/5の朝にデュッセルドルフに移動して飛行機に乗るつもりだったのだが、ドイツ鉄道(DB)がストライキをすると言う情報があったため急きょ移動を1日早めたのである。行き先はデュッセルドルフでも良かったのだが、電車の便の都合等を考えてデュッセルドルフからフランクフルトまでの便もキャンセルして、フランクフルト泊を選択した、と言う次第。今日はこちらの時間の14時に飛行機に乗って、ようやく日本に帰ることが出来る。

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2007/10/03

国際会議2日目

Aachen Dom, a world heritage

昨日も朝8時半から国際会議。最初はエジンバラ大のCatesで、Lattice Bolzmann法を用いた流体のシミュレーションの話をした。続いて話したChaikinは基本的にはこの前京大で話したのと同じ話で、レイノルズ数が小さい流体ではずり流動による変形が可逆的になる、と言う実験結果を説明しようとする計算結果を示した。

その他にも講演やポスターなど色々な話を聞いてお腹いっぱい、と言う感じなのだが、全体としてはそれほど吃驚するような新しい話は今のところないような気がする。日本のソフトマター物理はヨーロッパに比べてまだまだ遅れている、というのが一般的な認識だったが、案外そうでもないのかも。ただ、600人にも上るこの会議の参加者のほとんどがヨーロッパ人(因みに日本人は40人程度。アメリカ人はもっと少ないかも知れない)だと言うことから、研究者の層の厚さは無視できないものがある。本当に新しいこと、と言うのは狙って出てくるものでもないので、いずれこの中から思いもよらなかったような結果が出てくるのかも知れない。

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2007/10/02

国際会議始まる

ISMC2007

ソフトマター国際会議(International Soft Matter Conference 2007)が昨日からドイツ・アーヘンのEurogressで始まった。これまでソフトマターを主題にした国際会議の小さいのはいろいろあったのだが、このように大々的に行ったのはたぶん初めてのこと。参加者600人を集めた盛大なものとなった。

昨日は最初のPlenary Talkとしてハーバード大のDavid R. Nelsonが「遺伝子のサーフィン」の話(遺伝子が変異しながらどのように伝わって行くか、と言うこと)をした。続いて3会場に分かれてのパラレルセッションで、午前中は主に"Cell Biophysics"のセッションに、午後は"Surface and Interfaces"と"Membrane"のセッションで話を聞いた。この中で最も興味深かったのはキュリー研究所のJ-F Joannyの「細胞の振動とblebbing」の話で、特にYS君の論文(無生物の系で同様に振動やblebbingが起きる話)との関係がどうなのか知りたかったのだが、色々な中身を話していて理屈の詳しい説明がなかったのでいまいち良く分からなかった。

因みに午後の"Surface and Interfaces"のセッションでは自分の発表をした。前日までは一応準備が出来ているの大丈夫だろうと安心していたのだが、当日になって見直してみると直したいところが色々出てきて、人の話を聞きながら直前までちょこちょこと直していた。そのおかげで発表自体はまずまずだったと思うが、ただ時間がどれだけ過ぎたのか全然分からなかったので持ち時間の20分のほとんどを発表に使ってしまい、議論の時間をほとんど取れなかったのは残念だった。

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2007/10/01

ケルンからアーヘンへ

Köln Dom

昨日はケルンからアーヘンへの移動日。天気が良かったので、ホテルをチェックアウトした後にケルンの大聖堂近辺をちょっとだけ観光した。大聖堂の上にも上ったのだが、100mぐらいの高さを細い階段で上って下りたためかさすがに膝が笑った。

アーヘンに到着してホテルにチェックインし、早速国際会議会場のEurogressに行く。最初は人が少なかったのだがレセプションが始まった後にだんだん増えてきて、色々な人に会うことが出来た。

そして今日から本格的に会議が開始。僕の発表は午後なので、これから最後の詰めをしなければ。

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