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2005/04/30

シルミド

これまで私は「シュリ」「JSA」と南北対立を背景とした韓国映画を見て来ましたが、その中ではこの「シルミド」が文句なしのNo. 1。映画的な派手さと甘ったるさを強調しすぎた感のあった「シュリ」に比較すると「JSA」は面白いなー、と思っていたのですが、それを遥かに越える強い印象を受けました。

その理由はもちろん、このストーリーが実話、特に長年韓国政府が秘匿してきた事実を元にしているからでしょう。死刑囚を集めて訓練して非合法の部隊を作る、というのはまるで「ワイルド7」みたいですが、それを国家的に行っていたこと、邪魔になって抹殺しようとしたことなど、まさかそんなことを本当にやっていただなんて。国家のやることは、特に軍隊が絡むことは人間性を無視したことになりがちなのはどこでも大差無いと思うのですが、それをこのような形で公開した韓国の映画界は、なかなか凄いと思います。

また、そのストーリーも人間ドラマとしても秀逸。シルミドにスカウトされた囚人たちにもそれぞれ理由があってそのような人生を送ってしまったこと。だからこそここで与えられた「任務」に自分を賭けざるをえなかったこと。それが国際政治に翻弄されて行き場が無くなり、やりどころのない思いの表現のために大統領官邸を目指さざるを得なかったこと。最後に一人一人がバスの中に血文字で自分の名前を書くところは、自分たちを翻弄し、押しつぶしてきた社会と国家に対して、彼らが本当に求めていたものは何かと言うことを明確に示したシーンだったと思います。

冷戦の時代とはうって変わって、今や多くの日本人が観光に訪れる「普通の」国となった韓国。シルミド(実尾島)の周辺は仁川国際空港として開発され、ソウルはアジア的な活気に満ち満ちていますが、しかしいまだに数十km北には38度線があり、国は真っ二つに分断されたままです。「冬のソナタ」等の韓国ドラマにはまるのも良いのですが、「隣人」を理解するためには時にはこう言う映画も見るべきなのかも知れません。

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2005/04/29

戦火の勇気

デンゼル・ワシントン主演の96年の作品で、「ラスト・サムライ」の監督の作品だそうです。

湾岸戦争で味方を撃ってしまって罪の意識に苛まれる中佐が、戦死した女性大尉の真相を調べるうちに、戦争の悲惨さ、異常さを明らかにしていく、と言う内容。アメリカ政府や軍のおかしさをチクリとやりながら、中佐が自分を見いだしていくと言うストーリーになっています。

まあ、映画としては悪くないとは思います。デンゼル・ワシントンは落ち着いた演技だし、脇役もいい味を出しています。戦争をするということは家族を犠牲にすることだよ、と言うメッセージも分かります。でも根本的に欠落しているのは、「敵」の方にも同じように人生があって、家族があると言う視点なんですよね。せっかく戦争自体の悲惨さ、無意味さに気づきかけているのに、敵は敵、味方は味方。イラク人?には顔も名前もなくて、ひたすら銃を撃ってくる存在でしかない。なんかアメリカ政府の考え方が透けて見えるようで、ある意味不気味な後味の作品でした。

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2005/04/22

サムルノリとNANTA!

nanta
国際会議の会期中に開かれたパーティーで、韓国の伝統芸能が披露されました。最初は宮廷音楽。数人の演者が笛や鉦、太鼓を静かに演奏する様子は衣装を別にすれば雅楽にそっくり。そもそも日本の文化は大陸から韓国(朝鮮)経由で伝わってきたわけですから、似てるのは当然かも知れません。

続いて出てきたのは「ミュージカル」だったのですが詳しくはまた後で書くとして、最も印象的だったのは3番目のサムルノリでした。

このサムルノリ、上の写真に見られるように4人が鉦、銅鑼、小鼓、太鼓を打ち鳴らすと言うもので、農村で収穫の時などに演じられた(日本の秋祭りみたいなものか?)芸能を原点として、80年代に「サムルノリ」と言うグループが現代的にアレンジして一世を風靡したものだとのこと。後にそのグループ名が一般名詞となって広まったのだそうです。

で、このパフォーマンスですが、いやー見応えがありました。時に静かに、時に激しく。特に激しくやるときは、汗をまき散らしながら猛烈なスピードで叩きまくると言う感じ。あたかも躁状態にあるかのような激しさで、ぐぐぐいっと引き込まれてしまいました。

一方の「NANTA!」は、日本でも何度も公演を行ったことのあるパフォーマンスで、テレビで放送されたこともあるので知っている方も多いのではないかと思います。その中身は、と言うとサムルノリの演奏を更に洗練させ、コメディタッチの演劇と組み合わせて舞台芸能まで高めたもの、と言えば良いでしょうか。韓国語が分からなくても内容は分かりやすく、二時間のステージはあっと言う間に終わってしまいました。

この二つは見た目は全然違うのですが、流れている「血」は全く一緒だと思います。1人が激しく叩けばもう1人がそれ以上に激しく叩き、演者たちがお互いに共鳴し合って激しさを増して、観客も興奮に巻き込んでいく、と言う感じで、韓国人のもつパワーの一端を見たような気がしました。最近の韓国旅行のイメージは「冬ソナ」だったりキムチや焼き肉などの韓国料理だったりするのでしょうが、このサムルノリとNANTA!は一見の価値あり、だと思います。ツアーなどでもNANTA!をオプションで組み込むことができるものが多いようなので、時間の許す方は是非どうぞ。

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2005/04/19

今年は世界物理年

WYP2005-UN-version
今年はアインシュタインが「光電効果の理論、ブラウン運動の理論、特殊相対性理論という三つの革命的な論文を発表した1905年から百年を経たことを記念する」と言うことで、世界物理年と言うことになっています。そのため今年は世界でいろいろな取り組みがなされているのですが、今日はアインシュタインの50回目の「命日」だと言うことで光のリレーが行われました。これは、18日の夜にアメリカのプリンストンを出発した「光」が有志の手によって西から東にリレーされ、地球を一周するというもの。参加者はある時間帯(日本では午後8時〜9時の間)に2分間だけ家の明かりを消し、その後点灯することで「光のウェーブ」を伝えていこう、と言うものです。残念ながら京大理学部の物理教室はこの企画に参加しませんでしたが(と言うか、妻に教えられるまで私自身も知らなかった ^_^;)、物理を専門とする人間の1人として、また世界平和を願ったアインシュタインの志を継ぐ者として、我が家でも2分間の消灯を行いました。果たして人工衛星からの眺めに少しは影響したでしょうか?

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2005/04/17

韓国の焼酎

korean_shochu
先週木曜日に、無事韓国から帰ってきました。いろいろ美味しいものを食べてきたのですが、その一つがこの焼酎。これまでどちらかと言うと食わず嫌いだったのですが、大田(デジョン)でよく出てきたこの焼酎はうまかった。アルコール度数は結構強い(確か20ぐらいだと言っていたと思います)のですが、口に含むと非常にまろやか。韓国焼酎と言うと「眞露」が有名ですが、そっちと比べて遥かにうまい、と思いました。因みに日本人で焼酎をストレートで飲むのはおっさんぐらいのものですが、韓国人は老若男女を問わす、と言う感じ。キムチと合わせて、食卓には欠かせないもののような印象でした。

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2005/04/09

HANARO2005

 明日から韓国で行われる国際会議HANARO2005に参加するため韓国・大田(デジョン)に行ってきます。韓国には研究用の原子炉が1基あって名前がHANARO(High-flux Advanced Neutron Application Reactor)と名付けられているのですが、これが完成して10周年を記念する国際会議です。

 最近、日本と韓国の中性子散乱研究者の交流が盛んになってきてここ数年「日韓中性子散乱ワークショップ」と言う形で研究会を続けているのですが、日本からはその一環として10人以上の研究者が参加するようです。私は小角散乱のセッションで“Pressure- and temperature dependences of semi-microscopic structures in microemulsion systems observed by SANS and NSE”と言うタイトルで、招待講演をしてきます。

 予定ですが、明日関空からソウルへ飛び、水原でKリーグの試合を観戦して(^_^;)から大田入り。月曜から水曜まで会議に参加して、水曜夜にソウルに宿泊して木曜日に帰国します。

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2005/04/08

京都のラーメン(8)〜駱駝

rakuda
 なぜか担々麺が食べたくなったので、ガイドブックを見て「らーめん丸屋」と言うのを探して京都造形芸術大のそばに行ってみたのです。そうしたらなんと閉店してしまったようで発見できず。その代わりに行ってみたのが、この「駱駝」と言うお店です。

 こぢんまりとしてちょっとおしゃれな雰囲気のこのお店は、ラーメン屋ではなくて四川料理の専門店。担々麺が食べたかった私は、ミニ担々麺を含む「Cセット」1580円也を頼みました。このあたりのランチとしては少々、どころかかなり高いのですが、棒々鶏と水餃子、担々麺、ご飯の組み合わせは一人前の本格中華としては普通の値段かも。どっちかというとケチな私ですが、これを食べて損したとは思いませんでした。

 因みに担々麺の味ですが、口に入れた瞬間は辛みよりも甘みを感じて、飲み込んだら後からじわじわ効いてきます。辛さでどんどん攻めてくると言うよりも、複雑なスパイスの味を辛みでまとめている、と言う感じでしょうか。これは「ラーメン」と言うよりはむしろ中華料理。担々麺の他にも葱油麺、素菜湯麺、サンラー湯麺など色々な麺類をメニューに揃えているみたいなので、また行って食べてみようと思ってます。

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2005/04/05

京都のラーメン(7)〜味千

ajisen
 春になったら「京都の桜」でもやろうかな、なんて思っていたのですが、ちょうど真っ盛りになりそうなのが今週から来週初めぐらい。あいにく私は韓国出張が入っていてたぶん無理なので、ネタが溜まってきた「京都のラーメン」の続きをすることにしましょう。

 今回の最初に取り上げるのは、下鴨・洛北高校近くにある「味千 京都1号店」です。素材を熊本から取り寄せて作っている、と言う本格派熊本ラーメンで、豚骨100%のスープにストレート麺とキクラゲ、チャーシュー、ネギ、卵。これに揚げニンニクをたっぷりと乗せて食べるとうまい!ラーメンにニンニクを入れる方法には色々流儀があるわけですが、やっぱりこの熊本流が一番じゃないかと思います。場所は下鴨本通と北大路通の交差点から西に10mほど行ったところで少々行きにくい(地下鉄北大路駅から歩いて10分ぐらい。駐車場はありません)のが難点ですが、それだけの価値はあるんじゃないでしょうか。

 ただ、人気メニューの「旨辛ラーメン」は少々辛すぎ。私が辛さに弱いのかもしれませんが、食べているうちに舌が痺れてきて最後まで食べられませんでした。この店のHPによると先日「クッキングパパ」で取り上げられていた熊本名物「太平燕」も食べれるそうなので、今度また行ってみようかな。

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