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2005/02/19

大学入試を受けさせる立場から

 そろそろ国立大学の入試の時期。受験生の皆さんは、最後まで頑張ろうと思って勉強に励んでいることでしょう。

 ところで入試を受ける人がいる一方で当然受けさせる人がいるわけで、大学側もピリピリしながら入試の日を迎えます。我々大学教員も、試験当日は試験監督や管理業務(要するに問題なく試験が行われるようにお世話する係)が順番に回ってくるので、それが当たった人はそれなりに?緊張してその日を迎えます。

 しかし、そんな中で一番大変なのはやはり出題と採点です。出題する人は1年ほど前から準備を開始し、問題案を作り、いろいろな角度で検討し、絶対に間違いない、と言うまで「バグ取り」して試験日を迎えます。でもそれでも不思議にトラブルがあるもの。この時期、よく「××大学で入試のミスがあった」とかなんとかニュースになりますが、そのほとんどがいわゆる「ヒューマンエラー」と言うやつで、悪気はなかったはずなのに気の毒だなー、と思ってしまいます。(もちろん、受験生にとってはどんなミスでも勘弁して欲しい、と思うのは理解できるのですけど。)

 小さな大学だと出題者も結構頻繁に回ってくるようですが、大きな大学になるとそうでもありません。しかし、数年に一度は必ず回ってくるのが採点の仕事。これもミスは許されないので、結構緊張します。特に気にするのは、数人の採点者の中で採点基準が違わないようにすること。穴埋め式の問題なら楽なのですが、記述式だとそうはいきません。そして、受験者によって違う表現をいかに理解して、意図を汲んで点数を与えるかに結構気を使います。どうせ間違いは間違い、と冷たく採点するんだろう、と思うかも知れませんがさにあらず。他の教科は知りませんが、少なくとも物理の場合は、なるべく、なるべく高い点数になるように採点しています。理由は簡単で、平均点が低すぎたら翌年から取る受験生が減ってしまうから。物理を専門とする教員としては1人でも多くの学生が物理を学んで来て欲しいわけで、やっぱりどこかにそう言う「打算」が入ってしまうのかも知れません。

 因みに、ほとんどの大学教員は入試業務を担当するのが苦手で、なるべくその仕事から逃れたいと思っているものですが、誰かがやらなければならない仕事なので仕方なく引き受けます。しかし、絶対に逃れることのできる理由が一つだけあります。それは、近親者が受験するということ。私の場合二年後に息子が受験することになるので、その時だけは入試に関わらなくて済むことになるわけです。

 そうそう、最後になりますが受験生に一言。そんなわけで大学側もなるべく受験する人が不利にならないようにやってますので、緊張せずにリラックスして受けてください。A日程の入試まで残り1週間弱。当日になって実力が出せないようなことにならないよう、体調を崩さないように気をつけて頑張って欲しい、と心の底から思います。

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コメント

そんなに気をつかっているとは知りませんでした(_ _)

ダブル,トリプルチェックしてもだめなのかいな?

投稿: aran | 2005/02/27 06:27

京大の化学の出題ミスは、トリプルチェックしたけど、とか言ってたようですね。問題の秘密を守るためには関わる人間は出来るだけ少なくしたいんだけど、でもチェックする人が少なければそれだけ視点が限られてしまってミスを見つけられなくなる、と言うことなんだろうと思います。

投稿: せと☆ひでき | 2005/02/28 23:48

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