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2004/03/06

鳥インフルエンザなんてこわくない〜越南河内紀行(4)

ハノイに着いた次の日、ホー・チ・ミン廟とその周辺を訪ねてきました。ホー・チ・ミンは、ベトナム建国の父。第二次大戦中にはベトミンを率いて反仏抗日戦を指導し、独立とともに大統領や首相を務めるなど、ベトナム共産党と政府の最高指導者としてベトナム社会と国際政治に重きを成した人物です。ホー・チ・ミン廟には彼の遺体が安置されていて、今でも多くの国民や観光客が訪れています。

このホー・チ・ミン廟に入れるのは午前中だけ。それも何人かがひとまとめになり、列を作って廟の中を通って見る事だけが許されています。写真撮影はもちろん、立ち止まることも禁止。サングラスや短パン、サンダル等の軽装で入ることも禁止です。蓮の花をかたどった、と言う建物はがっちりとしていて重々しく、多くの兵士が警備していて厳粛な雰囲気に包まれていました。

この廟の隣には、ホー・チ・ミンが生前に住んでいた「官邸」が残っています。ベトナムの伝統的な木造の小さな建物で、開けっぴろげで飾り気がなく、国民に「ホーおじさん」と呼ばれて親しまれた人柄が偲ばれる、と言う雰囲気でした。

更にその隣には、ホー・チ・ミン博物館があります。1990年にホー・チ・ミンの生誕100年を記念して作られたそうで、ホー・チ・ミンの生涯に関わる資料だけでなく、関連する世界史的な資料やアート(例えばピカソの「ゲルニカ」のレプリカなど)が展示されていて、私が想像していた「博物館」とは少々趣の違ったものでした。

これらのホー・チ・ミン廟と博物館は旧ソ連のレーニン関連施設と同じモチーフだそうで、特に博物館はレーニン博物館の設計者の手によるものだとか。西欧的な展示物を見慣れた目には、なかなか興味深いものがありました。ただ、その一方でやや危うさを感じたのも確か。社会体制と結びついた個人崇拝は、その体制がひっくり返った時に必ずそのシンボルとして憎しみの対象とされる、と言うのはレーニンやフセインの像が破壊された事から見ても分かります。ベトナム国民を「自分の子供たち」と呼んだホー・チ・ミンは、ひょっとするとガラスケースの中で「できればそっとしておいて欲しい」と思っているように思えてなりません。

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