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2004/04/15

粘弾性とは?

今年から理学部の4年生と大学院生を対象に、「ソフトマター」と言う授業をしています。ソフトマター、とは固体の反対で、柔らかな物質という意味。具体的には高分子(プラスチックなど)や液晶(テレビやモニターに使われている物質)、エマルジョン(マヨネーズや石鹸水のように、水と油が混じり合っているもの)を指します。普段の生活に欠かせないこれらの物質が、なぜそのような便利な性質を示すのか、を物理学の立場から教えています。

これらの物質の特徴、と言うのは多岐に渡るのですが、その中で重要なのがタイトルの「粘弾性」というものです。粘性、と言うのは液体の性質で、コップを傾けたら流れ出るようなもの。それに対して弾性、と言うのは、力を加えると変形し、離すと元に戻ると言うことで、これは固体に特有の性質です。身の回りのものを見てこれは固体か液体か、と聞かれれば押してみれば分かるわけで、指で触ってはね返されれば固体、そのままズブズブ入り込んだら液体です。

でも世の中には、この2つの分類には当てはまらない物質が結構いろいろあります。例えばゼリーにそっと触れば弾力を感じますが、力を込めると中に入ってしまいます。またマヨネーズやケチャップなども、普通の液体とは何となく違います。典型的なのはおもちゃのスライム。コップなどの容器に入れるとゆっくりとその形に合わせて変形します(つまり液体のように振舞う)が、床に落とすとぼよ〜んと跳ね(つまり固体のように振舞う)ます。つまりこれらは、液体と固体の性質を併せ持っている物質だ、と言うことができるのです。

液体のように流れる性質(粘性)と固体のように弾む性質(弾性)を併せ持っているものが、粘弾性体と言う物質です。加える力が速ければ固体のように振舞い、ゆっくりとした力を加えたら液体の様に振舞う。この性質を上手に利用すれば、例えば手に取ったときはまとまっていて、お肌に付けると良く伸びる化粧品、なんかを作ることができるわけです。

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コメント

 学生の時、瀬戸大橋を渡ったときに途中で車を止めて10円玉落っことしたら、途中からクルクル回りながら落ちていきました。ほほーと思ったのですが、2,3年前スライムを作った時にコップに入れたスライムに10円玉を水平に乗っけてみたら、だんだん斜めになって、タテになってまた斜めになってコップの底に落ちていきました。このままコップが長ければ回転するのかな?と思いました。
 うまく使えば空気中を高速で移動する物体をゆっくりと観察するためのシミュレータになる? 宇宙船が大気圏に再突入する時、入射角が小さいと跳ね返されちゃうということを聞いたことがあるので、高速の物体には空気も弾性を示すわけですよね。スライムを何かに使えないですかね?

投稿: aranxp | 2004/04/16 00:04

10円玉の話は、別に粘弾性体でなくても粘度の高い流体を使えば同じことが起きそうな気がします。

ただ、どんな流体でも完全に理想的なものは存在しないと言っても良く、厳密に言えばどんなものでも粘弾性体です。宇宙船と大気圏の話も、薄い空気ですら粘弾性体として考える事ができる、と言うことかもしれませんね。

投稿: せと☆ひでき | 2004/04/16 00:41

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今朝、夫に頼まれてスライムを作りました。 スライムは「液体と固体」の性質を併せ持 [続きを読む]

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