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2004/03/09

複雑流体とは

昨日からやっている会議は「複雑流体の国際会議」と言うものです。流体、とは文字通り「流れる」もの。水や油や空気など、手などを入れて動かす事ができるものはぜんぶ流体です。そして複雑流体とは何かと言いますと、一言で言えば「単純流体でないもの」です。「水」は水分子だけで出来ているから単純流体。飲んだら酔っ払うエタノールも、純粋なものは単純流体です。ビールは水、エタノールの他に色々な成分が入っていて、グラスに注ぐと泡まで立ちますが、物理学的な立場からいえば「単純流体」と言って良いものです。

その一方で、世間にはその枠には当てはまらないものも普通に使われています。例えばマヨネーズ。半透明で見た目にも水などとは全然違いますが、容器を逆さにしてもすぐに出てこないほどドロドロしている他、単純でない性質もいろいろと持っています。この性質がどこから来ているかというと、水(酢)と油(サラダ油など)が卵の力でほぼ均等に混じり合っているから。こう言う混合物を「エマルジョン」と言うのですが、この仲間には化粧品やペンキなども含まれます。単純でない流体は、それがゆえにいろいろと役に立つ性質を持っているわけで、これらの振舞いをどのように物理学の立場から理解するか、と言うことが、今回の会議のテーマなのです。

生命を司る細胞などのパーツもまた、一種の複雑流体です。従ってこれらの性質を明らかにすることは、将来的に生命の本質を明らかにすることに繋がるかもしれません。物理学、と言うと素粒子論や核物理、あるいは宇宙に関することが脚光を浴びることが多いのですが、今後は今まで化学や生物学の対象とされてきた分野が、物理学の対象となっていく流れがある、と私は思っています。

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